「十戒」モーゼが流されて拾われて海を割るまで

デミル監督の「十戒」を見た。かの有名なモーゼのお話。エジプト王を脅かす者の誕生に出されたおふれから逃されるために、流されて、エジプト王の妹に拾われて大事に大事に育てられて、義兄と王座を争う。その合間に、奴隷と交流を持ち、自分の出自を知って葛藤して持っていたものを手放したりする。

映画がはじまってすぐに感嘆。彩が大層美しいこと!赤も青も緑も黄色も鮮やかで、エジプトの繁栄が映し出されてる。大規模な建築に貢物に出るわ出るわ金銀財宝に鳥。出演する人数も尋常じゃあない。何人?何百人?

それに負けない役者たち。体格のいいハンサムなモーゼ。その恋人のネフレテリ。このネフレテリ役のアン・バクスター、彼女も勿論大きな瞳がチャーミングながら、衣装がね、もう本当に美しいのなんの。翡翠の河のような衣がゆったりゆれるゆれる。見惚れる。

とにかく登場する女性の衣装がことに美しかった!

ストーリーも、間延びしないで次々と進んでいくからまったく飽きがこなかった。けれど登場人物への感情移入だってちゃんとできるので、突然モーゼの出自がわかって、思い描いていた幸福をモーゼによって否定されて愛のない結婚をしたネフレテリは、まあ辛いよなあと思った。

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