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【ピッチ最優秀賞受賞】製造業DXベンチャーのネクスタ。オンプレ&カスタマイズの大手SIerに挑む、プロダクト開発チームの座談会

※当記事は2021年にWantedly公開記事の再掲です

製造業 DX に取り組む関西発ベンチャー企業「ネクスタ」は、製造現場を効率化する生産管理 SaaS「スマートF」のローンチを年内に控え、開発メンバーの採用を強化します。本日は、ネクスタ開発の魅力を探るべく、開発の裏側を伺いました。

―まずは、ネクスタのご紹介をお願いします。

永原:
ネクスタは、製造業向けの生産管理 SaaS 「スマートF」を開発し、製造業 DX を推進するスタートアップです。
直近では関西スタートアップビジネスコンテストにて優勝し、ベンチャーキャピタル・大手銀行・監査法人など様々な領域の方々からコメント頂きました。

▼プレスリリース:
関西スタートアップビジネスコンテストで最優秀賞を受賞!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000040890.html


―「スマートF」とは、具体的にどのようなサービスなのでしょうか?

永原:
製造業には “手書き” や “エクセル管理” などアナログな業務が想像以上に残っており、 IT の力で非効率を改善できる余地がたくさんあります。それらをシステム化させることにより、業務効率化はもちろん、標準化・人材教育などの様々な改善に繋げ、日本の超巨大レガシー産業である製造業 DX を推進するプロダクトが「スマートF」です。

製造業にいまなお残る「手書き」管理

大手SIerの数千万のオンプレ&カスタマイズのシステムを越え、「カスタマイズなしのプロダクト」を作り上げる

―「スマートF」は画面数、テーブル数やカラム数などがかなり多く、大規模なシステムとお伺いしました。
それだけ大規模なシステム開発は大変ではないですか!?

永原:
正直、業務系システムの中でも特に僕らの取り組む “生産管理システム” は規模も大きいですし、現場ごとの細かな運用を考慮する必要があるので、むちゃくちゃ大変です。そして、このような背景により、オンプレ&カスタマイズが当たり前の業界なんです。

一方で「スマートF」は大規模なシステムではあるものの、カスタマイズなしの SaaS なので、大手 SIer のシステムがオンプレ&カスタマイズ かつ テーブル数だけで数百あることと比較すると、かなりやりやすいと思います。

奥上:
そうですね、僕も同意です。
最近では、「スマートF」が大規模システムであることに加えて、エンジニアが増えてきたこともあり、新人メンバーの業務理解の促進や不具合の削減、俗人化をなくすために Wiki を作成するようになりました。この Wiki はエンジニアのためでもありますが、ビジネスサイドのメンバーにも、お客様にも活用してもらえるようになっており、「スマートF」に携わる全員が同じ情報を確認できるようになっています。規模が大きいからこそ、このような工夫は心がけている点でもやりやすいと思いますね。

―それにしても、少人数でそれだけ大規模にシステム構築できるのはすごいですよね。製造業 DX に取り組む原動力は何ですか?

永原:
前職キーエンス時代から、約2,000以上の製造現場を訪問し、アナログがゆえに本当に無駄でもったいない作業をたくさんみてきたことに原動力があります。なんとか製造業の非効率を変えたいと考え、ネクスタを立ち上げました。

いま、ネクスタはカスタマイズなしの SaaS で、大手 SIer のオンプレ&カスタマイズ かつ 数千万のシステムに勝つことを本気で目指しています。そのために、製造業の現場と流れを熟知した開発リーダー3名と僕の知識・経験を最大限活かし、他社には真似できない開発を高速で続けてきました。

製造業 DX のために、現場を理解せずに作る受託開発は絶対に非効率。しっかりと現場理解をし、型化できる部分を標準化し、様々なハードウェアに対応し、システム連携をできるようにしたら、必ずカスタマイズなしで多くの製造業で使えるようになると信じています。もちろん簡単に成し得ないことは理解していますが、必ずそのプロダクトを作り上げてみせます。

開発体制の肝は、システム理解 / 製造現場理解、両方の視点を持つメンバーが連携すること

―実際に、どのような流れで開発しているのですか?

永原:
ネクスタではビジネスサイドと開発サイドが緊密に連携し合い、全員がフルリモートで「スマートF」の企画・開発を進めています。(下図)特に開発組織はインドにもオフショア拠点があり、コミュニケーションは基本的に全てオンラインで行われます。

<プロダクトの開発企画の流れ>

① ビジネスサイドのCS(カスタマーサクセス)チームが製造現場のお客様から「スマートF」の改善要望や不具合をヒアリング
 ▼
② それらをPMリーダーが重要度・優先度を精査しチケット発行して優先順位を決める
その中で、大きめの新機能やざっくりとした要件だけの場合については、永原が各CS担当に詳細な顧客要望 のヒアリングとどのように開発するかを開発リーダと相談しながら仕様を決めていく。
 ▼
③ チケットをもとに開発リーダーが見積、開発担当者の割り振り
必要に応じて、各CS担当に詳細なヒアリングを行い、適切な仕様を検討します
 ▼
④ 開発担当が開発し、リーダーが確認・レビューを行い、デモ版にアップ
 ▼
⑤ CS でも改めて動作確認を行い、問題なければ本番サーバーにアップ

※現在は、テスターによる品質向上できる開発フローを検討中

サービス拡大を見据え、開発初期からシンプルかつ綺麗にコーディング

―「スマートF」の特徴を教えてください。

奥上:
特徴は3つあります。

  1. アスペクト指向を取り入れたりなど、実装方法をできるだけシンプルにわかりやすく、きれいにコーディングできるようになっている

  2. Spring Framework を参考にし、MVC に近い形にしている

  3. よくある共通コントロールや共通クラスを使用している

ヨゲーシャ:
① は、本当にその通りだと思います。
誰がみても技術的に理解できるようになっており、二重レビュー・チェックを行なったとしても、ベースがよく整理されている分、混乱や問題が起きづらく、スピード感を持った開発に繋がっています。

永原:
最近も業務委託で新しく入られた東大卒のエンジニアの方から「色んな会社のプログラムを見てきたけれど、ネクスタはベースが綺麗。松村さんのコードはとても綺麗で憧れる」とまで評価していただけました。

松村:
「スマートF」は技術的にすごく飛び抜けたことをやっているわけではなく、みんなで平均的に力を発揮して、それを全体的なレベルアップにつなげています。
受託開発ですとそれなりに難易度の高い技術を求められることもあり、それはそれでおもしろさはありますが、「スマートF」は、仕様のよさや現場(エンドユーザー)の使いやすさを追求していくという特徴もありますね。

自発的に動けるメンバーが多いからこそ成り立つ、フルリモート/フレックス

―ネクスタは全社的に フルリモート / フレックス で働いているようですね。それでいて、業務を円滑に進められる秘訣は何でしょうか?

永原:
元々、ネクスタは海外のオフショア開発も行っており、コロナ前から仕事のやりとりはほとんど Slack+Redmine で完結していたため、フルリモート/ フレックスの導入は、全く問題ありませんでした。

といっても、最初は海外とのやりとりは上手くいかず、いかにコミュニケーションミスを減らして効率化するかを色々試行錯誤し、slackが普及する前からほとんどすべてのやりとりを Google hangout(現:Google Meet)でやりとりしていたり、クラウドでファイルを共有したりなどしていました。いまもフルリモートがうまくいっているのは、そのときの苦労があったからこそで、真面目できちんとしたメンバーが集まっているからだと思います!

松村:
確かに、苦労したこともありましたね。
僕は、ネクスタがフルリモートでうまくいっている理由は、

  • 思ったことを言いやすい環境

  • 思ったことを言う(自発的に動ける)メンバーが集まっている

  • 耳を傾けてもらえる環境

これにより、コミュニケーションにストレスを感じることなく、業務を進められるからだと思います。
エンジニア同士だけでなく、ビジネスサイド、例えば営業担当に「ここの仕様はこう変えた方がいい。お客様にこう伝えてきて欲しい」と言うこともあるくらいです。

永原:
全社的にも思ったことを言いやすい環境作りを心がけているのと、開発全体では週1のオンライン開発 MTG に加え、それぞれのチームでも独自に MTG を実施しており、課題を吸い上げる仕組みになっています。MTG だけでなく各メンバー、自発的に問題があれば発信してくれますし、お互いに困ったことがあれば助けあっています。

奥上:
最近では新しい取り組みとして、Google Meet を常時接続したり、3~4つある Slack のワークスペースの中にほぼ雑談専用のものを作ったりしました。そこで技術的なことでもなんでもやりとりしています。
インドやタイにいるエンジニアとも、問題なくコミュニケーションを取れています。

<日々の取り組み>

・コミュニケーション
メインSlack、必要に応じてMEETやZOOMなどでMTG

・プロジェクト管理
Redmine

・アップデート頻度
毎週金曜の1回

・会議
週1回開発MTGと進捗確認を実施
①バージョンUPした内容の振り返り(工数の予実/バグ/納期遅れのシェア)
②今後の作業の割り当て状況の確認
③関係メンバーから出た課題がリアルタイムでSlackに発信されるので、この場で随時どうするかを決めて、改善していく

自発的に動けるメンバーが多いんですね。

松村:
そうですね。
自発的に動ける方にとっては、とてもやりがいのある環境だと思います。
僕はこの間、ライセンス付与の依頼にエンジニアが都度対応するのが非効率だと思ったので、お客様やビジネスサイドのメンバーでもライセンス付与ができる機能を作りました。
こんな感じで、色んなメンバーが無駄や非効率を見つけては、自分自身で提案し、どんどん開発していける組織です。

―フルリモート/フレックス のメリットを教えてください。

松村:
オフショア開発しているタイもインドの海外メンバーともやりとりしやすく、互いに有意義に時間を使っていると思います。
また、個人的な話をすれば、自宅がオフィスから遠く、毎日2時間かけて通っていたので、フルリモートになって、その通勤時間を別の時間に使えるようになりました。

奥上:
フルリモートの間接的なメリットは、全てのコミュニケーションのログが残り、検索しやすいのと、他の人のやりとりも見えるので、自分がメンションされていなくてもサポートに入ることができることです。より円滑に業務を進められるようになったと思います。

―開発メンバーからみた永原さん(社長)はどんな方ですか?

奥上:
永原は都度、開発チームに相談、同意を取りながら決めてくれるので、ただ言われるがままに開発実装させられるわけではないので、モチベーションが上がります。
また、開発には直接関係ありませんが、永原はいつの間にか、色んなところで「スマートF」をプレゼンして賞を受賞してきます。いつも Slack にそんな発信があっては、びっくりしています。まだ道半ばのサービスにも関わらず、評価していただけているのは、永原のプレゼンのお陰もあると思います。

松村:
永原とは前職からの付き合いになるんですが、ずっと思っていたのは、営業力がすごいということ。
賞を受賞してくるのも営業力の一環なんでしょうけど、本当にすごいですよね。あとは、技術をかじっているため、議論が成立するのでやりやすいです。

様々な技術を経験 / 挑戦できる開発組織と、僕たちにしかできない "業界を変えるプロダクト" への挑戦

―最後に、今後の取り組みを教えてください。

永原:
ネクスタは、営業やマーケよりも開発チームが強い組織を目指します。
そのためにもエンジニアの人数比率が一番多い組織にします。
当社の一番の強みは開発力です!と胸を張って言い切れるようにしていきたいですね。
「スマートF」はハンディ端末やラベルプリンタなどの産業機器との連携や、エクセルの連携などもあり、デスクトップアプリケーションのプロダクトにしています。そのため、現在の当社の開発環境は、大規模システムで良く使用される、サーバ → ASP.NET WebAPI、クライアント → C#.NET、DB → SQLServerを使用しています。
ただ、ようやく一通りの機能が出来てきたので、今後は現場で入力する機能をどんどんと Web 系のフロントで増やしていき、この1年で、IoT と AI の機能も実装していく予定です。さらに色んなシステム連携やハード機器連携、IoT によるビックデータによる更なるAI活用など、色んな技術を経験/挑戦できる環境にしていきます。

エンジニアの方にとっては選択肢が増えて行くので、今後どんどん新しいチャレンジに取り組めて、成長できる環境だと思います。また、まだまだ組織規模も小さいので、いま入社した方は、今後責任あるポジションに就ける可能性も十分にあります。

このタイミングでまずは話だけでも聞いてみたい!という方も歓迎です。下部リンクからお気軽にご応募ください!お待ちしております!

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