タブレット総合補償プラン(動産総合保険)と火災保険受託物賠償特約の比較
小・中学生を持つ保護者が気になっているけどよくわからない、そんな疑問への確認結果を公開します。
※この記事は特定の保険商品等を推奨するものではなく実際に調べたことや個人的な想いを表現するものです
1.結論
あくまで個人的な意見ですが、火災保険の「受託物賠償特約」でまかなえるので、タブレット総合補償プランはいらないと想います。タブレット総合補償プランのメリットがひとつも感じられない。
2.経緯
子供が通っている学校からお手紙をいただきました。
小学校とか中学校で使うタブレットは学校から借りると思います(契約は保護者で利用者が子供)。それが壊れたとき、修理代が契約者である保護者に請求されたら大変ですよね。そんなときに修理代は6万円まで補償してくれるし、修理業者へ配送するための費用も3万円まで補償してくれる、という保険だそうです。
3.火災保険の受託物賠償特約
保険に詳しい人ならすぐわかるのかもしれないけど、よくわからないので人づてに聞いてみることに。
そこで、火災保険の受託物賠償特約の話が出てくる。どの火災保険でも付けられる特約ではないかもしれないけれど、「被保険者が誰かに借りたものに損害が発生し、貸主に対して賠償が必要となった場合に補償してくれる」特約らしい。ということは、タブレット総合補償プランと同じようなサービスなのでは?
4.比較してみる
何がどう違うのかをそれぞれの取扱業者に聞いてみた。火災保険は三井住友海上。当然、それぞれ他社の保険商品の話はしてくれず。
ここで特に大きいポイントが5つ
掛金の差が大きい!タブレット総合補償プランは9倍の掛金!
タブレット総合補償プランは故障原因不明だと補償してくれない!パンフレットに注意事項として記載されている。
タブレット総合補償プランは紛失したときには補償してくれない!パンフレットに注意事項として記載されている。
タブレット総合補償プランは動産(ここではタブレットそのもの)に対する保険なので、利用する子供が多いとその分契約する必要がある!
修理補償の金額差が大きい!タブレット総合補償プランは1/5!
いいことが一つもないタブレット総合補償プラン。
5.シミュレーション
掛金はどれくらい差がでるか?2つのパターンで考える。
パターン1)子供が1人。小学1年生から加入して中学3年生まで継続。
タブレット総合補償プラン:
2,200円×(6年+3年)=19,800円
受託物賠償特約:
250円×(6年+3年)=2,250円
→9年間の保険加入で17,550円の差。
パターン2)子供が3人。それぞれ小学5年生、3年生、1年生から加入してそれぞれ中学3年生まで継続。
タブレット総合補償プラン:
2,200円×(2年+3年)=11,000円
2,200円×(4年+3年)=15,400円
2,200円×(6年+3年)=19,800円
11,000円+15,400円+19,800円=46,200円
受託物賠償特約:
250円×(6年+3年)=2,250円 ※利用人数は関係ないため
→9年間の保険加入で43,950円の差。
6.所感など
賃貸であれば火災保険は必須だし、マンションや戸建てに住んでるとしても火災保険には加入している人が大半。受託物賠償特約をつけることができる火災保険がほとんどだと考えると、このタブレット総合補償プランという保険商品を考えた人はすごく賢いなと思う。
同時に、すごく嫌い。
GIGAスクール構想の流れでタブレット端末を学校から借りる、あるいは購入するという動きがあり、利用するのが子供という最悪な組み合わせであるからこそ、保護者は心配する。そこに、PTAのお墨付きで「タブレット壊しても大丈夫ですよ!」って安心させる。受託物賠償特約のことなど知らない、あるいは加入中の火災保険に受託物賠償特約がついていることを把握していない保護者層なら、「安心」を買うだろう。
母数が児童・生徒数で、そのうち10%でも入ってくれたら万々歳なのかな?小学生は27万人、中学生は14万人。
https://web.pref.hyogo.lg.jp/kk11/kyouikutoukei/r05kihon2.html
入らなくてもいいはずの保険に加入させて利を得る。これを考えて販売経路まで確保している人は本当に優秀。そして心底嫌い。
お墨付きを与えた兵庫県PTA協議会は受託物賠償特約のことを知らないのかな?
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