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[コラムに及ばない思考記文-04]必要最小限しか外出せず 移動せず ミニマムな生活圏で生き続けたとき その先にあるものとは

コロナ禍で移りゆく価値観

本当に必要なものって何なんだろうと考えた時、真っ先に“おしゃれ!”と声が上がる事は、昨今の状況では考えにくい。
リモートワーク推進により、長時間座っていても体を壊さないオフィスチェア、WEBミーティングのためのスペースを確保するためのレイアウト変更、そして、おうち時間が増えたことで進む断捨離。
さらに、テイクアウトやデリバリーのバリエーションが増えたことによるおうち外食も、限られた生活の中で新たに見出した価値のひとつではないでしょうか。

在宅で仕事が成立しない業種では、極限まで苦しみ、耐えに耐える事で精一杯の日々が続いていて、きっと、そこにはまた別の価値観が生まれているはずなのです。

価値観は時代ごとに変容し、その時代の特徴を色濃く反映させるひとつのピースでもあります。

素直に感じたままの真っ直ぐなひと言

先日ご来店くださったお子さまが「このままじゃ生まれた時から寝たきりになるよね」という、とってもシュールなひと言を放ちました。極端な表現ではあるけれど、子どもたちは子どもたちの短い人生経験なりに、この状況は尋常ではない事と、このままの状況に慣れてしまう事に対しての危機感をしっかりと肌で感じているようで、とても頼もしく感じました。

間違った楽をせず、毎日の生活を丁寧にリズムを保ったまま続けていれば、元の生活に戻っていく過程で苦しまずに済む。それを改めて子どもから大人までがこの機会に学んでいるのだなと感じ、私自身も真っ直ぐに現実と向き合うために、シャンとせねばならないと改めて心を正すきっかけにもなったのです。

ちょっとしたお出掛けでもひとつだけ頑張ってみる

近所のスーパーやドラッグストア、たまに出勤する職場。外に出る機会は、身だしなみを整えたりおしゃれをするチャンスです。このせっかくの機会に『めんどくさい』が勝ってしまうと、おしゃれが本当に必要ではないと感じるよりも先に、どうやっておしゃれをすればいいのかがわからなくなってしまうかも‥そんなのもったいなさすぎます。

身だしなみを整えるには、想像以上の精神力を必要とします。さらに、おしゃれに気を使う事は、それ以上のエネルギーを要するものです。
だから、体調の優れない日は『どーでもいいや』となってしまいがちだったり、疲弊して心がすき間だらけになってしまうと『どーしたこの格好?!』といった不思議な着こなしをしてしまったりもする。
おしゃれとは、つまり余力です。余力は持ってて損はないはずです。

20年後の自分のために、今できることを少しだけ、がんばってみることをオススメします!

そもそも身だしなみとおしゃれの違いって?

身だしなみとは、生活感やTPOを重視し、相手に不快感を与えないよう服装を整えること。おしゃれは自分の個性をアピールするいわば趣味。身だしなみを大人のたしなみとして、相手に与える印象はもちろんのこと、自分が心地よく過ごせるための楽しみの一つにしてしまえばこっちのものだと思いませんか?

昔の時代の女性は、朝起きたら着替えて髪を整え、寝乱れた姿を家の者には見せなかったという話を聞いたことがあります。実際に、祖母がそのように生活していたのを覚えています。夏休み、早くに目が覚めると、鏡台の前に正座し、髪を手早くまとめ上げている祖母の後姿がありました。
誰よりも朝早く台所に立ち、朝食の支度をするのにも関わらず‥。この究極とも言える身だしなみには、子供心に強い美しさを感じ、今でも鮮明な記憶として残っています。

「はしたない」とか「みっともない」といった言葉たちが、どちらかといえば“ハラスメント”として扱われるようになってしまったこの時代、これらの言葉の裏側に隠れている美しさへの願いは、だんだんと気付かれなくなり、消え去ってしまうのでしょうか。
日本の女性の古き良き精神の強さと美しさを、この機会に見直してみるのもいいのかも‥なんて、考えている今日この頃でした。


最後までお読みいただきありがとうございました。

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