現代医療鍼灸臨床研究会 詳報‼️
速報でもお伝えしましたが昨日、4年ぶりに対面で第58回現代医療鍼灸臨床研究会が開催されました。
会場はなんと!東京大学鉄門記念講堂!
昔話になりますがちょうど40年前、東大病院リハビリ科に臨床実習に2か月ほど通ったことがあり懐かしい場所でもあります。
早めに御茶ノ水駅に到着できたこともあり、40年前の記憶を頼りに清水坂アップダウンをしながら歩いていきました。
ちょっと右にそれたみたいで湯島天神に到着(笑)
本日の研修会の盛会を祈って参拝したりして・・・💦
ちょっと軌道修正してほどなく東大敷地内に到着。
もちろん東大病院は建て替えられ救急車が何台もはいってきておりましたが、私が研修を受けたのはもっと古い病院・・・
探してみると今は事務所として使われていました。
東大敷地内を散策するとまだ旧校舎が補修しながら使われておりヨーロッパの街並みに紛れ込んだような気さえしてきます。
そしていよいよ研修会スタート!
14階にある鉄門記念講堂に上がり受付に向かうと昨年ご指導いただいた菅原先生にお会いしました。
受付係も東京有明医療大学の鍼灸研修生の顔見知りの先生方で気分もあがります。
会場内は撮影できないので、画像がなくて残念ですが座り心地の良い椅子としっかりした木製のオーバーテーブルで長時間の研修会でしたがとても快適です。
研修会はAPネットワークの発起人でもある精神科医の中村元昭先生の講義から始まりました。テーマは「精神科臨床における身体愁訴」
普段より鍼灸師との交流が厚いからでしょう「長野式」など鍼灸業界にもお詳しい印象でとても興味深く拝聴しました。
2008年からの神奈川県立精神医療センターでの鍼灸臨床経験のお話や、それをきっかけに精神科医と鍼灸師を連携するシステムの必要性に気が付かれたとのお話でした。
午前中の基礎講座の後半は、東京有明医療大の松浦悠人先生(鍼灸師)による「心と身体の不調、鍼灸師の対応は?」です。
カナダの2023年うつ病ガイドラインには軽度から中等度のうつ病の第二選択療法として推奨されたことのご紹介や、鍼灸師でも使いやすい評価ツール、また臨床面ではうつ病疑われる患者の医療面接、評価の際の注意点などとても参考になりました。
このあとランチタイム!
中央食堂が営業しているということで安田講堂までいどうしてカレーをいただきました。
午後のトップバッターは三井記念病院 総合診療科の増田先生(医師)
自ら北辰会に所属され鍼をうたれる異色の医師でもあり、中国古典の用語「以表知裏」などばしばしでてきてビックリです。
また医療経済学的視点でのお話も興味深く、医療受療の不均衡ICLというのも初めて知った考え方でした。
また鍼灸臨床の話も素晴らしくR2Aという概念も興味深かったです。
最後に先生が言われた「鍼灸医療には本来の医療の姿が残っている」という言葉は全国の鍼灸師に聞かせてあげたいと思いました。
続いて開業鍼灸師の米倉先生「地域における開業鍼灸師の役割」
「一言でいうと『繋ぐ』ではないでしょうか」と言われました。
地域連携は医療界では当たり前になっていますが、開業鍼灸師には浸透していないので目からうろこでした。
3人目のシンポジストは平成帝京大学の皆川先生(鍼灸師)
慢性疼痛に対する鍼灸治療とだいして、最新の疼痛分類や考え方、線維筋痛症にたいする鍼灸治療(四肢へのEAT、頭皮EAT)などの具体的なツボの明示もありすぐにでも導入してみたいクリニカルヒントがたっぷりでした。
4番バッターは「支持・緩和医療におけるがん患者に対する鍼灸治療」と題し埼玉医大東洋医学科 小内(こうち)先生(鍼灸師)のお話がありました。
個人的には小内先生のテーマに一番興味があったのでメモいっぱい取りながら聞き入ってしまいました。
4人の講師を囲んでのシンポジウムでは専門医と鍼灸師の連携、診療ガイドラインへの鍼灸の掲載、そのためのエビデンスとなる研究の積み上げ、などなど示唆に富んだ討論を聞けました。
最後の教育講座は埼玉医大 神経精神科の松尾教授(医師)による「うつ病と双極症の病態と診断・治療~鍼灸治療に期待すること~」
精神疾患のうつ、双極症を中心にとてもわかりやすく最新の知見をご講義いただきました。
特に自殺についての考察は心に響くものありました。
ここで学術集会は終了・・・・
速報でお伝えした懇親会に移ります。
研修会の開閉会や懇親会乾杯の音頭の坂井会長や山口副会長の熱い思いを込めた素晴らしいスピーチ!
精神科教授など超VIPの来賓の先生方も午前中から夜の懇親会までいらっしゃり、他の講演を聞いたりしていて驚かされました。
だって普通、自分の講演時間前に入り講演がおわると退席される講師がほとんどですからね。。。
そんなこともあり懇親会場は超VIPな先生と、30年前にこの現代医療鍼灸臨床研修会の創設メンバーなどがうじゃうじゃいる会場に紛れ込むこととなってしまいました。
NHK山本プロデューサーはじめ、小井戸先生、辻内先生にも初めましてのご挨拶でき、忘れられない充実した一日となりました。
基礎講座、シンポジウム、教育講座をもっとお聞きになりたい方は12月16日まではアーカイブ受講できるようなので下記よりお申込みください。