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私なりのバーチャル試着技術と私の想い

まずはご挨拶を。どうも、華魔です。
数年ぶりの記事です。なんとか、私なりのバーチャル試着技術を仕上げました。私がバーチャル試着の技術開発を志してからもう3年が経ちましたね。会社が終わった後の時間と休日しか使えない縛りのせいでとても長い月日が経ちました。
技術開発を志した頃の考えから技術を成すまでの数年間の考え。そこに差はあったのか?答え合わせや、各技術を目指した想いや理由を綴ろうと思います。

1.答え合わせ


さて、上記記事の3、4に志し最初期の考えが記されています。執筆は2020年とVRが黎明期と騒がれる前後くらいの古い記事ですね。抜粋すると以下です。
3.
 (1)今ある衣装データ等を今ある3Dアバターに試着させることができる
  "何か"を創る
 (2)(1)をVR界隈で広く浸透させる (VRMのような位置にもっていく)
  (~なデータ形式にすれば適用可能ですよ。のような)
 (3)現実(企業)側が制作する衣装データの形式を(2)に合わせてもらう
 (4)現実(企業)側とxR(個人)側、双方の衣装データがアバター適用可能になる
4.
 ・設定されたデータを試着(装着)可能とする"何か"の創作
 ・理想は試着したい衣服を、目の前に出し→合わせ→追従可能な状態(装着
  状態) にする、というもの
 ・
『合わせる(キャリブレーション)』について知る必要がある
 ・フルトラ時のTポーズが理想的なムーブ

これらについて、2023年4月時点での答え合わせをしていきます。
ざっくり言うと、ほぼ間違ってます。私の目指しているバーチャル試着技術の観点から見ると、3.(2)~(4)、4.のキャリブレーションやTポーズのくだりは大きな間違いであると、技術研究を重ねながら気付きました。
 
なぜ間違いなのか?
それは、上記記事2で記している通り、
 ①最終的な理想はMRでのバーチャル試着
 
働く人や個人の活動・活躍のために、個人や企業の創作した3Dデータを
  活用して"試着や衣装変換ができる未来"、を実現したい
という私の想いに沿っていないからです。

私が開発・公開した試着システムは、
マルチアバター/マルチコスチューム対応ノンキャリブレーション試着システム、です。どんなシステムかは名前に全部載せしてます。
何がどこの想いに沿っているかというと、マルチアバター/マルチコスチュームが②の想いに、ノンキャリブレーションが①の想いに沿わせています。

2.マルチ対応を目指した理由

私がマルチ対応を目指した理由は、「創作者の意図を無下にしたくない」という考えからです。この考えがベースとなり、その上に、②働く人や個人の活動・活躍のために、個人や企業の創作した3Dデータを活用して"試着や衣装変換ができる未来"、を実現したい、という想いが成り立っています。

創作者の意図とは何なのか?
私のマルチ対応とは、全く別のクリエイターの3Dモデル同士で試着できますよ、という事です。すなわち、多様な作り方に対応していることを意味しています。
3Dモデルの創りには大筋はあれど細かいところで統一性がなく、作り手によって細かいところが全く異なる、という多様性(?)が存在しています。特にBoneに関しては傾きの方向や向いている軸が異なります。

この創りの違い、何で起こると思いますか?
私はこの違いを創作者の意図として捉えています。3Dモデルは個人制作も企業制作も関係なく何かしらの理由があって多様な作りになっているのだ、と捉えることにしました。

たくさんの3Dモデルに対応させたい、という気持ちを持つとどうしても「創りが同じになれば簡単なのに…」、「創りを同じにできないか?」、と、”統一規格”の立案が頭をよぎります。
ですが、必要以上な統一性は、先の創作者の意図を無下にしかねる悪手です。これは、マクロな観点からも言えることです。とあるプラットフォーム依存型の形式では、生産性も何もあったものではありません。

多様性を損なわせない事広がる価値を残す事UGCのUを大事にする事、大事な事がたくさんあります。だからこそ私は、まだ確立されていない時間も手間もかかる"マルチ対応"を目指しました。

3.ノンキャリブレーションを目指した理由

私がノンキャリブレーションを目指した理由は、”人(人間)”への利活用への想いが主となっています。発端は上記noteに記載してます。

私はVRを体験した2019年に、VRの広がりに続きリアルへと拡大していく、と直感していました。なぜなら、バーチャルの広がりの真因は「3Dモデルや3Dモデルを扱う技術の敷居が下がったこと」であると感じていたからです。

発端と上記理由があって、私は"人(人間)"への適用を主目的としてバーチャル試着の開発に着手しました。なので、最初から"人"向けの手法を考案することが真の課題でした。

しかし、情報学科や3Dモデルを扱う学校の出身でない私は、そもそもの3Dモデルの原理理解やプログラミングを学ぶ必要がありました。そのため、まずはVR空間でバーチャル試着をできるようになろう、という目標を立て、上記noteを綴りました。目先がアバターへの適用寄りになっていたので、Tポーズ云々のくだりや様々な間違った考えをしてしまっていましたね。人(人間/ユーザー)は強制的に動かせませんので。

さて、2019年から4年が経過しましたが、思った通りリアルの方からVRに干渉してくるようになりました。とても良い傾向に感じています。
しかし、このままでは各種ガラパゴス化して終わってしまうでしょう。

打開に必要なのは、3Dモデルを扱う利点をリアルでも実感させる事、だと私は考えています。そのためには、”人(人間)”への利活用の観点が不可欠でしょう。アバター向けだけの技術では3Dデータをリアルとバーチャルで相互に活用できる未来は来ないです。
なので私は、人にもアバターにも適用可能な、ノンキャリブレーション方式のバーチャル試着手法を目指しました。

4."人へ" という大事な想い

ここまで読まれた方のなかには、先のマルチ対応もノンキャリブレーションもどちらも"人(人間)"への想いで成り立つことに気が付いた方がいるかもしれません。

アバターを使う人も、3Dモデルを創る人も、装置を売り込んでる人も、3Dモデルを創るアプリを運営する人も、みんな、今を生きる人(人間)です。

のんびり技術を磨いている人もいれば、生きるために必死な人もいます。
そんな多くの人の創作を、出来る限りそのまま使えるようにする事もまた、"人へ"という想いであると、私は思います。

仮想空間であろうと、やっぱり”人(人間)”って大事でなくてはならない存在なのではないでしょうか。
リアルとバーチャルの相互な楽しさを目指すには、"人へ"という想いは今後大事な位置づけになると私は感じています。

5.おわりに

久しぶりなnoteのせいか、書きたい事や思っていた事、積った想いがたくさんあるにも関わらず、全然まとめきることができませんでした。全部書こうとすると話の主軸がズレまくり大変なことに。
最後に、私は昔の記事に"自分が何を出来るのかは全く分かりません"と書きましたが、何とか1つ試着手法が出来上がりました。まだまだ序章にすぎませんし、次は本当に"人へ"に挑むため、今尚、"自分が何を出来るのかは全く分かりません"状態です。楽しい 笑
挑戦には苦しいことがたくさんあると実感しましたが、今はあの時の一生懸命さが充実した楽しい時間であったと感じています。未知への挑戦をここまで楽しく感じるのは、自分が未来を楽しんでいるからなのでしょう。
また、頑張って挑戦していこうと思います。
本当に拙い記事でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。

P.S.バーチャル試着の重要性は今後確実に上がる、と綴っておきます。

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