合同会社型DAOを利用して分散型電力を実現する(Chapter 1)

初めまして、Nextmergeの飯島です。

Nextmergeでは、TIPWAVEというウォレットを運営しており、
ウォレットを持っていない相手にも、SNSのIDを宛先として、コミュニティのトークン(オフチェーンも可)も送付することができます。

DiscordやTwitterをやっていればユーザがウォレットを作るという行為をしなくても自動的にトークンを受け取ることができます。

日本DAO協会のレップホルダーをやらせていただいております。

はじめに

今回は、電力の地産地消に合同会社型の仕組みとブロックチェーンを応用することで、プロジェクトの実行から運用までも行うことができると思い、記事にします。

前提として、電力は、現代の多くのものに利用でき、デジタル時代の通貨と考えても遜色ありません。
というところから考えると、ブロックチェーンと相性が良いのは当然の結果であると思いますが、
具体的にどの部分をブロックチェーンにし、どの部分を合同会社型の枠組みを使うのかを考えていきます。


Chapter 1の目的

Chapter 1(このテーマは二本構成)では、分散型の地産地消の電力システムを作るための、横断的な合同会社型DAO(トークン式組織)を設立し、

必要なステークホルダーを集めつつ、資金や人的リソースを出し合いながら、コンソーシアムのような形で、地産地消の電力システムを構築していく組織を考える

いわば特定のエコシステムを作るための事前準備についての記事である。

実現したいこととしている、「分散的な電力システムの構築」は
こちらの書籍の内容を参考にした内容となっている

コンソーシアム的な合同会社型DAOの利用

エネルギー業界は幾つもの法人や団体が存在しており、役割や立場が分かれているため、横断的な取り組みで物事を進める必要がある

そのことから、ブロックチェーンを利用した組織体系をとることで、実現がしやすくなるのではないかと考えている。

よってこのNOTEでは、
「コンソーシアムをブロックチェーンを利用した組織に改造し、事業体としてアップデートする」

という内容である。
コンソーシアムの認識はこちらを参考にして考えた。

全体のステップは次のようになる。

このように横断的にDAO的組織を作っていく必要があるため、
コアメンバーでアセットを出し合いながら、0→1を構築していき、
トークンを利用した組織のプロダクト開発を行っていく

これを開発する過程や開発後のエコシステムに対して、ブロックチェーンを利用した組織を構築する

STEP1:コアメンバーを集める

エネルギーの地産地消を進めたい事業者を集める
コアメンバーは0→1を定義し、作っていくチームである
コアチームには、以下の図のような関係者が関わると考えらえる

コアチームで決めると良い内容
・どのような形を実現したいのか
・現状のボトルネック
・必要なプロダクト、仕組み
・収益などのシミュレーション

上記の様な内容をある程度、見えるようにし物事を進めていく

STEP2:組織と技術をどの様に組み合わせるかを考える

今回の組織と技術はどの様に組み合わせられるかを端的に考える

・権利まわり→合同会社と事業会社で契約
・貢献量に合わせた収益分配→ブロックチェーンを用いた兌換トークンでの分配
・お金まわり→ブロックチェーン上の資産を利用してマルチシグなどで管理する
・チームや役職→合同会社上でチームを作り、リーダーなどの役職を決めるその決裁権に応じて、NFTなどを発行し、投票や予算の支払いなどができる様にする


STEP3:合同会社を設立し、コアチームからリソースを提供する


コアチームからエネルギー地産地消DAO(合同会社)へ出資していく

既存の課題として、

権利問題や複数のステークホルダーがいる状態での分配コストなどが挙げられるが、ブロックチェーンを利用することにより、

・権利が利用された場合の収益還元
・リソース出資量に紐づいた収益分配

を設計することができる

この部分がブロックチェーンを利用することによるメリットを大きく得ることができる

・契約の締結や履行コストの削減
・リソースによる収益分配作業のコスト
・コアメンバーや第三者が横領したりする可能性


拠出したリソースに応じて、FTやNFTを変換し、その量に応じて収益の分配を行う。

ブロックチェーンを利用することにより、売上などの数字から自動的に分配される仕組み(第三者の法人などを置かなくても)を作ることができるので、法務や会計のコストを大幅に削減する事ができる

STEP4:プロダクトの開発/パッケージ化

コアチームで作るべきプロダクトを話し合い、それを実現するためにリソースを出し合っていきました。

このSTEPでは実際にプロダクトを開発し、地域ごとに提供できるパッケージのような形まで進めていきます。

実際に合同会社を一つ建て、コアチームでプロダクトを開発していきます。

今回は、「分散エネルギー取引ができる基盤システム」を開発しました。
ブロックチェーンを利用して、電気の取引をする事ができます。

基盤システムでは、カーボンクレジットを利用して電気を購入したり、地域通貨で地域で発電した電気を、購入/販売することができます。

このプロダクト(サービス)は、
・インフラシステム開発の会社
・ブロックチェーン開発会社
・カーボンクレジットの発行体
・地域通貨の発行体である自治体

などを横断的に繋げることにより、実現しています。
プロダクト開発チームで決めた収益分配は以下のようになりました。

このプロダクトは、地域を別の地域で行うことにより、地域通貨の部分以外は同じシステムを利用する事ができるため、
1つの地域でうまく実施できれば、複数の地域に展開する事ができます。

このように、一つのプロダクトを横展開できる形で開発し、時にそれらを繋げたりすることにより、より広い経済圏を作ることができるようになります。

まとめ

Chapter1では、DAO的なトークン型の組織の構想からコアチームの編成、実際のプロダクト開発まで進めました。

このように複数のステークホルダーが絡んできますが、ブロックチェーンや合同会社の仕組みを利用することで、
従来よりも、法務コストやセキュリティコスト、会計コストを低減しつつ、一体となって事業を創ることができるようになります。

Chapter2では、
実際に末端のユーザや法人も巻き込んだ形で、ブロックチェーンを利用したエコシステムのシミュレーションを実施していきたいと思います。

さいごに

法解釈や内容など間違っている部分や質問などがありましたら、ご教示いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
質問や相談などありましたら、お気軽にご連絡ください。

メール:h-iijima@nextmerge.net

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