「あの研修がすべてのスタートだった」スーダンの元研修生達の今
皆様こんにちは!国際ボランティアセンター(JVC)です!
〜📍クラウドファンディング実施中〜
現在JVCでは、紛争などの影響で困難な状況に置かれている地域での学びの提供を軸とし、全般的な活動の資金を募るため、クラウドファンディングを実施させていただきます。10/31までのAll or Nothing方式をとっておりまして、目標金額まで届かないと受け取れません。是非ご支援の程よろしくお願いします。
本日は、JVC代表今井から、久々に訪れたスーダン/南スーダンで再会した元研修生達の現在をお届けします。
「学び」によって培われた自信と能力を感じさせる元研修生達の言葉にぐっときます。
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10年にわたり駐在していたスーダン、そして南スーダンを、この春、久しぶりに訪問しました。
落ち着いていたスーダンの町の様子は、様変わりしていました。あちこちの道路にバリケードがあり、夜になると催涙弾の音が鳴り響きました。クーデターにより軍部が実権を握って政治が混乱、人びとは物価高に苦しみ、市民のデモに対する暴力的な弾圧が続いていたのです。
この混乱のため、そして国際的な資金がウクライナに集中しているため、日本をはじめ国際社会からスーダンへの援助は大きく落ち込みました。切迫した状況に拍車がかかっています。
それでも、いや、そうだからこそ、JVCはスーダンの紛争地域で活動を続けています。
人びとが待ち望んだ紛争の終結は、軍部が実権を握ったことで遠ざかりました。それでも未来を見据える若者たちは、JVCの職業訓練を受け続けているのです。
職業訓練といえば、自分がスーダン駐在を始めた15年前を思い出します。当時、その後に独立することになるスーダン南部で、JVCは難民キャンプから戻ってきた若者への職業訓練を行っていました。車両整備士の育成です。
現地で、本当に何年ぶりかに彼らに会うことができました。
不器用で、ほかの研修生からの「いじられ役」だったモモ・ジェイムスは、父親として一家を支える存在になっていました。研修の終了後、クルマに関する知識を買われて運転手の仕事に就き、運転のかたわらでほかの仕事を覚え、今では旅行会社に勤めています。
「難民キャンプで育った自分にとって、あの研修がすべてのスタートだった。あれを受けてなかったら今の自分はない」と話すモモ。
当時の研修生仲間のことを尋ねると、「自分より優秀だったやつらは、今でも整備をやってるよ」と、すぐに何人かの名前と今の職場を挙げてくれました。国連や国際赤十字の整備工場、国境なき医師団の移動整備士・・人道支援で大きな役割を担う国連・国際機関やNGOで、JVC職業訓練の卒業生が日々活躍しています。
研修を終えてからの15年間、彼らの社会はふたたび紛争に揺れ続けてきました。多くの人が職を失い、避難生活に戻ってしまった人、家族と離れ離れになった人も少なくありません。そんな中でも、卒業生はその多くが技術や知識を生かした仕事を続け、新しい家庭を築いて一緒に暮らしています。
泥沼化した紛争、抑圧的な政治、クーデター。見通すことが難しい社会状況でも、職業訓練という「学び」によって培われた自信と能力が、10年20年を生き抜く力になります。
人びとの「学び」を支える活動を続けたい・・・しかし、社会が不安定な場所、治安の悪い場所であるほど、活動は資金の困難に直面します。スーダン、イエメン、アフガニスタンといった「不安定な」国では、日本政府からの補助金を受け取ることが極めて難しくなるからです。
だからこそ、皆さんからのご支援が、なによりも大切です。補助金がなくとも、皆さま一人ひとりのご寄付と気持ちに支えられれば、活動を続けることができます。
ぜひ、応援をお願いします。
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今井高樹(JVC代表理事)
大学卒業後、民間企業に勤務。1999年よりボランティアとしてJVCの活動に参加。2004年、勤務先を退職し、ワシントンDCの公立小学校でインターンとして勤務。2007年よりJVCスーダン現地代表となり、スーダン南部自治領(現南スーダン)のジュバに駐在。2010年よりスーダンの南コルドファン州に移動し、2011年6月の紛争勃発後は首都ハルツームに駐在する。2017年4月に帰国。人道支援/平和構築グループマネージャーを務め、2018年7月より現職。
✅JVC出演情報
📍2022年10月20日 (木) 21:00~
月刊JVC#12 「未来を変える学びの力 ~紛争が続くスーダン、イエメンの現場から 」
YouTubeチャンネル 「8bitNews」
*お時間になりましたら配信を開始します。
*申し込みは不要です。
*アーカイブ配信であとからもご覧いただけます。
ジャーナリスト堀潤さんとJVCのコラボでお送りする「月刊JVC」。月に一度、世界の「いま」をお届けします。
いまJVCではクラウドファンディングに挑戦しています!
テーマは「未来を変える学びの力」。人びとの「学び」につながる活動にフォーカスしています。
紛争地や難民キャンプで、人びとは緊急の食料や水の支援を求めている・・・のは確かですが、それだけではありません。そこにいる人びと自身が「非常時」であっても教育の機会を求めています。
今回の月刊JVCでは、8bitNews乃木坂スタジオと南スーダンをライブで結び、イエメンの活動紹介やアフガニスタンからの動画メッセージも織り交ぜながら、紛争など困難な状況に置かれた人びとに学びを届ける意味と、現地で起きた変化を皆さんにお伝えします。
<出演>
今中航(JVCスーダン事務所現地代表)
伊藤解子(JVC事務局長)
並木麻衣(JVC広報/ファンドレイジンググループマネージャー)
今井高樹(JVC代表理事)