newton radio #1 作曲家?お笑い芸人?樋口聖典さんの引力とは? 編集後記
皆さん、こんにちは!少し前にプレスリリースを出させてもらったのですが、スティーブアスタリスクとサインコサインで連携し、音を活用した社内外ブランディング支援サービスの提供を開始しています。
そして、あわせてスタートした音声番組が『newton radio』
「何かに惹かれて生きてきたボクらが、どうしようもなくキミに惹かれる理由。」をテーマに掲げ、様々な領域で活躍するクリエイターや企業のブランド担当者をはじめとする、ボクらがどうしようもなく惹かれるゲストを招き、そのゲストになぜ惹かれるのか?という「引力」の解明を目指す音声番組です。
そして記念すべき第1回目のパーソナリティを担当したのは加来です。僕がゲストに呼んだのは、いつもお世話になっている地元の先輩であり、そして押しも押されぬ日本一のポッドキャスターこと、樋口聖典さんです!学生時代から現在に至るまで、バンドマンとして、サウンドクリエイターとして、お笑い芸人として、そしてポッドキャスターとして、いつも「音」にまつわるフィールドで皆を魅了し続ける樋口さんに惹かれる理由は何なのか?その「引力」を紐解きながら、音のコンテンツの魅力についても迫ってみました。
※この記事では要点だけをまとめていますので、生の「声」を収録した音声版を聴きながら読むのがおすすめです。
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ゲスト
樋口 聖典
株式会社BOOK 代表取締役/株式会社オフィス樋口 元代表取締役会長
1981年8月20日福岡県田川郡川崎町生まれ。元よしもとクリエイティブ・エイジェンシー所属 お笑いコンビ「ギチ」。ロックバンド「どぶろっかーず」ギター。上位2%のIQをもつ知能集団「JAPAN MENSA」会員。2017年福岡県田川市で廃校を利活用した複合施設「いいかねPalette」をスタート。「音楽を中心とするコンテンツ産業の創出・集積」を目指す。
newton radioメンバー
(左)太田伸志(中)加来幸樹(右)no.9 城 隆之
加来 幸樹
株式会社サインコサイン 代表取締役社長
株式会社サインコサイン 代表取締役社長。1983年福岡県生まれ。九州大学芸術工学部卒業。2018年にサインコサインを設立。「自分の言葉で語るとき、人はいい声で話す。」という理念のもと、企業理念や個人理念、ブランドのネーミング・タグラインなど覚悟の象徴となるアイデンティティの共創を通じて価値提供を行う。
太田 伸志
株式会社スティーブアスタリスク 代表取締役社長
株式会社スティーブアスタリスク 代表取締役社長。1977年宮城県生まれ。クリエイティブディレクターとして、広告企画や商品開発を多数手がけると同時に、地域ブランディングにも積極的に取り組む。また、武蔵野美術大学や東北学院大学の講師も歴任するなど、大学や研究機関との連携にも力を入れている。作家で唎酒師でもある。
no.9(城 隆之)
Steve* Music エグゼクティブプロデューサー/アーティスト
Steve* Music エグゼクティブプロデューサー/アーティスト。実績と経験に基づく緻密なサウンドデザインと幅広い音楽性を併せ持つ作曲家。アーティスト活動と平行して、TVCMやWeb広告、映像作品など数々の音楽を制作。最近では他アーティストのプロデュースや執筆、音楽ガジェットの開発など、その活動は多岐にわたる。
定期的に自分の人生にバグを起こしたくなる
Q. 樋口さんが色々な肩書きを持ち、様々なことに次々と挑戦しているのはなぜですか?
(樋口さん)たしかに、僕は福岡県の出身で「加来くんの先輩」という肩書き以外にも、日本一のポッドキャスターや、株式会社BOOKの代表、福岡県田川市で廃校を利活用した複合施設「いいかねPalette」の運営者、ギタリスト兼ボーカルのバンドマン、などまだまだ一言で言えないほどの肩書きを持っています。
なんでこんなに色々なことに挑戦するかと言うと、ゼロを1にするのが一番楽しいからですね。幸福度って、基準に対する相対値だと思うんです。例えば、目標年収1000万の人が年収800では物足りないけど、目標年収500万の人が年収800万になったらすごく嬉しい。目標とするレベルを落とせば落とすほど、幸福を感じるためにはコスパがいいんです。
だからこそ、何事もある程度やったら定期的に自分の人生にバグを起こして、またゼロからやりたくなるんです。
苦悩や悲しみを見せないとストーリーとして面白くない
Q. 普通だったら隠したくなりそうな苦悩や挫折も正直にさらけ出していますよね?
(樋口さん)僕は自分の人生を映画やゲームだと思っています。苦悩も成功も喜びも悲しみもないストーリーは面白くないですよね。あとそこには、嘘もあってはいけないというか、嘘をつくメリットがないですよね。だから素を曝け出すようにしています。可能なら会社の決算書も自分の口座残高もぜんぶ見せたいくらい。
面白いストーリーを見せるうえで、「10年間ひとつのことをやって何事もなく成功しました」だと、「そして10年後…」のワンシーンで終わってしまう。だから、意識的に今までやったことないことや苦手なことを選んでしまっているかもしれないですね。だから、常に自分自身のことをメタ認知することを意識しながら、自分のことを正直に伝えるようにしています。
死にかけた人生をコンティニューしてしまった
Q. そういう感覚を持つきっかけはありましたか?
(樋口さん)2011年に死にかけたときからですね。ストレスが溜まりすぎて幻覚をみたんです。親に「今までありがとう」って電話してベッドに倒れたら「GAME OVER」って白い文字が浮かんできて、「CONTINUE? YES / NO」ってカーソルがカチカチしているのが見えたんです。で、どうしようかなと悩んで「YES」を押しちゃったんですね。そこから、このゲームを続けることを選んだわけですが、そこからは、ある種まじめに考える必要がないなって。
マリオが崖から落ちるのいやで全然落ちなかったら、やってる方は面白くないじゃないですか。マリオのように僕の体を操作する「メタ樋口」がいるんです。コントローラーを握られていて、ボクには決定権がないんですよね。いやでも面白い方向に行かされるんです。
常にメタ認知しています。頭の上にカメラ、心の中に監視カメラが置かれているような感覚ですね。本当は楽に生きたいのでちょっと辛いですが(笑)
声は一番感情が出る表現
Q. 日本一のポッドキャスタ一として、音のコンテンツの魅力とは?
(樋口さん)声は一番感情が正直に出てしまう表現だと思います。文章は推敲できるし、見た目はつくれてしまう。絵文字も記号もつけられず、修正もできない声で表現するのは一番難しい。おなじ「ありがとうございました」でも言い方で全然違う印象にとられてしまいますよね。一番嘘をつくのが難しいから、メールやLINEより受け取る側からしても信頼になりますよね。
あと、声は即急性が高い。しゃべりながら自分との対話をして、高速でインプットとアウトプットのPDCAを自分の中で回してる感覚です。自分のなかにすでにある答えを引き出しながら、「俺、こんなこと考えてたんだ」と自分の思考も整理できたりアップデートできたりする。
音は自分が正直でいられるコンテンツですね。
苦手なことは苦手と言ったほうがいい時代
Q. なぜ正直でいることが大切なのでしょうか?
(樋口さん)ITの時代になる以前は、1個のプロジェクトに対して関係する人が少なかったと思います。コミュニケーションの回数も相手も多くなかった。人数が少ないと、みんな優秀じゃないと難しいし、自分を強く見せておいたほうがよかった。でも、副業とか色んな働き方があってSNSやクラウドファンディングで人を集められる今は違う。助けてくれる人がとても多くて、自分が苦手なことは他の人が補填してくれる。だから、できないことはできないって言ったほうがお互いのためにいいと思います。
プロジェクトも人ベースで参加するようになりましたよね。これがしたい、というより、この人とやりたい。なぜなら、プロジェクトがどんどんピボットしていく時代になったから。長くひとつの事業を追いかけるわけじゃない。そうなったら「このチームでやりたい」「なんか面白そうな人とやりたい」という感じで、人に対する信頼や信用の優先順位が上がってきていると感じます。
どこでなにがつながるかわからない
Q. TOKAKUKAやコテンラジオなど魅力的なコンテンツを生み出し続ける秘訣は?
https://www.youtube.com/watch?v=Oh9oXxG08D8
https://apple.co/2OpsELV
(樋口さん)あとあと何がどこでつながるかわからないですよね。ポッドキャストの「コテンラジオ」も、お笑いのラジオやっていた経験とか、音楽をやっていたのでDTMのソフトを使えたとか、Web制作会社でバイトをしていたので映像がつくれたとか、「いいかねPalette」をやっていたので収録ができたという、4つくらいの要素がつながってできたんです。やろうと思って準備してたら間に合わなかった。素材を用意しておくとあとからつながっていく。
そういう意味ではお笑いから学んだことも生きていると思います。お笑い芸人たちはすべてをネタにできるんです。デブとかブスとかいったネガティブなことも魅力に変えるし、「カッコ良すぎて面白い」とか「ふつうすぎて面白い」とか、「しゃべる」という出口があれば、すべてがコンテンツで人生捨てるとこがないんです。自分も、素材をいっぱい活かしたいという感覚で生きています。
おわりに|柔らかな人間力から学んだこと
あらためまして、今回のパーソナリティの加来です。
気づいたらあっという間に50分以上も経過していた第1回目の「newton radio」。ゲストの樋口さんも「思考を整理できたり、正直でいられる」と音のコンテンツの魅力について語ってくれました。今回も、「しゃべっていたら、こんなこと考えていたんだ、と発見があった」とのことでしたが、僕自身もまさにそのような感覚になりました。
自分の人生のストーリー性を重視して常にハードな選択をしながら、自分にも周囲にも素直に正直に生きているからこそ、きっと誰にとっても面白くて勇気を与えてくれる存在になっていく…そんな樋口さんならではの「引力」の秘密を垣間見ることができたような気がしています。
早速メンバーそれぞれがゲストの魅力に惹かれまくる第1回「newton radio」でしたが、第2回も「どうしようもなく惹かれる」ゲストを予定していますので、どうぞお楽しみに!
※この記事では要点だけをまとめていますので、生の「声」を収録した音声版で聴いてみたい方はこちらから!
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