問題を作ったときと同じ意識では問題は解決できない

「俺、セミナー講師になりたい!!」

2017年にシンガポールで開催されたNational Achievers Congressという世界トップスピーカーたちのセミナー祭りに参加したとき、彼らのパフォーマンスに衝撃を受け、僕はセミナー講師になろうと決めた。その時の僕は、父親の経営するハウスクリーニングと内装を主とする建物管理の会社に勤めていた。もちろんセミナーはしたことがない。参加したのも数えるほど。何が話せるかもわからない。わからないことだらけ。だけど、やりたい。だから、セミナー講師として生きることを決意したんだ。それが2007年、今から13年前のことだ。

セミナー講師になろうとしたのはいいが、僕はセミナーについて何も知らなかった。何を話すとか、どうやって人を集めるのかはもちろん、セミナー会場がどこにあって、どうやって会場を取るのかすらわからなかったんだ。当時、セミナー講師として活動するためには、心理学やコーチングは役立つと思い、コーチングスクールに通っていた。そこではすでにセミナーをしている先輩達がいたため、彼らにアドバイスをもらいながら何とか人生初のセミナー開催にこぎつけた。渋谷にあるカフェの会議室を借り、2時間で3000円。コーチングスクールの友人を中心に13名が参加してくれた。上々なセミナー講師デビュー。しかし、セミナー講師として生きていくことの難しさをこの時はまだ知らなかったんだ。

今から13年前、セミナーというのは今ほど一般化していなかった。だから、プレゼンテーションを教えてくれる人はいても、セミナー講師で起業する方法を教えてくれる人はいなかった。本もなかった。セミナー自体がそれほど多くなかったんだ。だから、セミナーを開催すれば人が自然と集まって、セミナー講師として生きていけるんだと思ってたんだ。当然ながら、それは大きな勘違い。セミナー講師としてデビューすることはできても、セミナーをし続けられるわけではない。僕はセミナーに人が集められなくなって、その難しさにようやく気が付くことができたんだ。

僕は、セミナーのことを何も知らないまま、セミナー業界に入った。いちからセミナーについて学んだ。いろんな人のセミナーを手伝いながら、『セミナー』というものを学んでいったんだ。最初は、受付のことしか知らなかった。だけど、音響に携わるようになって、セミナーにおける音響の役割とかを学んでいった。照明もやった、カメラもやった。ドアグリーダー、中誘導、外誘導、MC、物販などなど様々な役割を担うにつれ、セミナーの全体像が見えるようになった。セミナーに関する視座が上がり、全体を俯瞰で見えるようなったんだ。

僕がセミナー講師として居続けるためには、同じようにビジネスに関する視座をあげる必要があった。セミナーに人が集めることができない、つまり、集客ができない僕は、集客のことを考えればいいんだと思ってた。だから、ツイッター集客とかアメブロ集客とかフェイスブック集客とか、集客についてのセミナーを受講した。だけど、僕に必要だったのは、セミナービジネスの全体像が見れる視座を手に入れることだったんだよね。実は、セミナーは集客ができても利益が上がるわけではない。フロントセミナーに集客して、バックエンドを買ってもらう。つまり、営業ができてはじめて、セミナービジネスは継続することができるんだ。この全体像が見えたうえで集客の課題に取り組むのか? それとも集客しか見えないで集客の課題に取り組むのか? この結果は、大きく変わってくるんだよね。

誰の言葉なのかは忘れたけれど、『問題を創り出したときと同じ意識では、問題を解決することはできない』という言葉がある。まさにその通りだなって感じてる。セミナーにしてもセミナービジネスにしても、視座を高めてから問題に向き合うと、結構簡単に問題は解決できるんだ。そしてこの学びは、新世界を創るうえでも大切なことだと感じてるんだよね。

国連の掲げるSDGsにあるように、今、世界には様々な課題がある。これらの課題を本気で解決しようと思うのであれば、視座を高めていくことは欠かせないなって思うんだ。これらの問題を創り出した視座で解決しようとしても解決には至らないからね。今ある課題が創り出された視座よりも高い視座で取り組むことで、世界の課題解決の道が開けていくんじゃないのかな?

でも、その視座ってどれくらいの高さなんだ? ってことが疑問に浮かんでくる。そこで僕が一番最初に思い浮かんだのは、スパイラルダイナミクス。

スパイラルダイナミクスは、人間の意識が8レベルで記されているのだけど、そのレベルの問題を解決したいのであれば次のレベルの意識が必要になってくるんだよね。で、このスパイラルダイナミクスのレベルがいくつであれば、今の世界の問題を解決できて新世界が創られるかっていうと、レベル7、8だと思うのよね。特にレベル8。レベル8って簡単に言うと『全てはひとつ』というワンネスの意識。全体で在りながら個としても在る。そんな意識レベルになることで世界の問題は解決できるなって思うんだ。

『全てはひとつである』っていうのはさ、僕は『神の視点』だと思うのよね。一方の『人間の視点』は『全てがバラバラである』という意識。わたしとあなたは別々である、という分離感があるのが『人間の視点』で、多くの問題は『人間の視点』に代表される分離感によって生み出されている。とするのであれば、『全てはひとつである』という『神の視点』で世界をみたら世界の問題を解決できる。人間の視点によって創り出された問題は、神の視点をもたないと根本的に解決ができない。分離感によって生まれた問題は、調和の意識によってのみ解決できる。本当に新世界を創りたいのであれば、『神の視点』で世界を見れるようになる必要がある。僕は、そう感じてるんだ。

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