![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/154780578/rectangle_large_type_2_f68bc374075260894051fc5affb61791.png?width=1200)
人の振りみて・・・
帰宅時間の電車内。
混みあっている上に誰もが疲労し座りたいものだ。
滅多に座ることは出来ないのだが、その日は運良く座れた。そのシートは2人掛け。ありがたい事に、2人で座っているが少し余裕すらある。見知らぬ人と汗ばむ肌を密着せずに済み、快適であった。
駅に停車する度、人が乗り降りする光景は、まるで荒波が立つようだとボーッと眺めていた。
6駅目に着き、ドアが開くなり「はい、乗ります乗ります!退いて退いてー」と言う声が聞こえてくる。
声は段々近付き、気付けば目の前に。
歳の頃は40代位の女性。
「あ!座れる座れる!」
そう言うなり、こちらにお尻を向け
ドッスン!!
思考が固まった。
見事にこちらの腿上に腰を下ろし、更にはお尻を無理矢理隙間に捩じ込もうとする行動に驚き、直ぐに我に返った。
確かに隙間はあるが、精々小さなお子様分ほどである。
そこに100kg超えていそうな体格の人が座ろうとしているのだ。
いや……無理だよ……無理……
足が重い!痛い!
思わず立ち上がってしまった。もう1人の乗客も反射的に立ち上がった様子である。
その100kg超えと思われる女性は悪びれる様子もなく、
「はーお腹空いたー」
と袋からコーラとハンバーガーを取り出し、2人がけシートのド真ん中に1人で座り飲食するのであった。
無理矢理シートを占領し、車内で匂いが充満するものを堂々と食べるって如何なものか?
確かにお腹が空く時間ではある…
ハンバーガーとコーラの組合せはよく合うよな。
ポテチにコーラも合うんだよな…
ジャンキーな物は悪魔的に美味い。
わかる、わかる!
しかし欲のままの食生活を送っていると、みるみるうちに贅肉が育ち、いつしか膝は壊れ歩けなくなるのだ。
呆れながらも、あの巨漢を支える主の膝は大変だろうな…
終業真近、脳内はハンバーガーを求めていた。
よし!夕飯は自宅近くの店に立ち寄りハンバーガーを食べよう!と目論んでいたが、巨漢の人の姿を見て今日はやめる事にしたのだった。
家に着き、とりあえず空腹を満たしたいと思い口にした物はカップラーメン。
あれ?
結局ジャンキーフードだ・・・。