見出し画像

John Coltrane / A Love Supreme (1965)

ジョン・コルトレーンの最高傑作と名高い"A Love Supreme"は、ジャズ界でも屈指の芸術性と精神性を誇り、モダン・ジャズの頂点にして臨界点に達したであろう作品。
1964年12月9日録音。

邦題の「至上の愛」からもわかるように、”神に捧げる愛”をテーマとした壮大なコンセプトの4部構成で、コルトレーン(テナー・サックス)、マッコイ・ターナー(ピアノ)、ジミー・ギャリソン(ベース)、エルヴィン・ジョーンズ(ドラムス)という最強布陣が織り成す圧巻の演奏は、素人の耳で聴いても凄みを感じる。

各楽器のソロでも、並走するパートでも、その流麗でエモーショナルで威厳溢れる演奏においては、全ての音が研ぎ澄まされ、あるべきところで鳴らされ、深く荘厳でスピリチュアルな宇宙を描き出している。

4曲(トラック・リストでは3曲)のみのアルバムだが、わずか33分弱という収録時間が信じられないほど、その内容は濃密で重厚で崇高で、充実した音楽体験を味わえる。

静謐と激情、混沌と調和が並び立つこの歴史的名盤を機に、トレーンはフリー・ジャズへと邁進し、ジャズ、ひいては音楽全体の新たな可能性を拡げていくことになる。







僕はジャズには明るくないのだけど、ロック以外も聴かなければと、おなじみの2003年版「ローリング・ストーン誌が選ぶ名盤500」を頼りに聴き始めた。
その最初期に聴いたのがこのアルバム。

ロック系が大半を占める500選のうち、ジャズにおいてはマイルス・デイヴィスの「カインド・オブ・ブルー」が最高位の12位で、次点に当たるのが47位にランク・インしたジョン・コルトレーンの「至上の愛」。(最新版では未確認)

コルトレーンのテナー・サックスから漂う哀愁や諦念のようなものが、その威厳とともに、壮大に鋭く深く突き刺さり、最後に未知の高みへと到達する。そんな感じ。

カルテットの他のメンバーの演奏も負けないくらいの凄みがあり圧倒される。


あんまり上手く書けないけど、言葉以上の何かを全面的に含んだ傑作で、33分と短いこともあって、たまに取り出しては聴いている。

ヴォーカルなしのジャズは読書中に流すことが多いけど、マイルス然り、コルトレーン然り、凄みが溢れすぎるアルバムだと、そっちに持っていかれて本に集中できない。特にこのアルバムとかはBGMには向いていないね。バック・グラウンドに留まってはくれない。

夜に暗くした部屋で一人ウイスキーでも飲みながら聴くのがいいですね。



月曜からだらだら飲んでるうちに現在自宅に唯一ストックしているポートシャーロットの残りが少なくなってきた。
年末年始に向けて新たなものを調達しなければ。

いいなと思ったら応援しよう!