Friendly Fires / Friendly Fires (2008)
パンクやポスト・パンク、ハードコアを出自としたバンドとしてスタートし、やがてハウスを全面的に取り入れたことで時流に乗ったフレンドリー・ファイアーズのファースト・アルバムは、デビュー作とは思えぬほど洗練された完成度の高い1枚。翌年のマーキュリー賞候補作。
ハウスのビートの昂揚感や多幸感とクールなヴォーカル、ポスト・パンクな鋭角ギターのリフ、艶のあるエレクトロ・サウンド、そして英国的な捻りのあるキャッチーなメロディが気持ち良い。
ヴォーカルのエド・マクファーレンがプロデュースも担当(①のみポール・エプワース)している本作は、③や⑧などシングル曲ももちろん強力だが、その他の曲も緩やかに一体感を保ちながら繋がり、冗長になることなく10曲37分と潔くすっきりと収まっている。
有望な新人目白押しだった2008年、ロック×ダンスの融合の筆頭はフレンドリー・ファイアーズかな。
お洒落だけど(そこまで)鼻につかないのは、奥にロックの気骨を秘めているからか。ダンス・アンセムっぽいシングル曲がヒットしたけど、聴いた後の感触はUKインディ・ロックのそれに近い。
結構好きなタイプのアルバムです。