【20190602】タフな海の男の怪奇小説「幽霊海賊」【雑記】
を最近になって読みました。
「現実世界と薄皮一枚隔てた先にある異次元世界(ボーダーランド)」というテーマ性や、淡々とした語り口ながらもジワジワと盛り上がりをみせる展開が魅力的で、古典でありながら娯楽小説としての読み味がとても良かった。
作者のウィリアム・ホープ・ホジスンは三等航海士の資格を持ったタフな海の男であるのだが、この作品は特に船乗りとしての経験が活かされているようで、強いR.E.A.Lさが感じられます。帆船の構造についての専門用語が多用されているので、知識がないと場面の想像に難儀するは少し困るところですが(特にマスト上でのアクションシーン)、それは適宜調べるなどして乗り切ることが出来るでしょう。ナイトランド叢書版の巻末には用語解説の項があるものの、これは図解などが無いのでちょっと物足りないかも。
この作品をはじめとしたホジスンの「ボーダーランド」というアイデアは現代の創作にも大きな影響を及ぼしているとされているので、古典ではありますが、未読の方は一度触れてみるのもよいと思います。先日発売日が発表されたデスストランディングも、トレイラー映像見ていると影響受けてそうだなあと思えたりする(個人の感想です)。
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