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NOTE Vol.76 モノの値段について人一倍考えてきた僕が伝えたい、価格設定の極意。
Vol.76 モノの値段について人一倍考えてきた僕が伝えたい、価格設定の極意。
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みなさんこんにちは。Kentoです。
今回は、シンプルに収益を最大化させるための「プライシング/価格設定」についてまとめていきます。
自分が個人事業主として独立して以来、約6年間、書道家、トレーナー、ジム経営者、映像ディレクター、セミナー講師として、あらゆる成果物(サービス・プロダクト)に値付けをしてきました。
時には、客観的な価値を把握するために自分の栄養指導をオークションに出してみたり、同じ内容のサービスで価格を変えて提供してみたり(本当は秘密...)、明らかに高価なモノを無料で供給してみたり、モノの値付けに関しては人一倍こだわってきました。
単にこだわりが強いだけではなく、僕ほど仮説と検証を繰り返してきたトレーナーはおそらくいないのではないかとすら思います。
このNOTEでは、便宜的にトレーナーを例に挙げてお話を進めますが、フィットネス関連以外の業種の方だとしても、自分で価格設定を決められる立場にいる方には是非見ていただいて損はない内容になると思います。
(返金設定もしてありますので、もしみていただいた上で値段以上の価値を感じられなければ返金をいたします。)
目次
1. 市場価格は需要と供給で決まる。
2. イケてない価格設定の典型例。
3. 値付けは最後の最後でいい。
4. 価格と本質的な価値は比例しない。
5. 人は、この3つにしか金を払わない。
6. 同じサービスを別々の価格で売ると、一番高いモノの満足度が一番高い。
7. 自分の落札額を知る。
8. どんなにいい価格設定をしても購入されない理由。
1. 市場価格は需要と供給で決まる。
市場の原理原則として、モノの値段は、需給バランスで決まります。
あるエリアのトレーニング指導における市場価格が、6,000円/1hだとしたら、
サービス単価 × それを求めるお客様の数 = 最大
となる数字が6,000円となり、その数字が相場を形成します。
逆に言えば、その数字は数多くのサプライヤー(サービス提供者)から算出した平均的な数値であって、100万円/1hだったとしても、ひと月に数セッション購入してくれるお客様がいるのであれば、"値付けとしては正解"です。
そういう意味で、”業態と提供するサービス”の相場を理解することは必要不可欠ですが、「そこに近づけた価格にしなければいけない」という固定観念は捨ててください。
2. イケてない価格設定の典型例。
・トレーナーとしてのセッションフィー
・ジムの利用料金
・入会金
・ジム手数料
・セミナー参加費
トレーナーとしてフリーランスを視野に活動していく場合、わかりやすいところでもこの辺りの価格設定は誰しもが経験すると思います。
初めて自分のアウトプット(成果物)に値段をつける時。
・始めたばかりで周りよりサービスの質が劣るから、安く設定する。
・競合よりも優位性を掴むために、安く設定する。
・根拠がなく、「なんとなく」で価格を設定する。
この3つは誰しもが良くやりがちですが、総じてうまくいかない原因になるので、絶対にやめてください。
特に「競合優位性のために価格を下げる」は、小規模事業者は本当にやっちゃダメです。
必ず、ある程度の価格を設定してでもお客様にきてもらえるコンテンツの付加価値を先に考えましょう。「低価格」に頼って上手くいく集客は、大資本を持った後発大手がすぐに真似して、秒で置いていかれます。
中には
「とりあえずざっくりした価格設定でやってみて、反応をみながら決めればいいのでは?」
と思う方もいるかもしれません。
サービスやプロダクトの中身に関して、とりあえずやってみて「ランニングさせながら思考&アップデートしよう」は全然いいと思いますが、価格設定に関してはそれが通用しない部分もあります。
一度決定した価格にはイメージが付き、それが直接ブランディングに影響します。
ダイソーは必要最低限のクオリティを100円で売ってブランドが成り立っています。
例えば、そんなダイソーで、本当にいい包丁を15万円(定価の8割)で売っていてもおそらく売れないでしょう。質にこだわっているという印象を持たれていないため定価の8割でも割高に捉えられます。
同じく、すでに100円で売られている商品を110円(それでも依然安い)に値上げしただけでも、売り上げは激減します。(詳しくは消費税率5%→8%になった2014年の企業決算をご覧ください。)
値段を下げることは簡単ですが、上げることはとても難しいということを忘れないで、プライシングは慎重に決定しましょう。
(※基礎価格が低いサービスであるほど、値上げの影響を受けます。)
3. 値付けは最後の最後でいい
トレーナー志望者からの相談をいただいたり、パーソナルジムの立ち上げに携わらせていただく中で、サービスを構築する中で、先に値段を決めてしまっている方が多いように思います。
先に価格を決定してしまうと、提供できるコンテンツ内容に制約が出てしまって、その価格に引っ張られてサービスの質を左右したり、元のコンセプトとズレてしまう原因にもなりかねません。
では具体的にどんな順番で価格設定をすればいいのか?
過去にもお話ししてきましたが、上手く利益が出ているビジネスモデルには、そのサービス設計において、共通のロジックがあります。
必要なプロセスは大きく5つです。
(1) SWOT分析(強み・弱み・外的要因による拡大する可能性・外的要因による縮小する可能性の分析)
↓
(2) 3C分析(お客様・競合他社・自分の分析)
↓
(3) ペルソナ設定(ターゲットを明確に)
↓
(4) デプスインタビュー(明確なペルソナに対して、潜在ニーズを掘り下げる)
↓
(5) 4P分析(プロダクト・価格設定・流通・プロモーション/販促方法)
それぞれに対して詳しく解説している動画があるので、「この5つって具体的にどうやるの?」って人はぜひみてください。(※もちろん無料で観れます。)
上のフローを見ていただいて分かる通り、サービスを設計する上で、価格を決定するフェーズは1番最後の4P分析の2番目です。
「まず自分のコンテンツ内容を固めて、他社と顧客を分析して、ターゲットを明確にしないと、正しい価格設定なんてできない」というのが僕の本音です。
4. 価格と本質的な価値は比例しない。
言われてみると当たり前のことですが、身の回りにあるあらゆる商品やサービスに目を向けると、本質的な価値(物質的な価値)と金額が一致しているモノはほとんどありません。
例えばみなさんが金を買う場合、その日の市場価格はおおよそ決まっていて、相場を目安に価格が決まります。今日(3/17)だと1gあたり5,648円ほどです。ちゃんとしたお店であれば、どこで買ってもほとんど金額はブレません。
しかし、カバンや靴、車、ブランド品やその他サービスはどうでしょうか?
以前気になって、ルイ・ヴィトンのとあるバッグの原価(材料コストと工賃)を調べたことがあります。
もちろん商品によって原価率は異なるでしょうが、僕が調べた塩化ビニール製のバックの原価率は4.8%でした。
多くの人がドヤ顔をして肩にかけ、インスタに載せているいる20万円のバックは、原価だけで言えば1万円もしないということです。
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