ドローンパイロット平岡さんインタビュー!ドローン配送の現場で起こる、リアルなお話を伺いました!
採用担当の山本です!
今回は、ドローンパイロットとしてNEXT DELIVERYの初期から活躍する平岡さんに、インタビューを行いました。NEXT DELIVERYのドローン配送の現場だからこそ得られる成長や、大切な姿勢、そして現場に行かないとわからない数々のトラブルも伺いました!平岡さんはトラブルをどう乗り越えてきたのか?是非ご一読ください!
サラリーマン・サッカーのコーチを経てドローンパイロットとして独立。
平岡さんはいつごろからドローンパイロットになったのでしょうか。
ドローンパイロットを始めたのは、2021年9月で、NEXT DELIVERYに関わり始めたのは、2022年6月です。
パイロットになる前は、大学を卒業して、1年間、航空系部品の会社でサラリーマンをしながら、サッカーの社会人チームにも所属していました。運航部の責任者である青木さんと同じ航空機部品系出身なのはたまたまですね。
会社を辞めたあとはサッカーのコーチをやっていたのですが、
この先、何十年後もボールを蹴り続けるのか、給与は伸びにくい環境で将来的に厳しいだろう、と思い、いろいろと次のキャリアを探す中で、たまたま父親が「ドローンが来そうだ!」という話をしていたことをきっかけにドローン大学校というスクールのセミナーに行きました。
もともと飛行機・電車・バイク・車と乗り物は何でも好きだったのでドローンにも興味を持ちました。
ドローンスクールでは、操縦や空撮も面白かったですし、ドローンの運航に関する法律の勉強も好きで、学びになったと感じています。
ドローンスクールに通った翌月には法人を立てたとのことですが、ドローンの仕事はどのように見つけていたのでしょうか。
サッカーのコーチもやりながら、法人を立てたのですが、最初、仕事はなかったですね。
実は、通っていたドローンスクールから「講師をやりませんか?」という声掛けがあり、サッカーのコーチをやっていたことから人に指導をする仕事にはなじみもあり、卒業後はドローン講師をしていました。今思えば実務経験もないのに講師を名乗っていたのはお恥ずかしい限りです 笑
ドローン空撮の仕事を獲得するために「Phantom4 pro V2.0」というドローン機体を持って完全にアポイントなしの飛び込み営業をやっていました。
地元の企業を30件ほど回ったところで地域の観光協会の仕事もらったのが初めての空撮の仕事です。21年10月に法人を設立し、22年1月にはじめて獲得した案件でした。
そのあと、商工会議所の青年部に入り、少しづつ空撮の仕事を増やしながら講師の仕事をしていました。3月にはサッカーのコーチの仕事も退職し、ドローン1本に専念するようになりました。
業界のパイオニアとして、一流であり先駆者であるパイロットと共に働く
NEXT DELIVERYとの出会いはいつ頃だったのでしょうか?
2022年6月から業務委託としてパイロット業務をしており、今も空撮など他の案件とも並行しながら、NEXT DELIVERYに関わっています。
ドローンスクールでの講師をやっているタイミングで、ドローンスクールの案件やイベントで青木さんと出会い、何度か顔を合わせる内に会話をするようになって声を掛けていただきました。ちょうど、NEXT DELIVERYはパイロットを内製化しようとしているタイミングでした。
NEXT DELIVERYのメンバーや代表の田路さんと初めて顔を合わせたのは、実は小菅村で行われていたバーベキューでしたね。
「物流ドローン」のという領域についてはどう捉えていましたか?
物流ドローンはやってみたいと思っていました。
ドローン物流は周りでもやっているパイロットも少なく、他のパイロットと差別化を図るためにはとても良い経験になると思っていました。あとは2024年問題でも注目される分野でもあり、社会問題をドローンで解決できる可能性があることにとても興味ありましたね。
今は「物流ドローン」に、産業を担うという責任感をもって取り組んでいますね。
ドローンの仕事は、自分がミスをして、最悪、人が亡くなる可能性や、けがをする可能性があります。
人への危害はもちろんですが、事故が起きると、防止策を講じるよりも先に、ドローン配送が禁止となってしまい、ドローン産業自体が広がらなくなってしまう可能性もあるのです。
その点、自分の仕事によって1つの産業が終わってしまう可能性がある、という危機感を持って取り組んでいます。
物流ドローンに取り組む魅力はどこにありますか?
成熟していない業界のパイオニアである点も魅力の一つですね。
NEXT DELIVERYが実施したPoC配送の回数や実証実験の回数を考えるとドローン物流の一番前に自分たちが立っているのだということを実感します。
また、業界のトップの方達と一緒になることが多いのですが、皆さん自分たちの利益より産業の利益を優先しているプロであるということも日々日々感じているところです。
一見、同じ業界のライバルのようでライバルではなく、産業が広がれば、自分の仕事も増える、という姿勢で取り組んでいるパイロットが多いと感じますね。
ピラミッドの頂点に立っている人と仕事をしているという実感と、早く追いつかないと!という思いです。
様々なトラブルを経験して感じた「責任感」を持つということ
NEXT DELIVERYへの入社後は、どのような仕事を担われたのでしょうか?
初期は山梨県の小菅村でのドローン配送や、北海道の上士幌町でのPoCを担当しました。
PoCの大変さは、メディアや様々な関係者の前で行うため、失敗できないという緊張感です。機体の準備や周辺の安全管理・状況の整備が主な仕事ですが、第三者に決まったエリアから視察いただくことを伝えるなど、周囲にいる関係者への対応が必要不可欠です。もちろん変な事は言えないですし、周りからも見られている、聞かれているという緊張感や対応に正解は決まっていないため、どう対応すべきか自分たちで考えていました。初期のころはてんやわんやでしたね。
もちろんPoCでは初めての場所でドローンを飛ばすことになるので、ルートの開通やロケハンで高いものなど障害物がないかの確認を行う必要があります。
そして、運航の段階でもグランドパイロットは当事者意識・責任感が必要です。
リモートパイロットはカメラからの情報がすべてで、その情報量はあまり多くありません。
グランドパイロットはリモートパイロット以上に現場の情報をたくさん持っており、グランドパイロットである自分のひとことでリモートパイロットが考え、判断することになります。
その「ひとこと」に責任をもたないと、安全に円滑に運航ができません。
「大丈夫だと思います」「いけると思います」ではなく「大丈夫です!」「いけます」「だめです」と断定することを心がけていました。
ひとりではできない仕事なので一緒に働くメンバーと信頼関係を得るためにも、責任感は非常に重要です。
NEXT DELIVERYの仕事で印象的だった現場はありますか?
今年のPoCで八丈島の案件が大変でしたね。
PoCを運行責任者として従事し始めた時期で、さらに約4日間で10本ドローンを飛ばしてほしいというKPIもありました。風が本当に強く、そして継続的に吹いていました。さらに飛行機との兼ね合いもあり、飛ばせても1日4本という制限もある状況でした。
その時は、リモートパイロットとしてPoCの運航責任者という立場でもあったので、本当にどうしようか悩みました。現場に行かないとわからないことですが本当に風が強かったんです。
正直、怖い状況では飛ばしたくないという気持ちになりますが、「飛ばせない理由を考えない」という思いを大切にしています。
自分はドローンを飛ばすために依頼を受けているので「どうしたら飛ばせるのか」という視点で考えました。
八丈島は海からの一方方向からの風のみで、山肌に当たって複雑な方向への風が吹くことがなかったこと、そして親会社エアロネクストの開発拠点でのデータも参考に、この風を加味して考え飛ばせば、できるのではないかと考えました。最悪の場合の緊急着陸ポイントの準備や、中断ができる準備もしました。
経験や知識に裏付けされたリスクの許容範囲の判断と安全の担保を行った上で、KPIである10本飛ばすことができました。
安全確保をされた上で、目標回数を達成されたんですね。
リモートパイロットとして仕事をする中で「飛ばす」「飛ばさない」という判断はなんとなくではなく、常に第三者に明確に説明ができる状態で判断することを大切にしています。
第三者に説明できないということは、再現性のない判断になってしまいます。
難しい案件やトラブルは日常的にあるのでしょうか。
事前準備をしていても日の出からルート開拓のやり直しは日常茶飯事ですね。トラブルシューティングのスキルはかなり身につくと思います。
机上の空論では通用せず、現場に行ってからこそわかる部分もあり、たとえばLTE端末の断線や強風、ルートの作り直し、トラブル対応で本番当日までルート開拓ができないなど様々なことが起こります。エラーが起きた時の判断力・対応力もドローンパイロットに求められるスキルかもしれません。
雲南市のPoCでは、LTE端末の断線で、ドローンが操縦できず、止めることもできないということがありました。
最初から予測はしていたので、あらかじめウェイポイントに一時停止のファンクションをいれており、コントロールしなくても止まる対策をしていたため、事なきを得ました。
また、厚真町でのPoCでは、自治体やメディアなどの関係者が多く集まる中、制限値を超える風が吹いており、「これは飛ばせないな」ということがありました。 どうしても飛行を見せないといけない状況であったため、急遽、飛行条件を切り替え(個別から包括内容に切り替え)、限られた時間内で風の弱い空域の確認や補助員位置の再設定をし、ルート変更を行いました。 結果、運航は上手くいき、あきらめかけていた自治体やメディアの方は本当に喜んでくれました。 クルーそれぞれが迅速で的確な行動をしてくれたおかげで成功したフライトでした。
「自分の責任でジャッジし、飛ばした」「いけると確信して飛ばした」という経験は自分が大切にしている責任感とも通じる部分だと思います。
地元でのサービス展開も目指す、ドローンパイロットとしての今後のキャリア
今後、NEXT DELIVERYで取り組みたいことはありますか?
「地域に根ざした空のインフラ」というフィロソフィーにとても共感しているので、SkyHub®をもっと多くの拠点に広げたいと思っています。地元である愛知県にも展開したいですね。
このサービスは世の中の流れにも沿っていると思います。2024年問題しかり、買い物弱者問題。SkyHub®はただドローンで配送をするだけではなく、あくまで配送のツールの1つとしてドローンがあるだけです。既存の物流と組み合わせてラストワンマイル配送の効率化を図り、より多くの物を多くの人に届ける。地域に血管を張り巡らせて先端まで血液を滞りなく送って循環させるイメージですね。
もちろんドローンサービスが広まれば、自分の仕事も増えることもあります。
良いサービスだと実感したのは特に秩父市でのStarlinkを活用した孤立地域へのドローン定期配送の案件です。土砂崩落が発生し、物流が寸断された中での、地域住民への生活支援でした。
半孤立した地域かつ電波がないところへのドローン配送で、災害時の定期配送という取り組みは世界初でもありました。
ドローンはLTEやGPS等の電波を活用し配送しますが、電波がなかったため、Starlink衛星を活用し、電波を改善しドローン配送を行い、場所によってはGPSが少ない難しさもありながら、何度もトライして成功させた案件です。
関係者も全員一丸となれた仕事でした。
業務委託として取り組まれるうえでのこだわりはありますか?
業務委託としてはクライアントが望むものに対して応えないと、次は選ばれない、選ばれるためには何をするかという姿勢で仕事をしています。
自分の会社があるので、一つの仕事に収まらずに多様な案件を経験できること、そして、中立的な立場として第三者的な目線を持って業務に取り組めることが利点だと考えています。
業務委託メンバーであっても成長やステップアップができることがNEXT DELIVERYの魅力でもありますね。
NEXT DELIVERYはしっかり教育体制がありますし、ステップアップができる環境です。
ただ、3ヵ月・半年の長いスパンで見て、経験を積んでもらうことになるので、少し副業で稼ごう、という方には向かないかもしれないですね。長期的に成長していく覚悟が必要です。
現在は、指導者の教育や、各拠点を見て足りない部分のアドバイスも担当していますが、人はすぐには成長しないと思っています。教育にかかわるメンバーを辛抱強く見守ることが求められていますし、まずは責任を持たせ、やらせてみる姿勢も大切にしていますね。
ドローンパイロットになるためには資格よりも心構え
最後に、応募や入社を検討する方にメッセージをお願いします!
NEXT DELIVERYはプロのパイロットとして間違いなくレベルアップできる環境です。
もし、最近成長してないな、少し伸び悩んでるなと感じている方であれば、必ず良い刺激になると思います。
技量はやっていくうちに身につくので、資格の有無よりも大切なのは心構えです。
未経験者でもゼロからやれています。
もちろん法律の知識を身に着けていくことややる気があることが大前提ですね。
国産の最新の機体に触れることも魅力の一つかもしれません。おそらく多くのパイロットの方は国産の機体を操縦する機会はほとんど無いですし、ましてや物流専用機体のAirtrackは日本全国みてもはここでしか触れれないのでとても魅力だと感じます。
国産機体ならではの点検の細かさなどがあり、念入りに点検しなければいけませんが、その分、安全の意識は高まると思います。
また、全国へ出張にいけることも一つの魅力かもしれません。
全国の数多くの地域を訪問することで、その地域の特性を知ることができますし、その土地の美味しいものを食べることができます!
ありがとうございました。
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