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Tyrannosaurus Rex / Unicorn (1969)

ティラノザウルス・レックス名義での3作目にして、ドラムスのスティーヴ・トゥック在籍時最後のアルバム。

フロントマンでソングライターのマーク・ボランがアコースティック・ギターを掻き鳴らし、スティーヴの呪術的なパーカッションと交わることで生まれる妖しいアシッド・フォークとサイケな浮遊感は本作において完成度を上げており、前作に続きプロデューサーを務めたトニー・ヴィスコンティが弾くピアノもフィーチャーしながら、これまでよりも磨き上げられたポップな楽曲(5曲目の"Cat Black〜"は結構キャッチーなサイケ・ポップ)も収録している。

マーク・ボランのヴォーカルは線が細く甲高くしゃくり上げながら、どこか御伽噺的な雰囲気を醸し出し、この演劇的で浮世離れした歌い回しは、後の好敵手であるデヴィッド・ボウイの最初期に近い印象を残す。






3年連続で9月の終わりにT. REX(というかティラノザウルス・レックス)を。

前2作のときも書いたが、やはりDIYなUSインディ・フォークに近い響きがあり、誰かにすごく似ているなと考えていたら、USインディの伝説的バンド、ニュートラル・ミルク・ホテルに辿り着いた。

(↓ 隠れた名盤と名高いセカンド・アルバムを取り上げていたので参考までに)

T. REX改名後のキャッチーなポップ・ソングこそないが、気づけば立ち込めてくる妖気のようなものが独特の味わいを放つティラノ時代もまた良し。

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