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【連載小説】俺たちの朝陽[第16章]   あとがき

優勝だよ、全員集合! 新宿区早朝軟式野球第3回大会優勝記念写真(上)

【変わりゆく時代、変わらない面々】
 新宿区早朝軟式野球第3回大会優勝の後、第4回は優勝を逃しましたが(順位不明)、第5回、第6回、第7回と三連覇達成。第3回大会優勝時には、西新宿成子坂から歌舞伎町まで“新宿区早朝軟式野球『27時』優勝”の文字を記したプラカードを掲げ優勝パレードを断行。無許可デモと勘違いされ、警官に追尾されたというおまけ付きだった。そしてすき焼き屋で祝杯をあげた。
 その後は餃子屋『ヒゲ』のマスターの故郷帰りに伴い、2年ほど伊勢のお父の営むレコード屋「衆楽堂」の店先を間借りして続けましたが、流れ解散となりました。
 もうすでに半世紀も前の出来事を読み物仕立てにして書いてみました。物語調にしてありますが、エピソードは、私の創造した部分を除き大体が実話です。一部作者の創作部分について、現在のところ面々からの異議申し立てはありません(笑&祈)。野球を始めた 時の『27時』の愉快な話に紛れ込ませるようにして、私の実体験も滑り込ませてあります。

 あの頃は、まだファミリーコンピュータなどは影形も無く、スペースインベーダーさえも我々が遊ぶ事ができるようになるには、あと数年待たなくてはならない時でした。過去は美しく思えるようですが、あの時代は確かに何もなかったけれど、それでも愉しみを作り出していました。この物語に登場する面々は、そのようなことを喜べる人たちでした。
 数年前に、それこそ数十年ぶりに彼らと会ったところ、やはりこの物語に存在するままの面々でした。懐かしいと同時にあの時から変わりようのない彼らを見て、とても安心しました。変わりゆく時代にあっても、変わらない人たちがいるのは、心強いことです。また彼らと草野球を愉しみたいです。もちろん私が参加する時は、『ダラ監』としてですが。
 最後に、餃子屋『ヒゲ』のマスターであり、また、野球をやろうと言って、『27時』を引っ張ってきてくれた故阿部洋平(享年76)さんには本当にお世話になりました。ありがとうございました。 
 そして、一緒にあの時代を過ごしてくれた全ての人に心から感謝したいと思います。                   谷内田哲夫(酔歩人)
                              (完)
      〈続いて 俺たちの朝陽[番外編]哲彌の酔歩記を随時投稿〉

#俺たちの朝陽 #連載小説 #朝陽


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