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心を閉ざした少年。人が輝くということ。

ある時代にある子がいました。

その子は、大切にされたことがなくて、いつも自分をいじめてしまいます。
それは、無意識にしてしまうのでなかなか止めることができません。しかも本人は気づいていないのです!

でも、その子は気持ちを伝えることがなかなかできません。
迷惑じゃないかな。
怒られないかな。

そうやって気にして、声に出すことができません。
迷惑かな迷惑かなと気にして、どんどん卑屈になっていきました。
人に頼ることも、頼れる人も知らないので、どんどん悲しい海になっていきます。

ある時。
すごく、活き活きと生きている人を見つけました。
それは、すごく輝いてみえます。

その子は、あんなふうになりたいなと思うのでした。

でも、その子はとても卑屈で、その気持ちのために頑張ることができません。

卑屈になって、その言葉を忘れてしまいました。

でもまた、何かのきっかけで、その気持ちに触れると、忘れていたことを思い出します。


その子は、どうしたら僕のことを大切にできるんだろう。
僕はこんなにも輝きたいと思っているのに。

と思いました。


そこで、輝いている人に聞いてみることにしました。

どうしたらあなたのように輝けるんでしょうか?
と。

輝ける人はいいます。

あなたはもう、輝いていますよ。
十分輝いています。


その子は納得がいきません。
僕は、輝いていないと思っているから輝く方法を知りたいのにそれじゃ答えにならないよ。


輝ける人はいいます。

輝いていないと言っているのは、あなたですよ。
私は輝いていると言っています。
あなたは、輝いているという自分を信じられないのです。

輝いているなんて、自分にふさわしくない。
私はこんなにも汚れているのに。

そう思っているのは、あなたではないですか?
輝いていると信じられないのは、あなたなんです。



その子は、あっけにとられました。

ああ、そうか。僕が、僕を汚れてると思ってるから輝いていないんだ。
じゃあ、どうしたら汚れている気持ちがなくなるんでしょうか?


輝く人はいいます。

たとえ話をしましょう。

あなたは服を着るとします。
洗濯がされて、汚れは見当たりません。

綺麗になったと思って、服を着ました.
そのままお出かけをして家に帰ってきました。

また洗濯をしようと、服を脱ぐと、服のおなかのあたりに、親指くらいのうっすらとしたシミがついていました。
どうやら、出かける前からついていたシミのようです。

お話についていけてますか?


その子は答えます。

つづきはどうなるんですか?


ここからが大事なところです。

その服を脱いだら、その人は、この服はもう汚れてしまったと思い、外にあるゴミ箱に捨ててしまいました。

ある通りすがりの人が、それをみて、
こんな綺麗なのになんてもったいない!と声をかけます。

服を捨てた人はいいます。

裏にシミがあるんだ。だから新しいのに変える。汚れたら変えるだろう?


通りすがりの人はいいます。
これが汚れてるって?
ほとんど汚れてないし着れる。やぶれてるところもない。
着てたらわからないシミなら、気にしなくていいんじゃない?



さて。
このお話から、あなたのお話に戻ります。

あなたは、輝いています。

それは、汚れなのですか?
私には、綺麗に見えます。


その子は、だまりこんでしまいました。

汚れてないのかな?



輝く人はいいます。


あなたは、何を汚れと思っているんですか?
汚れていないから綺麗なのです。
汚れがなければ、綺麗なのかわかりません。

おつきさま、おほしさまは、こんなにも真っ暗で、何にもないところで、ちっちゃく光ってます。
おほしさまやおつきさまのまわりは真っ黒で、もはや汚れているのかどうかもわかりません。
なのに、こんなにも光って見えます。

おひるは、薄くなってみえます。

そこにあるのに、薄くて、綺麗なのかわかりません。
太陽というすごく輝いているものがあるからです。

太陽があったら、おほしさま、おつきさまは輝くことができません。
でも、太陽さんがあると、おほしさまとおつきさまはよく見えなくなってしまいます。
すごく輝いているものがあると、小さく輝くものは見えなくなってしまいます。


あなたは、自分を、そのままのあなたを見てあげられていますか?
神様や仏様、物語の主人公の眩しさで、自分のことが見えなくなってはいませんか?

あなたは、輝いていますよ。

汚れや影があるから、汚れや影で隠すことなどないのです。
他の光と比べることはないのです。

あなたがいるということは、あなたが光っているということなのですよ。




その子は、わかったような、わからないような気分になりました.


輝く人はいいます。
わからなくてよいのです。
それが自然なのです。

もし、本当に輝いているのかみたいというのであれば、いろんなことをしてごらんなさい。
たくさんの失敗をするでしょう。
その先に、あなたのやってみたいことがあるでしょう。

それを、目指してごらんなさい。

そしたら、また何度でも失敗するでしょう。

輝いていることを忘れて、また卑屈になることもあるでしょう。

もしそれが怖いならば、おのれを俯瞰してごらんなさい。
前後左右どの角度からも自分をみれる目を鍛えなさい。
いろんな人間から、どうみえるのかを聞きなさい。
自分の目だけでは足りないのです。必ず歪むようにできていますから。



さあ、もう夜は遅い。

ゆっくりおやすみなさい。


その子は輝く人にいいます。

おやすみなさい。
ありがとうございました。

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