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サッカースタジアム

Hallo, Guten Tag!
サッカースタジアムへ行ってきました。

上位チームのホーム試合だったこともあり、とても盛り上がっていました!
現場はやはり、臨場感があっていいですね。

初体験だったのですが率直な感想は、
「Jリーグの試合、子供を連れて行ける」
です。

・・というのも。

ドイツ・ブンデスリーガのドルトムントやシャルケなどの強豪クラブチームが密集する地域に住んでいた私に、それは想像し難いことでした(笑)。

まず、公共交通機関。
試合のある日のスタジアムへ向かう週末の公共交通機関のバスや路面電車の中は、すでに血気盛んな人々で鮨詰め状態。しかし試合後の車内は目も当てられません。まるで台風の去った後のような凄まじい有様で、ビールやシュナプル類のお酒のビンと食べ残しなどが散乱する車内で辟易したこと数知れず。

そしてスタジアム。
あの怒涛のスタジアムの中に小さな子供を連れて生きて帰ってこれる気がしないな、と思っていたからです^_^

とはいえ当時、私の現場はまさにそこ。

今日はそんな時代の、「そもそも言葉で伝わるようなものではございません」要素かなり多めなスポーツ現場の通訳について書こうと思います。

あんた、そこに仕事はあるんかい( ̄▽ ̄;)?

なんか、デジャブ感ありますね。↓


身体が媒体

当時のブンデスリーガでは、香川選手や内田選手、長谷部選手など、日本人選手が目覚ましい活躍を遂げていました。それと時期を同じくして、多くの日本のマスコミやテレビの制作会社が頻繁に取材のためドイツを訪れていました。

そんな中、コーディネーターや通訳としてクラブチームやスタジアムを駆け回っていた時期があったのですが、仕事は主に、取材に必要な現地チームの編成、日本人選手やそのチームメイト、監督とのインタビュー設定、通訳、その他諸々です。

試合中はゴール後ろのカメラについていることも多かったのですが、そこは熱狂的サポーター席の目の前。背後から押し寄せるサポーターの応援と歓声の波。
大地は揺れ、空気も震えるほどの体感型パワースポット( ̄∇ ̄)

関わったクラブチームの一つは、とかくサポーターも熱いことで有名なチームだったこともあり、今回のように、多くのサポーターが乗車していても混乱のない公共機関や、スタジアムでの一触即発的な緊張感を感じずにすむ、ということに衝撃を受けました。

さて、そんなサポーターの声援は言語というよりは、リズムや音による非言語的要素が大きい気がします。
そして選手とはもちろん言葉を介して会話するのですが、なんというか、その身体から伝わる情報が言語以上に溢れているのです^_^

もちろん他の通訳現場でも、通訳者は発言者から発せられる言語情報のほかに、表情や仕草など、非言語の情報を数多くキャッチしています。
ただスポーツ選手の場合、メッセージを伝達する媒体を言語とすると、その他の信号やシグナルのようなものを伝達する媒体としての身体の能力がレベチの人たちでした。

これを定量化して測ることはできませんが、言葉として発話された情報だけが、非言語情報を含めた全体のごく一部として伝わる、という感覚は、特にこのような非言語情報がブワァ〜ッと溢れる中で、その後の通訳に対する考え方を変えることになったほど、強く印象に残っています。
これは、表現者の方々の身体もきっとそうなのだろうな、と思っています。

スポーツ選手や表現者個人の身体から、その行為をしていない時にも感じる何かなのですが、うまく表現できません。

現場は非言語の宝庫

そんな現場で当時、割と見えていた(感じていた)のが色です。

例えば。。

長谷部選手
透明
香川選手
黄色 (ユニフォームの色か?)
Jürgen Klopp(ユルゲン・クロップ)
濃い紫 
Mats Hummels(マッツ・フンメルス)
赤 

因みにこれ、私の体験と主観であり、非言語なのに、直説会話している時(言語を介しているとき)にしか感じない、という矛盾があります^_^

言語情報として交わした会話と同じくらい強く印象に残っているものなのですが、スーパースターが集う場所に非言語情報が時に渋滞気味なのは、あるあるなのかも。

特に印象に残っているのは、長谷部選手です。
あらゆる取材の現場で、目の行き届き方が細部にわたっていて、ある意味裏方みたいな動きや気配りをする人だったことがとても印象深かったです。
そんな様子や対応から、いつか日本代表の監督になるんじゃないかな、と思ったのを覚えています。そして言語化することにも長けていました。
破竹の勢いに乗っていた香川選手は当時ブンデスリーガ2連覇の全盛期でしたし、監督のJürgen Kloppからはただモノではない覇気と、飲み込まれるようにその場を包むパワーを感じていました。

かれこれ10年くらい前の、それぞれから感じていた非言語の何かです。

こんなふうに、現場には非言語情報が豊富です。
通訳はその現場からほんの一部を伝えるのにすぎません。

そして、時にこんな通訳も。

トルシエ監督の通訳として有名になったのフローラン・ダバティ。

                                                     朝日新聞DEGITALより

サンシャイン池崎の通訳(なのか?)、カイン氏(笑)。

サンシャイン池崎と通訳のカイン氏  YouTubeより

この2人、非言語の通訳にも長けています^_^

オンライン通訳も多くなった昨今、現場について再び考えさせられた、スタジアムの経験でした。

今日のドイツ語(唐突に始まる新コーナー)
現場:vor Ort

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。


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