毎日が、母の日
母の日の週末の金曜日に、私のboyfriendの近所のドーナツ屋さんで、ちょっとした、集まりがあった。
参加者:
boyfriend = bf
boyfriend の小学校時代の友人A
boyfriend の小学校時代の友人M
友人Aのお母さん:Mrs. DD
私: 唯一の外人
もうすぐ95歳
友人M、友人Aとそのお母さんが、一足早い、母の日のドライブの帰りに、bfの近所に立ち寄るから、久し振りに会おう、という事になった。
私のbfは、New York の Brooklyn (ブルックリン) の出身で、現在は、生まれ育った場所ではないが、Brooklynに住み、Mrs. DDも、やはりBrooklyn の、シニアハウスで、楽しく暮らしている。
Mrs. DDは、来月で95歳を迎える。その健康ぶりと、はつらつとした様子には、ただただ、驚かされた。というか、刺激を受けた。
紫色のフレームのメガネが、綺麗な銀髪に、とてもよく映えていた。そしてその銀髪が、風に揺れて、木漏れ日に、時々キラキラ光っていた。
コーヒーを美味しそうに飲んでは、「私は、本当に恵まれているわ。何一つ不自由な事なんてないのよ。」そう言って、笑う。
毎日が子供の日
友人Aは、とても社交的で、おしゃべり上手だった。二人いる、男の子達の、弟の話をした。
「下の坊主が、母の日も父の日もあるのに、何で子供の日がないんだって、文句言うから、君の場合は、毎日が子供の日みたいだろう。そう言ったんだ。」
私は、笑いながら、「実はね、日本には、ちゃんと子供の日があって、しかも3月3日が、女の子が主役になる日、5月5日が、男の子のお祝いの日。って、別れているのよ。」と、説明した。
「それは、良いアイディアだね。でもうちの坊主には、黙っておくよ。なんでアメリカには、無いんだ?って又、文句言うだろうから。」
友人M
友人Mは、歯科医師で、近々ニューヨーク州の北、市内から車で3時間ほどかかる、Albany (オルバニー)というところに、引っ越すらしい。
実は、私のbf同様、友人Mもかなり若い頃に、お母さんを亡くされている。そして、更にこれも偶然の一致で、ふたりとも、cancer survivor (癌克服者) である。
二人が会ったのは、12年ぶりくらいで、久々の再会。更には、こんな不運な共通点もあるせいか、ずっと喋り続けていた。
母を想う時
友人Aが、お母さんをそろそろ、シニアハウスに連れて帰る。というコールで、「ほのぼの集会」はお開きとなった。
彼らと別れて、bfと、お家に帰る途中、私達は、Mrs. DDの元気ぶりを再度讃えあっていた。
偶然にも、Mrs. DDの年齢は、彼のお父さんと一緒。そして昨年亡くなった私の母が、今年誕生日を迎えれば、95歳だった。
「母が亡くなって、2回目の母の日だな・・・。」私は、ボソッと言った。
「こっちはもう、37年間、母なしの、母の日だよ・・・。」彼が、ボソッと返事した。
”Well, whenever we think about our moms, that would be our mother's day..."
「お母さんの事を想う時は、いつだって母の日さ・・・。」
白髪混じりの無精髭の生えた、彼の横顔に、5月の夕日があたっていた。
私は何故かふと、会った事のない、37年前の彼の悲しい横顔を、想像していた。
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