12. あなたは何から卒業しますか?
3月と言えば卒業シーズン、卒業と言えば尾崎だ。この曲をBGMにして読んでほしい。(アラフォーだから仕方がない、卒業は尾崎一択である)
実は先日、次の仕事が決まった。
わたしが卒業するのは『専業主婦』である。
前職を辞めて丸5ヶ月、人生初の専業主婦をやったんだけど、今日は忘備録として専業主婦生活で得た気づきを記しておこうと思う。
専業主婦?向かないでしょー、絶対すぐに働きたくなるよ
家族にも友達にも昔一緒に働いた上司や同僚や後輩、いろんな人たちから言われた。
むしろ、専業主婦?向いてそう!とか向いてるよね!とは誰一人として言わなかった。
おかしい。
わたしは共働きの両親に育てられたので、小さい頃から一通りの家事は出来るし、結婚する前だって、結婚してからだって、割と家事は好きな方だし、男性に台所に立って欲しくない、わたしの存在意義がなくなるじゃないか!という昭和バリバリな価値観の古風な女である。
それなのに、だ。
誰からも専業主婦に向いてるって言われないのはどういうことだよ!と思った。
わたしに専業主婦は向かないだろうと言った人たちに、わたしは聞いた。何で向いてないと思うわけ!?と。
そうすると、みんな言った。
「絶対、仕事したくなるでしょ。家事やってるだけじゃ物足りなくなるでしょ」と。
特に、一緒に働いた人たちからは漏れなくこう言われた。
え?だって仕事大好きだったよね?
・・・ま、ま、まあ嫌いではなかったけどさ。
でも、効率的な仕事ぶり、充実した私生活、やりがいを持てる仕事にまっしぐら!みたいな意識の高さゼロのわたしである。
どちらかと言うと、出来るだけ家にいたい、眠っていたい、働かなくてもお金がもらえる制度があったら、家でひっそりと犬と遊んで暮らしていたいような。。。
だけど。
わたしって仕事好きそうに見られることが多い。
そりゃ、辛そうに嫌そうに仕事してる感を醸し出すよりは、仕事楽しんでますって見えるほうがよっぽどいいけどさ。
周りから見た自分は楽しそうに仕事をしていたんだな、と気づいた。
家事をするためだけに、わたしがいる必要性は全くなかった
共働きだった頃は夫婦共々帰りが遅かったから、夜ご飯は別々、外食かお弁当を買ってきて食べる、一応身体のことを考えてとりあえず野菜ジュースをがぶ飲み、みたいな食生活だった。
それが、わたしが専業主婦になり3食とも作るようになると、夫の帰りが自然と早くなり、ほぼ夜ご飯は夫婦で食べられるようになったし、会話が増えた。
特別なことを話すわけじゃないけど、共働きの時にはあるようでなかった「今日どうだった?」とお互い聞くようになって、そこから会話が弾んでちょっと感動した。
あとは、部屋がいつも綺麗。
我が家は犬がいるのだけれど、1日であっという間に床が毛だらけになる。働いていた時は残業で疲れて帰ってきた後に、毛まみれの床にうんざりして夜中に無言で掃除機をかけていた。
それが、わたしが専業主婦になることで1日2回掃除機をかけ、ちょっと気になったらルンバを動かし、さらにはクイックルワイパーとか特別暇なときは雑巾掛けとかしてたから、黙ってても部屋が超綺麗、空気もクリーン。
家は綺麗だし、あったかいごはんが待ってるし、これで夫が早く帰りたくなるような家を演出することが出来たはず。専業主婦しっかりやってるわ、わたしと思っていた。
でも、ある日の夫との会話。
夫「妻ちゃんもいよいよ専業主婦、卒業だね。
人には立ち止まる時間も必要だし、このタイミングで専業やったのも良かったね。
でもさ、若い子とかよく専業主婦なりたいっていう人いるけどさ、旦那さんを支えるために家のことやる、とか家のこときちんとやりたいから専業主婦になる意味わかんないんだよね。
だって、家事って別に男でも出来るじゃん?」
炎上発言である。
わたしのこの5ヶ月の全力の家事は!?それを男だって簡単に出来るだと!?
わが夫は一人暮らしが長かったのもあるし、綺麗好きだし、料理は出来ないけど外で食べればいいし、確かに家のことで困ることがない自立した人だ。だから家事を妻であるわたしに強要することが全くない人でもある。(せいぜい料理作ってくれたら嬉しいなー、くらい)
だからと言って働け!働けー!と尻を叩く人でもない。
多分、どっちでもいいのだ。
わたしが家のことだけをやりたくて家計が許せば専業主婦でもいいし、バリキャリを目指してヒゲが生えそうになるくらい男性ホルモンを放出して、ガツガツ稼ぐのだ!という仕事人間でもそれはそれで良いみたい。
夫「次の仕事はとにかく、無理せず、楽しくやってくださいよ。それだけよ、ほんと」
働いている時は、わたし働いてるんだから!好きにさせてよね!(お金の使い方とか夜友達と飲みに行くとかごはん行くとか)というどこか傲慢な気持ちがあったかもしれない。
専業主婦になったら、夫のため、家のために家事をすることで、やっぱり、あなたのためにやってるんだからね!という恩着せがましさがあったかもしれない。
でも、夫はそんなんどうでもよく、気づいてないのか、気づいていたとしても全く気にもしていなかった。
彼はとにかくわたしが楽しく暮らすことを望んでくれている、働いても家にいても。奥さんが家の中の太陽、みたいな格言めいたものもあるっぽいし、そういうことなのかな?
働いていないと価値がない、とか、家事をしているから存在意義があるとか、そんなことではなかったようだ。そんなことで自分の存在に意味を持たせる必要はない、と専業主婦をやったことで気づくことが出来た。
この支配からの卒業〜♪
専業主婦生活前半は、夫は何も言っていないのに、自分が働いていないことで家のお金で美容室に行くとか自分のものを買うのに、ものすごい後ろめたさがあった。
それが後半になるにつれ、働かないととか、せめて家事を完璧にせねば!みたいな思いから少しずつ解放されて、だんだんと家のお金を使うことへの罪悪感は薄れ、ありがたいなーと感謝の気持ちでいることの方が多くなった。
わたしの傾向として、仕事をし始めるとそれに没頭し、家のことがおざなりになる。そして、そのことに対してものすごい罪悪感に陥りがちだった。
でも、次からは大丈夫な気がしている。
仕事は無理なく、楽しむ。忙しければ家事はやらなくてもいいし、家のことやりたい気分だったらとことんやればいい(真夜中の断捨離とか、いきなりパンを捏ね始めるとか)。
つまりは、わたしは自由。そして感謝。
自分の好きなことを好きな割合でやっていい。
いやあ、卒業だねえ。
年齢を重ねるごとに自由度が増えていく。
楽しみになってきましたよ、40代。
サポートしていただけたら、OBASAN、喜びの極み。 いただいたサポートは、いつかお会いした時にお茶する費用にします!