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monochrome snap

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日常のさりげない空間を切り取って、新しい気づきがあればと思います。モノクロ写真でおしゃれに表現したいものです。
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#京都

monochrome snap #06 【七条通】

 京都の街は、理想的なコンパクトシティであると思っている。食べる、寝る、遊ぶのに、距離が短く、暮らしやすい。交通インフラがいつまで経ってもまともにならないのは、目をつぶるしかないが。 京都には、おいしいコーヒーを出してくれるカフェが街のいたるところにある。イノダコーヒや六曜社などの古き良き名店から、新進気鋭のカフェスタンドまで、味にも店にもこだわったコーヒーが楽しめる。 仰々しい建物にかけられた看板を見ながら、カメラを向けるのも街歩きの楽しみになる。古いものと新しいものを

monochrome snap #05 【京都駅】

京都の玄関口は、いつも混雑している。住み慣れた場所に寄るたび、帰ってきたような気分になる。自分にとっては、楽しいこともつらいことも、幸せなことも忘れられないことも、ぎっしりと詰まっている場所だ。 いつも、目的地はひとつかふたつ、あとは流れでぶらっと歩くのみ。とにかく人が多いところなので、できるだけ人のいない方へ向かっていく。旅先ですれ違う人の波は、オブジェみたいなもの。気にしない。 めぼしい観光スポットは、バスがつないでいる。この列に並んで、満員のバスで移動するのが苦手な

monochrome snap #03 【一乗寺】

たまには京都の空気を吸いに、お気に入りのラーメンを求めて出かけてきた。 二年ほど暮らしてもいたけれど、その頃とあまり変わらない。古い路地に、新しいお店、若い人も老人も近いところに住んでいる、小さくても常に新しいものが生まれている、そんなところが京都の街並みの魅力だ。 一乗寺は、ラーメン街道と名乗り、老舗の名店から新興まで集まっている。入れ替わりも激しいけれど、実力のある店がある。府内にお店は約400軒と、全国で見ると真ん中くらい。実は、そんなに多くはない。 年越しそばは