長瀬ほのか

note創作大賞2024エッセイ部門《双葉社賞》受賞しました。 スキを押すと私の好きな酒の肴が出ます。

長瀬ほのか

note創作大賞2024エッセイ部門《双葉社賞》受賞しました。 スキを押すと私の好きな酒の肴が出ます。

マガジン

  • ゾロメ日記

    毎月11日、22日、33日(と見なされる日)に更新する日記。

  • お通しです。

    とりあえずの気持ちで読んでほしい。

  • ロサンゼルス紀行

    2023年9月、ロサンゼルス旅行。観戦日に大谷翔平が欠場するが、それでも旅は続く。

  • かもしれない東京

    北海道から東京に引っ越して思ったことを書くシリーズ。

  • 駆け抜けてゼクシィ

    結婚式の準備から当日までのエッセイまとめ。

最近の記事

  • 固定された記事

酒を飲み過ぎたおかげで天皇陛下からレスを頂戴した話

時は2018年8月5日。北海道の短い夏、真っ只中の日曜日のこと。目を覚ますと、それはそれは酷い二日酔いであった。 前日、私は結婚式に出席し、素敵な女性とゴールインした友人を祝い、ワインをたくさん飲んだ。そのまま二次会にも出席し、ビールをたくさん飲んだ。更にみんなと別れたあと一人で寄り道をし、日本酒を飲んだ。そして帰った。おそらく帰った。記憶はないが、こうして無事に自室のベッドにいることが何よりの証拠と言えるだろう。そう、これは納得の二日酔い。ただ楽しい夜があった、それだけの

    • 【11月11日】 食い倒れたのでそれで良し

      某日 自分から自分への誕生日祝いとして、仕事帰りにビリヤニを食べに行った。最近ビリヤニに目がない。ここ一年くらいで好きな食べ物ランキングを駆け上がり、一気に上位へと食い込んだ新星。スパイス好き、かつ、何を差し置いても米、という質なので、こうなるのは必然であったと言える。出会うのが遅すぎたくらいだ。 いつもの店で、いつもより豪勢にいく。ビリヤニのメニューはチキンビリヤニとマトンビリヤニの2種類があって、マトンビリヤニの方は注文を受けてから炊き始めるので20分ほど時間がかかる

      • 双葉社文芸出版部さんのnoteが動き出したようです。私の受賞作のことも書いてくださっています。更新を押し付けあっている感じが親近感わいて面白かったです。皆様ぜひフォローを!! note創作大賞|双葉社文芸出版部 https://note.com/futababungei/n/n6f5700c1da62

        • 【10月33日】 私の誕生日前にクリスマスソングを歌ってはいけない

          某日 夫が「もうコメ牛のことしか考えられない」と言うので、近くのコメダに行った。コメ牛とはコメダ珈琲の季節限定商品で、甘辛の牛カルビがたっぷりサンドされた豪快なバーガーである。肉の量が2倍の「肉だく」、3倍の「肉だくだく」も選べる。我々は2倍の「肉だく」を選択した。「肉だく」が運ばれてきて念願の一口目にかぶりついた夫は、「これ、いつまでやるのかな?」と、すぐさま期間を気にしていた。 某日 セルフ飲み放題の店で飲んだ後、皆でカラオケに雪崩れ込んだ。イエモンの『JAM』を入

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        • 【11月11日】 食い倒れたのでそれで良し

        • 双葉社文芸出版部さんのnoteが動き出したようです。私の受賞作のことも書いてくださっています。更新を押し付けあっている感じが親近感わいて面白かったです。皆様ぜひフォローを!! note創作大賞|双葉社文芸出版部 https://note.com/futababungei/n/n6f5700c1da62

        • 【10月33日】 私の誕生日前にクリスマスソングを歌ってはいけない

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          受賞報告

          2024年9月末日、午後3時。鶯谷の居酒屋「信濃路」にて。 友人と互いの今後について、愚痴と祈りをない混ぜにした展望を散々語り合い、ビールは残りわずか、タコさんウィンナーは冷めきって、話題が友人の職場に現れる変なおっさんの話に移った頃。ふいにスマホを取り上げると、Gmailの通知があった。「創作大賞」「メディア賞」の文字が目に入り、息を止めて本文を開く。「双葉社賞」「おめでとうございます」。私は震える右手を左手で掴みながら、友人に画面を見せた。変なおっさんは彼方へ吹っ飛んだ

          創作大賞2024 エッセイ部門で【双葉社賞】を受賞しました。歓喜!!! いつも読んでくださっている皆様、ありがとうございます。これからもっと面白いものが書けるように頑張ります! https://note.com/info/n/nb21a4ee80265

          創作大賞2024 エッセイ部門で【双葉社賞】を受賞しました。歓喜!!! いつも読んでくださっている皆様、ありがとうございます。これからもっと面白いものが書けるように頑張ります! https://note.com/info/n/nb21a4ee80265

          【10月22日】 金木犀という異変

          某日 廊下で小便を漏らす夢を見た。夫が掃除してくれた。嫌な顔ひとつせず。 そういえば結婚してすぐの頃、夫に失望する夢をよく見ていた。夢の中の夫はやたら横暴で、軽薄で、私を無碍に扱うのだ。「こんな人だと思わなかった!」と、私は泣きながら夫に訴えるが、夫は薄ら笑いを浮かべるだけである。腹が立って腹が立って、怒りと悲しみが頂点に達した頃、目が覚める。夢だったことに安堵する。そして、隣にいる現実の夫に、「こんなこと言われた!」と夢の中の夫の悪行を報告する。現実の夫はいつも、「夢の

          【10月22日】 金木犀という異変

          【ロサンゼルス紀行】 のろのろ更新してきましたが、やっと完結しました。是非読んでみてください。 https://note.com/nghngh/m/m0a473aa168e9

          【ロサンゼルス紀行】 のろのろ更新してきましたが、やっと完結しました。是非読んでみてください。 https://note.com/nghngh/m/m0a473aa168e9

          リベンジ・エンゼルスタジアム

          【ロサンゼルス紀行#12】 行き先をエンゼルスタジアムに設定し、Uberを呼ぶ。運転手は年配の女性だった。白髪を束ねてハンドルを握る姿、なかなかイカしてる。しかし、彼女は今まで乗ったUberの中で、最もお喋りな運転手だった。ハイウェイが渋滞してなかなか進まず退屈だったのかもしれないが、「ここのアウトレットによく行くんだ」とか、そういう雑談をこちらの英語力などお構いなしで延々と続ける。ちょっと面倒だったが、こうした交流も貴重な経験である。私は聞かれたことを理解しようとするので

          リベンジ・エンゼルスタジアム

          一望は最後にすべし

          【ロサンゼルス紀行#11】 旅行5日目。明日の朝、日本に帰る。だから実質、今日がロサンゼルス最終日だ。大谷が欠場し、エンゼルスタジアムで立ち尽くしたのは3日前。諦めきれなかった我々は、旅行最終日である今日のチケットを追加で買った。大谷は昨日も試合を欠場している。正直かなり厳しい気はしているが、これでもし今日、大谷が復活するなんてことがあれば、一生忘れられない野球観戦になること間違いなしである。その希望を持たないことにはどうしようもない。 朝食はホテルの近くにある「オリジナ

          一望は最後にすべし

          【10月11日】 一人じゃないから、一人が好き

          某日 平日昼間の閑散とした電車に乗る。途中の駅で若い男女が乗車し、近くの席に座った。膝の上にプラスチックケースをのせている。格子状の窓から、何やら毛の生えた茶色いのがうらうら動いているのが見える。みいみいと鳴き声も聞こえる。それが猫であると認識した私はすぐさま席を立ち、隣の車両へと移動した。 何が「みいみい」だ。鳴き声からして腹が立つほど可愛い。私は猫について、かなり可愛いと思っている。それは近所をほっつき歩いている猫も、電車に乗せられている猫も同様である。本当はあの席に

          【10月11日】 一人じゃないから、一人が好き

          【9月33日】 健全な夜遊び

          某日 職場に帰省の土産として、ロイズのバトンクッキーを持って行った。昔からあるクッキーで、いくつか味の種類がある。定番の「ヘーゼルココア」と「ココナッツ」は北海道にいた頃よく食べていたのだが、今回、新千歳空港で「フロマージュ」という味を見つけた。数年前から出ている商品のようだが、私はまだ食べたことがない。チーズとホワイトチョコが使われていて、パッケージも白を基調としており、北海道らしさ全開である。東京の職場に持っていくなら、北海道らしさはどれだけあっても困りはしない。らしけ

          【9月33日】 健全な夜遊び

          アリーナ席7列目から、高校生の私に呼びかける

          6年ぶりにMr.Childrenのライブに行った。 私とミスチルの歴史は長い。中学生のとき、はじめて特別に好きになった音楽がミスチルだった。ミスチルが私の人生に与えた影響は計り知れない。間違いなく、人格形成に大きく関わっている。 20年来のファン、なのは間違いないが、実際のところ、最近は熱心に聴き込むことは減り、アルバムが出てもざっと聴く程度で、昔の曲を懐古することの方が多くなった。 札幌にいた頃はチケットも取りやすく、ファンクラブに入らずとも定期的にライブに行くことは

          アリーナ席7列目から、高校生の私に呼びかける

          【9月22日】 ZAZYから受けた影響

          某日 検便に追われる。明後日が健康診断で、それまでに2回分採取しなければならない。1回分提出すればいいと直前まで思い込んでいたために、このような事態となってしまった。2日で1回と、2日で2回では、プレッシャーの度合いが大きく異なる。私は日頃、比較的快便でやらせてもらってはいるが、にんげんだもの、体調やタイミングによっては出し損ねる可能性も大いにある。「確実に出るか?」「今日も明日も出るか?」と上司に詰められたとて、こればかりは「善処します」としか言いようがない。 善処のひ

          【9月22日】 ZAZYから受けた影響

          【9月11日】 どうりで急成長なわけだ

          某日 側溝に煙草の吸い殻を捨てる爺がいた。朝、駅に向かっているときだった。大きい通りを歩いて、路地の角に差し掛かったところで、爺が前屈みになり、周囲を見回しながら吸い殻を捨てるのを目撃した。側溝の網目に向けて降ろした腕の先端に白い煙を見た。爺は私の存在を認識していたが、すでにポイ捨てのモーションに入っていたのでそのまま吸い殻を指から放った。つまり、私の存在によってポイ捨てを中断する選択もあったはずなのに、そのまま犯行に及んだのである。周囲を見回していたということは、爺はそれ

          【9月11日】 どうりで急成長なわけだ

          【8月33日】 飛行石のくだらない奇跡

          某日 とにかく暑かった8月。夏は好きだが、ここまで暑いとエアコンの効いた自宅に引きこもる日がどうしても多くなる。何もしなかった春、何もしなかった秋、何もしなかった冬、に比べて、何もしなかった夏は格段に虚しく感じられるのはなぜなのか。何もしなかったわけでなくても、夏が終わる時はいつも何かやり残しているような気分になるから厄介だ。 何か夏らしいお出かけをしようというテーマで、夫とよみうりランドのプールに行くことになった。私は泳ぐのが苦手なのでプールが特別好きというわけではない

          【8月33日】 飛行石のくだらない奇跡