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SoD, 第10章、新兵ヘスターと主人公とンキーンの対話、死なくして生なし
<合同キャンプにて。主人公は軍曹にサジを投げられたダメ新兵のひとりに訓練をつけようとする>
ヘスター
「準備万端です、教官どの!敵を名指してください!みんな殺してみせます!」
主人公
「そう力まなくていいわよ。まずはあなたの実力を拝見するわ。かかって!」
ヘスター
「はっ、教官どの!ええと、どの兵士にかかりましょうか…?」
主人公
「誰でもかまわない。適当に選んで、かかってみて」
ヘスター
「はっ、教官どの!自分は剣で始めましょうか、それとも遠くからクロスボウでやりましょうか?」
主人公
「剣で」
ヘスター
「はっ、教官どの!…あ、自分の剣は壊れているようであります。先に別の兵士を訓練していただいて、自分は後回しにしていただけましょうか?」
主人公
「逃げようとしてない、新兵さん?」
ヘスター
「い、いえ、もちろんしてません」
主人公
「ンキーン?何か意見があるみたいね」
ンキーン*(主人公PTのゴブリンシャーマン)
「傷を負えば痛む、だが痛みは人を強くする。死を恐れていれば、人は真に生を味わうことはない」
ヘスター
「では、戦いとそれに伴う一切から逃げようとして、僕はいま自分の人生を投げ出しているのだと…?」
ンキーン
「私はそう言った。今は努めるがいい」
ヘスター
「や…やってみます」
*ンキーンは一族の浅ましい振る舞いに嫌気をさして、非難も構わず一族を抜けて一人で暮らすことを選んだ勇気あるゴブリン。