日本国内の「独立リーグ」 日本独立リーグ野球機構とは?
「日本独立リーグ(IPBL)」は、一般社団法人日本独立リーグ野球機構が運営するリーグのことです。運営母体は、一般的に「プロ野球」と呼ばれるNPB(日本野球機構)と異なる団体となり、国内で2番目に大きなプロ野球組織とされています。
日本独立リーグ野球機構の概要
日本独立リーグは「おらが街の野球チーム」をスローガンに掲げる組織です。
日本野球機構(NPB)が統括する「プロ野球」を目指す選手たちを主体とし、プロ・アマに属さないリーグを目指し創設されました。
地域社会への貢献、野球水準の向上、スポーツの発展などを理念として標榜しています。
2024年5月現在、日本独立リーグには日本各地5つの地域リーグ、合計21チームが所属しています。
日本独立リーグ野球機構の歴史
発足経緯
2005年に日本初の独立リーグ・四国アイランドリーグ(現四国アイランドリーグplus)が4チームで発足しました。
2010年に2リーグによる連絡組織「独立リーグ連絡協議会」が任意団体として発足し、人材や知識の交流、他団体との交渉などを行っていました。
2014年9月、独立リーグ連絡協議会がさらに連携を強化する目的で「一般社団法人 日本独立リーグ野球機構(IPBL)」が設立されました。
その後、2021年にヤマエグループ九州アジアリーグ、2022年に北海道フロンティアリーグ、2023年に日本海リーグが次々に加盟し現在に至ります。
NPB入り選手の増加
これまでIPBL加盟リーグがNPBに輩出したプロ野球選手は100名を超えました。
四国アイランドリーグ発足初年度の2005年のドラフト会議では2名の選出でしたが、2023年では22名が選出されており、注目の高まりを示しています。
2007年に高知ファイティングドッグスから千葉ロッテマリーンズに入団した角中勝也選手は、6年目の2012年に首位打者、2016年には首位打者と最多安打の二冠に輝くなど、独立リーグ出身選手の中でも際立った成績を残しています。
近年では、2018年に富山GRNサンダーバーズから同じく千葉ロッテマリーンズに入団した和田康士朗選手が2021年に「盗塁王」を獲得しています。
今後の展望
四国アイランドリーグplusでは2022年より「リーグが創出する社会的価値」を定性・定量データとして計測し、創出される経済的影響、社会的影響について検証しています。
リーグの活動による地域コミュニティの醸成がソーシャル・キャピタルの構築やシビックプライドにどのように影響するのか、非財務的な価値を定量的に可視化することが目的です。
(参考記事)
https://www.mita-hyoron.keio.ac.jp/featured-topic/2023/06-1.html
独立リーグを取り巻く環境は、国内の少子高齢化、野球競技人口減少の影響をうけ、厳しいものと言えます。
これまで19年かけて築き上げてきた地域との紐帯や選手育成メソッド、各関係団体とのつながりを生かし、新たな価値の創造が期待されます。
<取材・文>
佐藤大輔(Spoship編集部)