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ほしい!!って深い… “世界はほしいモノにあふれてる”制作チームがコロナ禍で考えたこと

みなさん、こんにちは!

「世界はほしいモノにあふれてる」という番組をご存知ですか?  

世界各地をめぐり、そこにしかない素敵なモノに出会う旅。 
2018年の放送から、これまで43の国と地域をめぐってきました。

旅するバイヤーさんと一緒だからこそ出会える人・モノ・暮らし。 
世界中のめくるめく“ほしい!モノ”の魅力をお届けしています。 

突然起こったコロナ禍、海外での取材もロケもままならない中で、世界を旅する番組が何をみなさんに伝えたら楽しんでいただけるのか、何をお届けするべきなのか…。

迷いながらも、楽しく、真面目に、世界中のひとたちの姿に励まされながらここまできました。
そんな “いま本当にほしいモノ”と向き合ってきた私たちのストーリーにちょっとだけお付き合いください。


好評!アルパカ総選挙 インスタ企画誕生のきっかけはロックダウン?!

突然ですが、まずはこちらをご覧ください!

番組の公式インスタグラムでは、コロナ禍のいま、せめてSNSで旅気分を味わってもらおうと、番組で撮りためた写真を厳選して紹介しています。
フォロワー数はおかげさまで15万人を超えるほどに…
(ありがとうございます!)

世界のステキなモノや風景が並ぶ投稿の中でも、特にたくさんコメントをいただいたのが上記の「アルパカ総選挙」。

5月3日に放送したスペシャル番組 「世界一周!アウトドアライフをめぐる旅」で出会ったペルーのアルパカベストショット、5枚の中からお気に入りを選んで投票していただくというものでした。

noteせかほしアルパカ

みなさんだったら、どのアルパカに投票しますか…?

幸いにも好評をいただけたこの企画、実は、コロナ禍でロケに制約がある中でかき集めた映像素材の副産物だったんです。

■アウトドア業界の新星

「世界のアウトドアライフをめぐる旅」の企画が通ったのは今年2月。

密にならないアウトドアが再注目されていたことに加え、大手アウトドアメーカーの若手社長・山井梨沙さんが取材を受けて下さることになり、GOサインが出ました。

山井さんは33歳。元はファッションデザイナーという異色の経歴を持ち、「家とキャンプをつなぐ」斬新なアウトドア用品を開発し続けている、気になる存在でした。

製品開発のヒントを得るための山井さんの海外出張はユニークな体験の宝庫。
モンゴルの大草原で遊牧民のテント生活を探る旅や、アメリカの砂漠でのサバイバルキャンプ…。
ああいますぐ行きたい…。

膨らむ妄想をこらえ、特に印象的だった海外でのエピソードを中心に、世界5か国をリモートロケ。アウトドアをめぐる山井さんの旅を追体験できるVTRを作ることにしました。

(※現在、せかほしは、我々日本のスタッフが現地に行けないので、その国に住んでいるコーディネーターに代わりにロケをお願いしています。)


■アルパカへの道は険しい

山井さんの旅の中で心ひかれたのが、ペルーのアルパカの話。
アンデス山中で20年以上研究を続けるアルパカ博士にその魅力を教わったと言います。

標高3000mを超え、昼夜の寒暖差が激しいアンデスの高地で生きるアルパカの毛は、天然の温度調節機能を兼ね備え、アウトドアウェアにピッタリなんだそうです。

脳裏に浮かぶコンドルとアルパカ、アンデスの山々…。(行けないけど)

最高の“アルパカ旅”を再現すべく、現地ペルーのコーディネーターと連絡をとりました。

しかし…。

コーディネーター:
ロックダウンになって私が町から出られず、アンデスのロケに行けなくなりました。

どうしよう…。

悩んだあげく、アルパカ博士の紹介で同じ町に住むカメラマン・フアン氏にロケを託すことに。
普段はファッション関連のPR映像などを制作しているといいます。

ペルーが朝になる日本時間の深夜、フアン氏と、通訳を介してのオンライン会議が始まりました。
ウエーブがかった髪にヒゲをたくわえた恰幅のいいフアンは、子画面の中でしきりにうなずいています。
やりたいことをきちんと伝えられているだろうか…。一抹の不安を覚えました。


■アルパカラッシュ地獄

「せかほし」は、海外の風景や丁寧に作られたモノを魅力的に撮影することにこだわってきた番組です。
今回で言えば、アルパカの毛の美しさやアンデスの厳しい生育環境、たくましくも愛らしい表情をとらえた映像が不可欠でした。

ロックダウン中の限られたロケ時間で撮影しきるのは難しいかもしれない…。

そこで目をつけたのが、アルパカ博士が所属する会社が保有していた、大量のアルパカの資料映像でした。
とにかくすべての映像をペルーから取り寄せ、映像をチェックする「ラッシュ」の作業を始めます。

「おぉ、すごい!!」

荒涼としたアンデスの大地を走り回るアルパカの群れ。
モフモフの毛に包まれ、カメラを見つめる子アルパカ。
期待以上の映像に歓声を上げながら、ひたすらアルパカを見続けます。

画像2
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そうして1日が終わるころ、私たちは気づきました。
……これはきつい。

l_放牧する少年
l_茶子パカ
アルパカ白い子たち1
崖の上のアルパカ2s2

いくら絶景でも、いくらかわいくても、アルパカはアルパカ。
心の中で「もう止めたい」と思いつつも、「もしかしたら、もっといいアルパカが映っているかもしれない」という淡い期待が捨てられません。
結局2日間かけて資料映像を見終えたのでした。

すると今度はペルーから、撮りたてほやほやのロケ映像が届きました。
カメラマンのフアンは予想以上に私の意図を汲み、粘り強くアルパカを撮影してくれていました。

……ありがとう、、、フアン……
彼への感謝と、ラッシュ地獄のけん怠感が交錯する中、さらに厳選を重ねて見つけ出したのが冒頭の総選挙に出馬したアルパカたちでした。

日本の放送史上、最もかわいい(かもしれない)ペルーのアルパカたちを発掘できたのではないかと自負しています。

ちなみに総選挙で見事1位を獲得したのは“モフザイル”。

noteせかほしモフザイル

命名したのは、この総選挙も発案した、番組デスクのI氏です。
あふれんばかりのアルパカ素材を放送以外でも活かそうというアイデアでした。


■アルパカ誕生シーンに思うのは…

ところで、ペルーのカメラマン、フアンが撮影した映像には、貴重なアルパカの出産シーンもありました。


▼出産中のお母さんアルパカ▼

出産おかあさん

▼生まれたての赤ちゃんアルパカ▼

l_うまれたて

出産直前の姿には軽い衝撃を受けましたが、生まれた子どもの映像は、ペルーのアルパカ文化が受け継がれていく象徴のように感じました。

ロックダウンの中、アルパカの魅力を伝えるためならと、取材を引き受けてくれた博士とフアンに、改めて感謝です。

せかほしのSNSには、「コロナ禍の今だからこそ海外が見たい」というメッセージもいただいています。
私たちが撮影し、集めた1つ1つの映像が、今は遠くなってしまった異国の空気をみなさんの日常に届け、安らぎをもたらしてくれたらと願っています。

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アルパカ以外にも見どころたっぷりのアウトドアSPは、現在NHKプラスで見逃し配信中!
MCの鈴木亮平さん&JUJUさんが初めてスタジオの外に飛び出して収録を行いました。
9月22日午前0時20分までの配信です。よろしければ、ぜひ!


世界のステキを届けたい!コロナ禍になって…何ができる?

■「本当にほしいモノはなかなか手には入らない」 

さて、このようにリモート取材やロケの手法が確立し、今ではなんとかスムーズに制作できるようになったせかほし。
ですが1年前、コロナが流行し始めた頃は、まだまだ手探り状態でした。

ロケも収録も一旦オールストップとなりかけ、MCは音声出演、ロケは完全自撮り。
そんな中、できることは?と考えながら作ったのが、2020年5月に放送した「おうち時間を心地よく(3)達人たちからのメッセージ」 という回でした。

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これまでのせかほしの旅で出会った世界中の15人の達人に、今の暮らし&メッセージをもらう!という企画です。

きっかけは、ディレクターがフランス・パリに住む友達からもらった一通のメールでした。

毎日20時になると、みんなベランダに出て拍手をしています。
医療従事者の人たちへの感謝をこめて。
誰かとつながっている感じがするし、ちょっとした運動にもなるし、いいですよ(笑)

そこから調べてみると、国を超えて、人々が励まし合うニュースが次々に見つかりました。

当時感染が爆発的に拡大していたイタリアの人々のために、ドイツの人々が歌うアリア。
イギリスの医療従事者の皆さんが声を合わせて歌う動画。

Distance、分断を超えられる、そんな気持ちが、あふれていました。  

“せかほし”ができることは?

これまで取材してきた、ステキなモノや、暮らし、人生で大事なものを知っている達人たちがいるじゃないか!
ということで、完全リモート撮影=ほぼ自撮りでの番組にチャレンジすることになりました。 

せかほしの魅力である、美しいモノの映像も、旅だからこそ出会える風景も、ない。
でも、ほしいのは、モノだけじゃないんじゃないか。

いま、みんなが “本当にほしいモノ”ってなんだろう? と問い続けました。  


■世界一周つなげちゃう “せかほしファミリー”誕生 

そして生まれたのが、“せかほしファミリー”。 
日本、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、北米、南米…これまで取材した43の国と地域から、15人の達人たちが協力してくれることになりました。

NHKには、世界遺産の番組も、歴史番組も、ドキュメンタリーも、美術番組もありますが、そうした様々な番組作りの継承から生まれたせかほしが大事にしてきたのは、モノを通して見えてくる、人々の暮らしの色・空気・リズム。

伝統を受け継ぐ人々もいれば、最先端のデザインを生みつづける人も。
同じ “いま” という時を生きる人の中には、さまざまな姿があり、その人たちの言葉に励まされました。

なかでも印象的だったのは、2018年放送の「極上のグルメバーガーを探す旅 ロサンゼルス」に登場した、ロスでハンバーガー店を営む店主・ビルさん。

noteせかほしバーガー

御年92歳で、せかほしファンの皆さんからも、
「コロナでアメリカが大変だけれど、ビルさんに元気でいてほしい!」 
とたくさんの声が届いていました。

再取材を試みると…55年来の相棒の鉄板で仕事し、飛び跳ねるビルさんの映像とメッセージが!

日本のみんな!会えてうれしいよ!
こんなジャンプもできるよ!元気でやってるよ!
僕のことなら心配いらないよ。
ちょっと疲れるけど、働き続けることが元気の秘訣さ。
第二次世界大戦に比べたら、まだマシだよ。  
決して良くはないけど、最悪ではない。     
困難に直面しているのは、自分だけじゃない。世界中みんなそうだ。
悪いことは考えず、できることをやるだけさ!  

noteせかほしビルさん

店を開いて55年。1日、300個のバーガーを売り上げる名物店主。 
その姿に、「よかった!」「元気をもらえた!」と、スタッフも番組ファンのみなさんと一緒に元気をいただきました。

これこそ、コロナで、ひとり孤独だったり、希望が見えない日々を過ごしているであろう私たちの視聴者が「今ほしい」勇気と元気をもらえる言葉なんじゃないか。
たとえ、きれいな映像がなくても、こういうものを届けていきたいと思わされた瞬間でした。

9月20日に、せかほしSP第二弾、やります…!!

こうしてコロナ禍、一度…いや何度も、「もうーーー無理!?だめかも??」となりかけた“せかほし”が、世界中のファミリーのおかげで、取材の経験を積み、行き着いたのが…

いまも輝きつづける、美しくて、心がほっとするような“モノ”そしてどんな時も、幸せのワンティップを見つけ、ステキに生きる世界中の人々に出会える旅。

次にお届けするのは「”究極のBLUE”を探す旅」です! 

■メインディレクターより皆さんへメッセージ

今回の取材・撮影は、5月から6月に行いました。
映像を見ながら、世界では少しずつ日常が取り戻されてきていることを感じました。
イギリスでは、アンティークマーケットが大盛況。 
モロッコでは、もはやコロナ禍であることを感じさせないほど人々の活気が! 

番組では、今回、美しき青の食器や宝石の世界…そして、“謎解きブルーミステリー” という、いつもと違った“冒険旅”のパートもあります。
謎と魅惑の青の旅をご用意しました!
「早く旅に行きたーい!」と思わず思ってしまう、海外の最新状況も感じていただけると思います。

■番組プロデューサーより皆さんへメッセージ

皆さん、好きな色はありますか? 
コロナが収束し、いつか旅に出る日のために…とスタッフが考えたのが、色をめぐる旅です。
今回は、最も愛される色といわれる“BLUE”で世界をのぞいてみますよ!

BLUE…というと、聖母マリアの象徴の色だったり、南の島のうつくしい海や抜けるような空の青…
いろいろな色がありますよね!

私はフランス人アーティスト、イヴ・クラインの作品がかっこよくて大好きなのですが、彼も青に魅せられた1人です。
(番組とは関係ないのですが、クラインブルーというサファイアのような 深い青の作品がとってもステキなのでチェックしてみてください)

世界はいろいろな美しい青のグラデーションでできている!と思えるような旅をお届けしますので、お楽しみに!

9月20日 よる10時放送 ―BLUE― 色をめぐる旅


せかほしの次なるチャレンジ!見て、ふれて、会える番組へ! 

そして今せかほしは、番組ファンのみなさまに何ができるかを考えて、チャレンジしています。

番組ブック・DVD&Blu-ray・ミニ番組「せかほし5min.」・動画コンテンツ をお届けしているのに加え、新たに、バイヤーさんや番組スタッフと直接お話しするトークイベントを開催しています。

さらに、実は、ファンミーティング(予定)も…企画中… 
詳しくは、来月更新予定の記事でお伝えします! 
これからも、せかほしをよろしくお願いします !

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