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ベトナム田舎町のテト体験

みなさま、シンチャオ!こんにちは!スズキです。

ベトナムでは旧暦が使われており、今年は1月29日がベトナムの1月1日(テト / Tết)でした。テトの日程は毎年変わり、前後でテト休暇があります。今年は前後のテト休暇に2度の土日休みが加わり9連休(1月25日~2月2日)の大型連休となりました。

テトはベトナム人が1年で一番盛り上がる行事だと聞いており、ずっと楽しみにしていました!大盛り上がりのギアローのテトを体験してきたのでシェアします✨

ベトナムのカレンダー
下に小さく旧暦が書いています
よく見ると1月29日のところに「1/1」の文字が

1月21日(旧暦12月22日)

キッチンへ行くと、生きた魚がビニール袋に入れられ、吊るされていました。このようなことは初めてだったので、「食べるの?」と聞くと、「食べないよ、キッチンの神様にお祈りする」と言っていました。

旧暦の12月23日がオンタオ(Ông Táo)というキッチンの神様の日だそうで、23日に鯉で天に昇り、1年間家庭であったことを天帝に報告しに行くのだとか。この日から本格的にテトの準備や掃除が始まるそうです。

元気に泳いでいました

テト休暇は1月25日~だったのですが、22日あたりからギアローのまちなかに若者の姿を多く見かけるようになりました。
ギアローには大学がなく、高校を卒業するとハノイの大学や専門学校に行ったり、都会で仕事をしたりするようですが、テトは家族と過ごす大切な日なので、そういった若者たちがギアローに続々と帰省してきていたようです。逆に都会では人がいなくなり閑散としているのだとか。

家に金柑の木や梅の木等を飾るため
道端でたくさん売っていました
テトの飾りもたくさん売っていました
職場からテトギフトをいただきました

24日には私の住んでいる村の飲み会がありました。「村の人が団結するため」と言っており、13家族くらい集まっていました。

村の飲み会は
イノシシ肉パーティー🐗

テト休暇始まり(25日~26日)

この二日間は特に何もなく、私がホームステイをしているお家の大家さんの息子さんが帰ってきました。一緒にご飯を食べて、話して・・・と言う感じで、家族とゆっくり過ごしていました。

1月27日

この日はベトナムのテト定番料理である「バインチュン(Bánh chưng)」を作る日だそうで、道端でバインチュンを茹でている光景がいろんなところで見られました。市場はいつもより賑わっており、売っているものも普段よりかなり多かったように思います。

道端でバイチュンを茹でている様子
市場の範囲がいつもより広がってる
いつも野菜売ってるところが
お花でいっぱいに💐

バインチュンづくり体験

この日からは隊員仲間がギアローで一緒にテトをお祝いする為に来てくれました。到着後は少数民族タイ族の方のホームステイにお邪魔して、私たちもバインチュンづくり体験をしました。

バインチュンは日本のちまきに似ており、テト(旧正月)の時に食べられる、日本のおせちのような食べ物です。(現代ではテト期間でなくても手に入るようになったそうです)

材料①胡椒などで味付けした豚肉
材料②緑豆
材料③もち米

バナナの葉っぱの上にもち米を敷き、その上に緑豆、豚肉1切れを置き、さらに上にもち米と緑豆を被せたら巻きます。

バインチュンの作り方を学ぶ
簡単そうに見える・・・!
やっと1個できた✨
私たちが苦戦しているうちに
こんなにたくさん・・・
違う形も作れるよ!
とおばあちゃんが見せてくれました

タイ族の皆さんはちょいちょいっと作ってたのですが、わたしたちは1つ作り上げるのにもかなりの時間がかかりました。凄すぎる・・・!タイ族の皆さんに助けてもらいながらなんとか作り上げていきました。

9時間茹でたら出来上がり!

ギアローのバインチュンの謎

バインチュンと聞くと四角いものを思い浮かべる方も多いかと思いますが、実は昔はギアローで作ったものと同じく丸だったようです。丸いバインチュンは北部から南部に下って行ったそうで、現代では北部では四角、南部(特に南西部)では丸が一般的になったそうです。南部では丸いものはバインチュンではなく、「バインテト(Bánh tết)」と呼ばれているそうです。(ギアローの丸いものはバインチュンと呼ばれているので区別が難しい・・・)

ギアローは北西部にあるのですが、なぜ丸いバインチュンが一般的なのかは分かりません。さらに不思議なことに、ギアローに住むタイ族の方々は「黒バインチュン(Bánh chưng đen)」も作ります。「先祖や土地に感謝の気持ちを表すために作られた」とのことでしたが、なぜ黒なのかはいまいちわかりません・・・そもそも、ベトナムでは白と黒はあまり良くない色とされており、特にテトには白黒の服は着ないほうが良いと言われているくらいです。それなのに、テトに黒いものを作って食べるというのは不思議で、別地域のベトナム人にこの話をすると驚かれるので、この土地ならではのものなのだと感じます。

写真が暗すぎるけど
別日に食べた黒バインチュン
中身は一緒で緑豆と豚肉
炭で色付けしているそうです

1月28日(旧暦大晦日)

この日は、市場やまちなかを散歩して、夜は私の家の近所の方が一緒にご飯を食べようと一緒に誘ってくれたので隊員仲間とみんなでお邪魔しました。ムオンロー市場はこの日まで営業していました。

ギアローの特産品5色おこわ
普段は見かけませんが、
この日はかわいい形で売っていました💖
翡翠寺でも飾り付けが✨
お線香の束でできています
夜ごはんがとっても豪華!
もちろんお酒も🍶

夜ごはんではお箸を置こうとするとすかさずお母さんから「アンディー!(ăn đi! / 食べな!)」と言われ、お腹いっぱいと言っても取り分けてくれるので、お母さんが満足するまで食べ続けました(笑)

ついに年越し!

ご近所さん宅でご飯を食べた後、少し休憩して、ギアローの年越し花火イベントに行ってきました。ギアローで花火大会があるのは私が赴任してから初めてで、どんな感じか想像もつかなかったのですが、実際行ってみると日本ではありえない近さで花火を見ることができ、大迫力でした!15分程度で終わりましたが、見ごたえのある花火でした。

年越しカウントダウン🎆
3・2・1
明けましておめでとう~!
写真じゃ伝わらないけど
めちゃくちゃ綺麗でした✨

ベトナムでは個人で打ち上げ花火をする人が多く(規制が厳しくなってきたようですが)、年越し後にはいたるところで花火が上がっていました。また、花火だけではなく大きな爆竹もしていたようで、たまにすごい爆発音がして驚きました(笑)道路で花火をするので通行人が火花の中を通る姿も見かけ、事故が起きないか心配でしたが、やはりテト期間中には花火や爆竹による事故がベトナム全土で起きていたそうです。

個人でしている花火
結構大きい

花火イベントから帰った後は、ご近所さんたちの家を1軒ずつまわり、赤ワインで乾杯しました。「1・2・3、チュックムンナムモーイ!(Chúc mừng năm mới / 明けましておめでとう)」の掛け声で乾杯していました。

縁起が良いとされる赤色(赤ワイン)
1軒につき1~2杯ほど飲みます
結局何杯飲んだだろう・・・?

後日談ですが、ベトナム人の方に聞いたところ、年越しの際はご先祖様にお祈りをするらしく、「その花火イベント、若者ばかりだったでしょ」と言われました。確かにその通りで、来ている人ほとんど若者で、ご近所さんたちも大人たちは来ていませんでした・・・

テト当日(1月29日)

朝起きると、私のお家の大家さんが親戚の家に行くから一緒に行こう!と呼んでくれたので、みんなで一緒に行きました。

親戚の方のお家で朝?昼?ご飯
もちろんお酒もあります🍶
赤のスパークリングワインなんて初めて

何軒も親戚の家をまわって、子どもたちにお年玉を渡し、新年のあいさつをし、たくさんお酒も飲み・・・ベトナム人の方々も昨日の夜中からずっと活動しているのでかなり眠そうでした。親戚への挨拶まわりが終わるとようやく休めるみたいです。

ベトナムのお年玉袋
高級感があって貰うと嬉しい✨

この日の夜ごはんは少数民族ムオン族のホームステイで頂きました。みんなで鍋を囲み、久しぶりにお酒のない平和なご飯タイムでした。

寒かったので温かい鍋が染みる🥰

1月30日

この日はムオン族の村でサイクリングをしました。田んぼと山に囲まれた自然豊かな道を走るのはとっても気持ちよかったです✨

大自然!空気が美味しい!
お昼ご飯はムオン族料理
焼いた豚肉が柔らかくて美味しい!
ムオン族のバインザイづくり体験
丸いバインチュンより簡単!
材料はオレンジに色付けしたもち米のみ
細いので1~2時間で完成!

夜、家の近所に散歩に行くと、太鼓の音が聞こえました。音のする方に行ってみると、タイ族の方々が焚火を囲んで踊っていました。

見づらいですが・・・

近くを通ると「中に入りな!」と言ってくれたので一緒に踊りました。話を聞くと、これは近所の人たちの集まりだそうで、若者からおじいちゃんおばあちゃんまでみんな集まって楽器の演奏をしたり、お酒を飲んだり、ご飯を食べたり、踊ったり・・・

ベトナムに来てほぼ一年経とうとしていましたが、市の開催するイベントや観光アクティビティ以外でタイ族の方々が楽器を演奏したり、ソエタイ(タイ族の民族舞踊)を踊ったりしているのは初めて見ました。特に、タイ族の民族の楽器であるケーン(Khèn)という笛は若者が演奏しているのを見たことがなかったのでとても貴重な体験でした。

タイ族の男性が演奏する笛「ケーン」

ここでいただいた焼いた鶏肉がとんでもなく美味しくて、どうしてももう一度食べたい・・・お店じゃないからもう二度と食べられないのかな😭

1月31日~2月2日

この期間は特に何もなく、たくさん作っていたバインチュンや揚げ春巻きなどのテト料理をみんなで食べていました。

よく通っているレストランの方々が家族・親戚とのご飯に呼んでくれましたが、なんと体調不良の方が続出し3人だけでのご飯になってしまいました。聞いた話だと、インフルエンザが流行っているのだとか・・・みんなテト期間中は忙しかっただろうし、免疫力低下してたのかも・・・でも、3人でゆっくりお話ができました。特に、お母さんはギアローが好きで都会から移住してきた方だそうで、ギアロートークで盛り上がりました✨

最後の土日はしっかり休み、これにてテト体験終了です!

最後に

ベトナムの田舎町で過ごすテト、いかがでしたか?
私はとっても楽しく過ごせましたし、ご近所さんや親戚との付き合いが今の日本よりかなり親密なんだなと感じる日々でした。

ギアローにある少数民族のホームステイではお客さんも一緒にテト体験をさせてくれる場所もあるので、来年以降テト期間にベトナム旅行の予定がある方は訪れてみてはいかがでしょうか✨

※テト期間(特に旧暦12月29日~1月2日の3日間)は交通サービスがほぼ停止しているのでテト期間に観光する際は気を付けてください
※テト期間はバスやタクシー等の金額が上がるようです

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