キヅタちゃんが死んだ話 〘5〙
朝はやく、キヅタちゃんの家で朝ごはんを食べて、わたしの家に向かった。家に帰るときは、少し寂しかったけど、一時間後にまた学校で会えると思うと、寂しさは晴れたよ。学校が終わったらクリップだって買いに行けるんだから。家に帰ってきたら、お母さんに昨日の事を話した。お母さんは笑顔でわたしの話を聞いてくれた。「いい友達ができてよかったね」って言ってくれたよ!
学校に行ったらキヅタちゃんがいて、おはようって挨拶して、お泊り楽しかったねって話そうと思ってたんだけど……。わたしが教室に入ったら、キヅタちゃんは他の子と話してた。話しかけてもらおうと思って、キヅタちゃんの近くを通ったのに、わたしのことを見てくれなかった。でも大丈夫だよね? 学校終わったら一緒に買い物するんだもんね? キヅタちゃん、こっち見てほしいな……。
待ち合わせ場所、わたしはキヅタちゃんを待っている。ちゃんと来てくれるかな。大丈夫かな。でもキヅタちゃんだから。わたしの友達だから大丈夫。自分を落ち着かせようと深呼吸をしてみた。これあんまり効果ないんだな。もしかして、お母さん嘘ついた? わたしが待ち合わせ場所についてから数分後、黒髪ポニーテールのきれいな女の子が目の前に現れた。キヅタちゃんじゃん! キヅタちゃん、ヘアアレンジしてる! 似合っててかわいいよ! 「じゃあ行こっか」って、キヅタちゃんは手を握ってくれた。なんだかわたし達、カップルみたい! ね、キヅタちゃん! そしてキヅタちゃんと私は、ショッピングモールの中にある雑貨店に向かった。ここの雑貨店はとても広くて、人気の場所なんだよ! クリップの色から決めようと思って、キヅタちゃんの好きな色を聞いてみたら、黄色だって! 私と同じなんだよ! 嬉しかった! キヅタちゃんが気になってたクリップは、小さいレモンがあって、キラキラのラメがついてる黄色のクリップ。わたしはキヅタちゃんとおそろいの物がつけられるなら何でも良かったから、それにしたよ! キヅタちゃん喜んでたなぁ。キヅタちゃんは、わたしに「ありがとう!」って笑顔で言ってくれた! キヅタちゃんの笑顔は私の宝物だよ!
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