見出し画像

変わりゆく、なりたかったもの

物心がついた時からおそらく小学四年生ほどまで
私は、月に憧れてた。
夜の中に光る月は綺麗で、心がじんわり悲しくもなり、懐かしくもなる。
大人しくて自己主張が出来なくて、太陽の力を借りてでも光りたかった。存在を示したかった。

そして、小学四年生から小学六年生まで
太陽になりたかった。
みんなを明るく照らす。
自然と笑顔になる。
明るい気持ちを運んでくる。
元気で、常に笑顔で、太陽が沈む時が綺麗なように、
さよならの時にじんわり物寂しくなるような、
また来てねって思われるような人になりたかった。

中学一年から三年の間
花のようになりたかった。
咲いたらすごく綺麗で、だからみんな咲くまでがドキドキワクワクで、咲いた時には拍手で迎えられる。
枯れていくのを惜しまれるくらい。
これから咲くよって予告をしつつだんだん花開き、気づかれないような道路の端で咲いた。
少しだけ気づいてくれる人はいた。
枯れないうちに摘んでもらった。
だから枯れなかった。
でも、散ってった。

高校一年から二年のおわりまで
空になりたかった。
雨も曇りもあるから晴れは綺麗で素敵に見える。
でも雨や曇りの時も誰かの心に寄り添って一緒に涙を流したり、ちょうどいい明かりを届けられる。
そんな天気の上は、雲ひとつない青空。
真っ青で何もない。
きっとみんなこの空みたいなんだよ。
晴れ、曇り、雨、時には台風だって来る。
でもその全てを取っ払った時、何もない、綺麗な空があるんだよ。きっと。
夜中でも少し白んでて、山との境目がわかる。
月、星、太陽を乗せて、大きな大きな空で受け止める。
全部受け入れて、肯定して、どんな君でもいいよって言ってくれる。
そんな人になりたかった。

そして、高校三年生の今、
私がなりたいものってなんだろう。

いいなと思ったら応援しよう!