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人妻公園

「わたし人妻ですよ~?」
悪戯っぽく笑う彼女と、気づけば近くの公園で、一緒に空を見上げていた。

「たまにはこういうのもいいね。」
遠くを見ながらの問いかけに
「そうですね。」
と答えるのが、彼女ばかり見ていた僕には精一杯だった。

「さて。晩御飯なに作ろうかな。」
そう言い立ち上がった彼女。
「ああ、そうか、人妻だったか。」
「え、忘れてたの?ふふふ、人妻ですよ。」

「いこっか。」
差し伸べられた彼女の手を僕は自然と掴んでしまった。献立を考える彼女。
「じゃあ、あたしこっちだからこの辺で。」
「あっ、うん。」
「今日はありがとね、楽しかった。」
「はい、こちらこそ。」
ー また、付き合ってもらえますか…?
「次はどこ行こうか?」
「えっ?」
思いを言えずにいると、彼女の方が先に僕に尋ねた。
「ふふふ、ちゃんと考えといてね?ばいばい!」
そう言い残し歩いていく彼女の背中を、返事もせずに、ただただ僕は見ていた。


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