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透明な時間

仕事帰り電車の窓に映る私を
すり抜けて過ぎてゆく
透明な時間
今日の私少しつかれた顔してる

その中で過ぎてゆく 
あの灯一つ一つの次元に
それぞれの時間があって 
その重なったレイヤーに
違う理想(ビジョン)がある

そういえばまだ私が 
今を見つける前
こんな車窓に映る自分に 
よく問いかけた

”泣いているの?” 
”笑ってるの?”
”今日は楽しかった?” 
”友達は優しかった?”って

透明な私に
“大丈夫?” 
“しっかりしなよ”と
声に出さず話しかけた

すり抜けていく透明な時間
すれ違うビルの窓越し 
映る私が境界線の 
どこかに消えてゆく

ポイントに差し掛かる度
同じ方向に干渉しあう
透明な時間
支えられずに
同じ方向に揺れる

反対方向すれ違う度
その角度を変えてゆく光と陰に
それぞれの時間があって
その重なったレイヤーに
違う理想(ビジョン)がある

そういえばあの頃は
となりで手をつないで
こんな車窓に映る
自分たちを見つめ合って

“どうしたの”
”疲れたの?”
”今日はどうだった”
”帰ったら何食べようか?”って

寄り添う私と
車窓に映る顔
2人でこっそり
にらめっこした

すり抜けていく透明な時間
すれ違うビルの窓越し 
映る私が境界線の
どこかに消えてゆく

つり革につかまり 
透明な時間
大丈夫っていいきかせてる 

すり抜けていく 透明な時間
すれ違うビルの窓越し 
映る私が境界線の
どこかに消えてゆく

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