【詩作の試作】あいうえお作文 その5
そして、詩作の基本とは、暗喩と直喩であるとかないとか。
千の言葉を尽くしても、一の真実を言い得ない。
5
「哀切の情」は、「朝陽と闇夜のあわいに残った水の色」をしている。
「一抹の不安」が、まるで「いちめん続いた市松模様」のように私を圧迫する。
「ウナギが逃げる」かのように、「腕をすりぬけた恋人」。
「絵具が滲む」みたいに、「エクスタシーは輪郭を失う」。
「男」は、「檻に容れられた玩具のオランウータン」みたいで、
「彼女」はいかにも、「完全無欠の価格破壊主義者」。
「Kissの決め事」、それは「キツく嫌う気持ち」なのだと言う。
「くちばしの腐った鳥」同然の、「位高く居たが故の苦境」は、
「決然と運命に抗う毛虫」のように、「形而下の結果」を欲していた。
此処は「こねくりまわした小麦粉」のような、「混然一体」ばかり滾々と生み出され続く四海。
「皿にこぼれた砂糖」のように、「さすらい者には蔑みを」与えよ。
「死に際した使徒」は、「自然の象徴」である。
「ステージのスター」が今も、「砂時計の消耗」するように、
「セリフを失くした背中」を向け、「惜別の踊り」を舞っている。
「創造する想像」は、「ゾウリムシの生存本能」の如く、
「達観した達成感」は、「タンバリン叩いた音」の如し。
「血」は、「チョコレートそのもの」だ。
「付添人のない勤め人」の表情で、「爪先立ちで吊り革につかまりTwitter検索」をかけている。
「敵前逃亡」するかのように、「手の内をひけらかす手品師」ども。
「飛びゆく鳥の群れ」に似た、「都会の灯火」を眺めている。
「なしくずし的な並び順」で、「ナイフを持ち出した泣き寝入り女」。
「人間の真似した野狸」みたいな、「似たような何か」が蔓延する。
「ぬめりを帯びた肌」、「脱いだものを着る」ように塗りたくり、
「寝入り端起こされた鼠」のように、「熱は血中に凝って」いる。
「野に花の咲き乱るる」が如く、「野辺送りの狼煙」は揺らぎ、
「排斥された犯罪者」のように、そこに「墓石の白昼夢」を見る。
日々、「ひぐらし」は鳴く、「貧民救済」を訴えて。
「不可思議が横行」する、「太った鮒が殖える」ように。
「ヘッドフォン装着」するように、「屁理屈で身を固め」、
「抱腹絶倒」する様は、まるで「胞子を撒き散らして」いるようだった。
「満腔のマンネリズム」を抱え、やがて「満願」がやって来る。
「見付け出された御影石」が、「皆の見境無さ」を嘆く傍らで、
「無視され続ける虫螻」が、ただ「無学文盲の無分別」を嗤う。
「名優気取り」の、「めざしの表情」。
「物見遊山」する、「もずくの心地」。
「やられる前にやり返す」のは、まさに「やさしいヤナギ」のやり方。
「雄大なユートピア」は悠々と、人の「夕餉の食べ残し」を呑み下す。
「酔いにまみれた夜の隙間」に、「よせあつめたちがうたう」唄。
「ラッキーなラジオ番組」がずっと、「楽な方へ」と誘っている。
「リストカッターの理想」が、「リクエスト曲第1位」。
「ルイジアナ産のルアー」は、「ルビーグレープフルーツほどの価値」。
「レトリック・レビューのレッスン」については、今年も「例年並み」の模様。
「論を証拠より崇めたがる」、「ロリコン趣味のロボットたち」も、
「わたがし」みたいに、「わけないこと」だと、
こんな思索を、誰か知らん。
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