The Allman Brothers Band / The Allman Brothers Band (1969)
スライド・ギターの名手にして夭逝の伝説的ギタリストであるデュアン(ドウェイン)・オールマンとメイン・ソングライター/フロントマンのグレッグ・オールマンの兄弟を中心としたジ・オールマン・ブラザーズ・バンドのデビュー・アルバム。
当時、東海岸か西海岸の音楽シーンが主流だったアメリカのロック・シーンにおいて、南部出身の彼らはイギリスのブルース・ロックからの影響を受けながらも”本場”アメリカ南部のブルースやソウルの要素を色濃く含んだ泥臭くも力強いロックを鳴らしたその音楽性は、そのままサザン・ロックと呼ばれるようになる。
デュアンとディッキー・ベッツによるエネルギーに溢れ表現力豊かなツイン・ギターに迫力のあるツイン・ドラムスも加わり、来たる70年代アメリカン・ロックの主流をブルース・ロックからサザン・ロックへと変容させた重要な作品。
”北部”のザ・バンドと並び、エリック・クラプトンをはじめとする多くのロック・ミュージシャンを魅了した”南部代表”オールマン・ブラザーズ・バンド。
もちろんドウェインとディッキーのツイン・ギターが象徴的な存在だけど、グレッグ・オールマンのシンガー/オルガン・プレイヤー/ソングライターとしての看板ぶりも見事な作品。
大河のようにどっしりと流れゆく演奏は、70年代以降のアメリカン・ロックの源流。