未来のために過去を知る
これまで、仕事、結婚、子育て、介護をやってきた。
そして大切な人の「死」も経験した。
どんなに有名で偉い人の話より、経験に勝るものはないと、思って生きてきた。
実際に経験したからこそ、わかることもたくさんあった。
しかし、人生で全てを「経験」している時間はないし、しなくてもいい「苦労」や「失敗」等の経験はこれ以上したくない。
若い頃から、親や年長者の言うことも聞かず、自分のやりたいようにやってきた。
だから失敗もたくさんしたし、後悔もいっぱいある。
今、若くもなく、高齢でもない中途半端な年齢になり、ようやく、先に行く人々の知恵や経験を借りて進んでいたら、もっと楽に生きられたのではないかなぁと、思う様になってきた。
日本が高齢化社会になった今、その先輩方から学ぶ、いや、残しておくべき大事なことがたくさんあると思う。
例えば、
らっきょうを漬けられる?どうやって作るか知っている?
古くからいいものがたくさんある日本で、未来を背負う若者が知っていることがどれだけあるだろうか。
この中途半端な年齢の私でさえ、知らないことだらけなのだから。
今生きている方々の『知恵』と『経験』を学んで、100年後の日本でも使えるようにしておきたい。
苦しい時代を生きてきた高齢者の人々は、根性が違う、身体も違う、だから元気だ。
そこに、100年後へ残していくヒントがたくさんあると思う。
高齢化社会なのだから、たくさんの高齢者からもっと学べばいいのだ。
私の母も含め、みんな元気だ。
まだまだエネルギーがいっぱい残っている。
最近、わからないことがあれば、母に電話して聞く様にしている。
経験を基に、即答してくれる。
しかし、母の手にスマホはないのに、だ。
Googleも知らない、Siriもいない、もちろんスマホもない。
けれど、なんでも知っている。
私が高齢者になったら、間違いなく、即答できないだろう。
まして、聞く側も、高齢者に尋ねる必要もないと思うだろう。
経験や知識はスマホの中にあるのだから。
そうなのかなぁ、それでいいのかなぁと思う。
それだと人間はいらないよね。必要ないよね。
これからはますます、血の通ったコミニュケーションが必要だと考える。
オンラインで会話するにせよ、そこに人間の血が流れていたい。
未来のために過去を知り、先輩から学ぶことは
現代の人のためにも、100年先の未来のためにも、きっとなるはずだ。
新堂きりこ
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