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The Jeff Beck Group / Beck-Ola (1969)
ロック界屈指のキーボード・プレイヤーであるニッキー・ホプキンスの正式加入、ドラマーの交代、ロン・ウッドの脱退(解雇)&復帰を経て、万全の体制で挑んだ本作は、ジェフ・ベック・グループ名義では初めてのアルバム。
エルヴィス・プレスリーの代表曲"All Shook Up"と"Jailhouse Rock"のカヴァー以外の5曲はオリジナル。3曲目のみホプキンスによる異色のピアノ・インスト曲(これがまた美しい)だが、それを除くと前作以上にベックがギターを弾き倒している。
圧倒的な技巧と熱量を誇る自由奔放なベックのギターに、楽曲に有機的に魅力的にフィットしたホプキンスのピアノ、全体のグルーヴを支えるリズム隊、そして色気とソウル・フィーリングとロックならではの”枯れ”を兼備したロッド・スチュワートの歌唱。各メンバーの技量の高さが詰まった、テンションも密度も最高潮なベック屈指の傑作。
ラストの"Rice Pudding"における圧巻のギター・プレイはベックの真骨頂。
ブルーズ・ロックからハード・ロックへ。
そんな印象を与えるJBGのセカンド・アルバム。
7曲30分の中にハードなギター・ロックのエネルギーを詰め込んでいる。
そしてそれは時々ロッド・スチュワートのヴォーカルにより溢れ出している。
はち切れんばかりに膨れ上がるリンゴのジャケさながら。