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皿を洗うのはお前か俺か? 統一意思のないカオスな環境で料理を作るのが楽しい『オーバークック』【ゲーム飯】

食欲の秋。ということで、今月のテーマ(のひとつ)は“食に関するゲーム”だ。

ゲームにおいて食べ物は重要な要素だったり、フレーバーだったりと、登場はするものの扱いはゲームによってまちまちだ。

しかし登場するだけならば、多くのゲームで目にすることもできる。

実際、今回のテーマで何を取り上げようかと考えたときに、すぐにいくつか候補は出た。例えばおにぎりのポリゴン数で話題になった『ファイナルファンタジーXV』だったり、思わず涎が滴る美麗なイラストで多彩な料理を描いた『ドラゴンズクラウン』などなど。

しかし今回触れるのは、食べる方ではなく作る方。そう、みんな大好き『オーバークック』だ。

『オーバークック』は、情報の波を的確に処理していくパズル的思考や、複数人で分担する際のままならなさなどを楽しむパーティーゲーム。

多くのハードでプレイできるため、遊んだことがある人も多いかと思う。俺も1、2ともに遊んだが、けっこう前なので記憶がおぼろげだ。しかし、スミズミまで楽しんだことは覚えている。

なんという偶然か、ちょうど新作のニュースも舞い込んできたので、この機会にその魅力を紹介していきたい。


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料理を作るのは忙しい

これをご覧になっている方々は、自炊をするだろうか? 俺は実家暮らしをしていた間は、まったくと言っていいほど料理を作ったことがなかった。

その後実家から出たことで、料理をしなければならない環境に以降したのだが、料理は実際にやってみると思ったより面倒くさく、そして忙しい。

もちろん楽しいこともあるのだが、下処理が面倒だし、終わった後の洗い物もラクじゃない。それでも今では自然と溜まった経験のおかげで、手持ちの食材を使いつつ手間をなるべく減らした雑飯(ざつめし)を作れるに至ったのだが、それが店ともなると雑飯を出すわけにはいかないだろう。

ということで、きちんとしたご飯を波のように押し寄せる客に振る舞う……という料理人の置かれた状況を楽しむゲームというものは、ちょこちょこ存在する。そして、『オーバークック』もその手のゲームだ。

これら料理系のゲームは、基本的には訪れた客の要望に合わせた料理を提供することが目的となる。

注文される料理は複数存在するほか、提供できる時間に期限がある。そして、料理ごとに作り方や必要な材料が違う。

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こういった情報の波でプレイヤーの処理能力をパンクさせて、慌てさせるのが料理ゲームの王道ギミックだ。

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