【VISIONING VOICE Magazine #6】 「働く意欲を最大化し、人生を楽しむ人を増やす」 〜 ジースヌーズ 北 健人さん~
NEXs Tokyoが主催する、ローカルおよび国内外の広域展開に挑むスタートアップが”次のステージ”に向かって羽ばたくために、サポートをしてくれる人やファンと繋がる番組VISIONING VOICEをインタビュー記事としてまとめたマガジン「VISIONING VOICE Magazine」 📖
「VISIONING VOICE」は日経グループとコラボし、次のステージを目指すスタートアップ企業の3つの「カクシン(核心・革新・確信)」に迫り、起業家の想いを深堀りします。
今回はDIVEコース(地域発)のスタートアップ、株式会社ジースヌーズ 代表取締役 北 健人(きた たけひと)さんにインタビューさせていただきました!
<登壇者プロフィール>
北 健人(株式会社ジースヌーズ 代表取締役)
2009年、アイシン精機株式会社に新卒入社。
約9年間の人事部在籍期間を通じて、国内外の労務管理を中心に、海外新規法人の立ち上げや人事制度設計、労使交渉業務等に従事。自身も人事・総務の統括として海外赴任(ブラジル)を経験する。
その後、江崎グリコ株式会社等の人事部にて採用・教育研修業務を経て、「働く人たちの成⾧機会を最大化し、活力ある社会を再創造したい」という想いから株式会社ジースヌーズを創業。
ジースヌーズ公式サイト:https://gthnooze.com/
溢れる通知と情報から業務を救う
様々なクラウドツールの情報を統合し、ニューノーマルな働き方を支援する、スマートコラボレーションクラウド muuv(ムーブ)を展開する、株式会社ジースヌーズ代表取締役の北健人さん。
北さん:コロナ禍で場所や時間を問わない柔軟な働き方が広まる中、その課題も浮き彫りになってきています。例えば、タイムマネジメントが難しい、生産性・集中力が低下した、成果が見えづらいなどといった声が多く聞かれます。
その原因の一つが、いろいろなクラウドツールを使っていることだと考えられます。PCのデスクトップ上に開かれた無数のタブと、ひっきりなしに届く無数の通知。それぞれのツールで管理しているタスクは、ツールを切り替えなくては確認することができず、自分のタスクを把握できず、仕事の抜け漏れが発生する原因となっているのです。
このような課題を解決するのが、muuv(ムーブ)です。チャットツールやカレンダーなど各種ツールを連携して、発生しているタスクを複合化して見ることができます。
北さん:たとえば、チャットツールSlackとの連携では、1クリックで受け取ったメッセージをタスク化し、さらにそのタスクを人に送ることもできます。また、Googleカレンダー、プロジェクト管理ツール、ブラウザ、ドライブといった複数の場所で発生しているタスクを集約することができるのも特徴です。集約化したタスクはカレンダーに保存して、日々の業務に取り込んだり、一覧としてチームに共有することもできます。こうすることで散在しがちなプロジェクトごとの話題も見落としにくくなります。デイリーのタスクは個々のツールで管理できても、複合化して可視化するツールは今までなかったので、そこにフォーカスしてきました。
―― まさにツールが多すぎて苦労しているところなので、ぜひ使ってみたいですね。導入するとどんな効果が期待されますか。
北さん:情報を集約することで、時間コストを下げることにも繋がりますし、個人の業務ストレスの低下やチームの透明性の向上にも役立っています。2021年3月にベータ版をリリースし、現在、スタートアップから大手企業まで約50社に導入していただきました。Google系はすでに連携しているのですが、将来的にはさらに連携システムを拡大し、AIを用いてタスクの自動化を行い、ワークハブとなることを実現し、従業員の体験を最適・最大化することに取り組んでいきたいと考えています。
【核心】すべての人に働きがいを
―― 起業した背景について教えていただけますか?
北さん:組織支援や採用など、人事を約10年間やってきたのですが、2014年~2015年ごろに総務人事としてブラジルに赴任したことがありました。当時のブラジルは経済危機が政治危機にも繋がって、100万人規模のデモが起きているような状況でしたが、そんな社会情勢でも働くモチベーションや幸せ度は日本より高く、人々の働く意思に感銘を受けました。ところが帰国してみると、ブラジルよりも経済状況が良いにも関わらず、日本人は働くモチベーションが低く、顔が死んでいる人が多いように感じました。そこで、自分の企業だけではなくて、いろんな人に働きがいを持ってもらうようなことがしたいと思い、起業しました。
ブラジル赴任時からHRテックと呼ばれるツールに触れることが多く、日本よりもそれらを積極的に取り入れようとする気概を感じていました。帰国後、日本でもそうしたツールに触れる機会が増え、ツールを使って人々の働く気持ちを支援できないかと思ったのが起業のきっかけです。週末起業のイベントに参加しながら、事業イメージを具体化していきました。
―― 33歳のときに起業され、現在2年目になりますが、事業を行っていくうえで大切にしていることは何ですか?
北さん:起業した時と現在の事業内容は異なるのですが、誰のためにつくっているのかを見失わないようにして、事業の見直しを繰り返してきました。自社のサービスを誰に使ってもらって、誰の役に立っているのかを常に意識するようにしています。
【革新】世界最下位クラスのエンゲージメント
―― 北さんがアップデートしたい課題はなんですか?
北さん:働き方をアップデートしていきたいですね。働く人のエンゲージメントが大切と言われていますが、世界各国の企業を対象にした従業員のエンゲージメント調査で、日本は139か国中132位。つまり世界のあらゆる国より下と言ってもいいぐらいです。その要因は働き方にあるのではないでしょうか。また、コロナ禍で先行きが不透明な中、レジリエンスが必要ということもよく言われています。レジリエンスとは自分で回復する復元力ですが、これを身に着けられるような支援をしてきたいです。
―― レジリエンスはよく聞かれますが、ツールの話と併せて語られるのは新鮮です。
北さん:自分の状況を把握して管理することがレジリエンスの発揮には重要だと言われているのですが、ツールが散在していて、自分の仕事を管理することができないと問題に対処することができず、レジリエンスが効かないのです。
【確信】日本初の世界に広まるクラウドツール
―― 北さんはツールをつくっているのではなく、もっとその先を見て、働く環境そのものをつくっていらっしゃるんですね。そんな北さんのほしい未来を教えてください。
北さん:この国で働いてよかったと言える人を一人でも多くすることです。日本は海外に比べて働くことに対して意識が低い傾向があります。ツールに対しても海外はより積極的で、スタートアップの事業成長も加速しています。一方、日本はスタートアップもまだまだ少ない状況で、日本発で世界に使われているツールもほぼありません。そういった面でも、挑戦を続けていきたいと思います。
―― 北さんが理想とする働き方はどんな働き方ですか?
北さん:Amazon創業者のジェフ・ベゾスが提唱しているワークライフハーモニーに非常に共感しています。ワークライフバランスというと、どちらか一方をとるイメージがありますが、そうではなく、ワークとライフを分けずに、生活全体を向上させていく世界観を実現させていきたいです。
誰でも自由に使えるツール
―― 最後に、欲しい未来に向かってどんな人に出会いたいか、教えてください。
北さん:muuv(ムーブ)をよりよくしていくために、ヒアリングをさせてくださる方にお会いしたいです。muuv(ムーブ)ベータ版は登録すれば誰でも自由に使うことができるので、ぜひ登録してみてください。また、まもなくバージョンアップしたmuuv2.0をリリースするので、このインタビューを聞いて興味を持ってくださった企業にもぜひ使ってみてもらいたいです。
―― 北さん、ありがとうございました!
番組ではその他にも、社名の由来のお話や、起業のより詳しいエピソードを聞くことが出来ます。youtubeアーカイブより視聴可能ですので、併せてぜひご覧ください!
次回はJUMP(東京発)コースのスタートアップ、株式会社LX DESIGN 代表取締役社長 金谷 智(かなたに さとし)さんにご出演いただいた#31の記事です!
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