牛乳パックロボ「GPTVictory」の作り方
GPTVictory は牛乳パックから作るリンク機構ロボットです.
以前の記事で紹介した TVictory と同じ6本脚リンク機構を採用しています.
TVictory はタミヤ工作材料で作りましたが,GPTVictory はその牛乳パック版ということになります.
牛乳パックの紙は非常に丈夫で紙の折れ目がそのままロボットの関節に利用できます.また,内側を外側にひっくり返すように作ると,白色の外観が美しい作品になります.ただし,側面の幅が 70mm なので,70mm ごとに折り目があることを考慮する必要があるなど,寸法の制約が難しい設計となります.
また,そもそも紙なので脚や本体に加わる荷重に耐える構造を創出する必要があります.さらに,ギヤボックスなどの部品の取り付け方法,脚機構の支持や駆動の軸,軸受など,確実に駆動しかつ容易に作成できる方法を実現する必要があります.
NIロボはこれらのノウハウを蓄積した結果,GPTVictory の完成に至りました.
GPTVictory の製作を通してリンク機構ロボット,牛乳パック工作の楽しさを体感頂ければ幸いです.
準備するもの
材料
使用する材料は以下の通り.
1L牛乳パック2本
竹串4本
ストロー1〜2本
タミヤ製:単三電池ボックス(ITEM 70151 または 70150)1セット
タミヤ製:3mm六角シャフトセット(ITEM 70252)のうち長さ 72mm シャフトを1本
M3長さ 40mm ビス(なべねじ)2本
M3ナット6個
牛乳パック用接着剤
セロテープ
牛乳パックは 1L のサイズのごく一般的なもの(側面の幅:70mm,高さ:195mm)を用意して下さい.中身を使用した後,潰したり切り広げたりしないで,内面を水で洗浄しよく乾かしておきます.
竹串は太さ 3mm 程度で先端部分を除いて 154mm 以上の長さの,なるべく断面が丸くてまっすぐなものを選んで下さい.
ストローは軸として用いる竹串やねじの軸受を作るのに使用します.太さはこれらの軸が丁度入るものがあればそれを使用し,なければ,軸より太いものを用意して下さい.長さが 30mm の軸受を6個作成するので,これに十分な本数を揃えて下さい.
単三電池ボックスは2本用または1本用X2本のセットのいずれかでも構いません.後者は2本まとめて2本用と同じ用法で使用します.
クランクピンとして長さ 40mm の M3(直径が3mmのネジ)ビス(以降 M3L40 と表記)を2本用意して下さい.
M3のナットはギヤボックスセットには4個しか付属していないので別途用意して下さい.
本工作例では M3L40 ビスとナットはタミヤの「3mmネジセット(30,40,50mm)」(ITEM 70181)のを使用しています.
牛乳パックの表面は特殊なコーティングが施されているので,牛乳パックが接着可能であることを明記した接着剤を用いて下さい.
NIロボはセメダイン社の「工作用速乾クリア」を推奨します.固まると透明でゴム状になり,ニオイも少なく速乾で扱いやすいです.
セロテープは軸受を作るときに使用します.
工具等
使用する工具等を以下に示します.
カッター
ドライバー(プラス,大と小)
ニッパー
ラジオペンチ
ラジオペンチもう1本またはM3ナット用スパナ or ナットドライバー
半田ゴテと半田ろう
千枚通し
マスキングテープ
洗濯バサミ
フリクションペン
ドライバーとニッパーはギヤボックスと電池ボックスの組み立てに用います.
ラジオペンチはナットの締め付けに用います.ダブルナット(ナットを2個重ねる)の締め付けにラジオペンチをもう1つ用意するか,M3ナット用のスパナやナットドライバー等が必要です.
半田ごてと半田ろうはリード線の結線に用いますが,なくても工作はできます.
マスキングテープと洗濯バサミは接着時に仮止めとして使用します.
牛乳パックに部品の形状を描くのにフリクションペンを用います.
ボールペンで代用しても構わないのですが,フリクションペンだと後から消せるので間違えた場合に修正できます.また,不要になった線を消すことで美観が向上します.
構造
Fig.3-1 にロボットの上面を Fig.3-2 に側面の画像を示します.ロボットは基本的に前後左右対象構造をしていますが,ギヤボックスの向き(モータがある方を後方)によって便宜上,Fig.3-1 のように区別します.
Fig.3-3 にロボットの上面図,Fig.3-4 に側面図(左側)を示します.
主要なパーツごとに半透明色で色分けしており,背後にある部品が透過して見えるように描画してます.
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