おじさまとモンブラン
毎年秋口になると食べるケーキがある。
中津川モンブランだ。
サクサクのメレンゲに、生クリームと栗ペーストというシンプルさ。栗の味が濃厚で、食感はなめらか、生クリームとのバランスもよく、ペロリと食べられる。とにかく美味しい、このモンブランが好きなのだ。
中津川モンブランとの出会いは、働き始めの頃。営業先でうまく振る舞えなかった私に、よく話しかけてくれたおじさまがいた。アウェイ状態の中、気さくに話しかけてくださることに、私は嬉しかった。そして、おじさまはスイーツ大好きで、美味しいものに詳しかった。
とある日、当時話題だったスイーツが手に入ったからあげるよ、と一緒に頂いたのが、中津川モンブランだった。これ美味しいんだよ、ぜひ食べて、と。ありがたく頂戴し、同僚と一緒に食べた。
一口食べて感じた、
感動的な美味しさだった。
その頃の私は、ケーキを選ぶ基準は果物がのっていることだったので、モンブランは当たり前のように選ばれることはなかった。しかし、中津川モンブランは一瞬でその基準を崩しにきた。生クリームと栗ペーストの絶妙なハーモニーの虜になった。
衝撃の出会いだった。
今日、中津川モンブランを食べていると、ふとおじさまのことを思い出したのだ。私が転職してからは、つながりもない。今日も美味しいものを食べているといいなぁ、と思う。
おじさまへ
当時は話しかけていただいたり、中津川モンブランと引き合わせてくださり、ありがとうございました。またお会いしたら、美味しいスイーツの話しましょう。おすすめスイーツも教えてくださいね。
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