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[レポート]障害のある人の表現と伝統工芸をめぐるリサーチシリーズ|木工⑥
2022年1月8日。この日は、Good Job! センター香芝のメンバーと酒井さんは、一緒に奈良県吉野へ出かけました。木と石という2つの材料調達が目的です。
▽ 前回 2021年11月の4日間のリサーチの記録はこちら
11月からご協力いただいている徳田銘木にて、メンバーたちが実際に材料を見て選びます。建築用の余材を活用し、スツール(椅子)に仕上げることを検討してきました。
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使いやすさを高めるため、その場で切れ込みを入れていただきました。
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画:花谷龍介
また、黒滝村の河原で、石を拾いました。これは、堅いものを打ちつけて跡をつける「打刻」を木の表面にほどこす道具を選定するためです。
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でっぱりの形がおもしろいものや、想像力を掻き立てられるものを、20個ほど拾ってきました。
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11月より、叩く、磨くなどの方法で木材表面に模様をつけることを酒井さんとともに試してきました。障害の度合いや特性にあわせた作業の選択肢を、少しでも増やしたいという考えから出てきた方法でした。金槌でつけた、雪平鍋のような丸い形もすてきだったのですが、石の凹凸が反転され現れた模様が酒井さんやスタッフに強い印象を与えました。
酒井さんが石を収集していることや、盆栽飾りの「遠山石(とおやまいし)」が、石を使った打刻のヒントになりました。
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せっかくならば、木材の近くに転がっている石で跡をつけたい。そうであれば、石器のようにして使ってみたい。無邪気な思いつきを3Dプリンタを駆使しして実現てみます。
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さっそく、デザイン会社torinokoにご協力いただき、石を石器にするホルダをつくりました。
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順調に木の表面に石の模様が写し取られてゆきます。しかしこのままでは、ガサガサやひっかかりが多くスツールとしてはやさしくない、、、。そこで活躍したのが、浮造り(うづくり)でした。刈萱のブラシでこすることで、木の毛羽立ちがしっかりと取れ、繊維が寝て美しい艶がでてきました。
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GJ! メンバーも楽しんで作業している様子です。ブラシは摩耗してすぐに短くなり手入れが必要ですが、その作業が道具と呼応していることで実感があるのかもしれません。
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スツールのほか、MoonRounds・渡邉崇さんに制作の協力をいただいたプレートも制作。障害のあるメンバーが帯のこやベルトサンダーなどの工作機を使って、自分たちでプレートのアウトラインを生み出し、1点づつ異なる表情を持っています。
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完成した作品は、こちらのECサイトで販売を行っています。
https://gjkogei.shop/
実施日 2022 年2月7(月)-9(水)
*この取り組みは日本財団の助成(「障害のある人の表現と伝統工芸の発展と仕事づくり」)で実施しています。