3Dプリンタのボーデンチューブを今すぐ交換しよう!
今すぐボーデンチューブを交換しましょう。
こんな風にフィラメントが前後にカタカタ動いたりしませんか?
リトラクション量も増えるし、樹脂がなかなか出てこないとか、印刷が汚いとか、この辺が原因かもしれません。
左が中華の格安プリンターに純正のゆるゆるのボーデンチューブ、
右が新品のMonotaroのPTFEチューブ400円
ボーデン式とダイレクト式
3Dプリンターではボーデン式エクストルーダーとか呼ばれるタイプのエクストルーダーがよく使われます。
図の左側の方がボーデンタイプ、右側がダイレクトタイプ。
ANYCUBICやCrealityの機種も大半もボーデンタイプですね。
オリジナルのPrusaはダイレクト、今は亡きSolidoodleもPrintrbotもダイレクトエクストルーダーです。
低価格の機種はボーデンタイプが多いです。
参考にはALL3DPさんの記事を読んでほしい。英語だけど。
ボーデンタイプの利点とは
成り立ちとしては、昔は車や自転車のクラッチやブレーキなどの操作系を剛体のリンクで作っていたのですが、柔らかいケーブルによるシステムに置き換えるられると小さく出来て自由度が高くていいですよね。そういうわけで作られた、チューブとケーブルを組み合わせたものだそうです。
ボーデンさんが特許を持っていたんだそうです。https://en.wikipedia.org/wiki/Bowden_cable
3Dプリンターでは遠隔でフィラメントを送ってやろうというシステムで、移動するプリントヘッドが軽く作れるので、高速での印刷やプリンタへの負荷と振動を減らしたり、非力なモーター使えるよね? という素晴らしいシステムです。
ボーデンタイプは欠点もある
ただし問題もあります
・チューブとフィラメントの間には隙間があるので、モーターを回してから樹脂が出るまでのレスポンスと安定性が悪い
・チューブが伸びたりフィラメントで削れてしまうと、さらにレスポンスが悪化する
・そもそも安いプリンターに付属のボーデンチューブは内径が大きいことがある
計算してみよう
標準的なボーデンチューブの内径が2.0mmでフィラメント直径が1.75mmなので、片側で0.125mmの隙間があります。
直線なら大したガタではないのですが、曲がると馬鹿にならないガタつきになります。
造形エリアが200mm角程度のプリンターを想定してみましょう。
チューブは大体400mm程度で、
チューブががたつく曲線部はおおむね半径150mmの曲げRで半円を描くとすると、
中立位置から押す場合
(150mm+2mm/2)*π-(150mm+1.75mm/2)*π=0.392699082
中立位置から引く場合
(150mm-2mm/2)*π-(150mm-1.75mm/2)*π=0.392699082
両側を合わせるとガタつきだけで0.8mmほどになります。
これにチューブ自体の伸縮が加わります....
さらに内径が広めのチューブだったり、
長期間の使用によって広がってきたりしていると、
0.8mmは2mmや3mmという値に簡単になります。
特に安いチューブは肉厚を薄くしがち.....
コワッ.......
チューブの交換方法
という訳でチューブを交換しましょう。
ご購入がまだなら購入から、ほとんどの機種で内径2mm外径4mmのチューブのはずです。
基本1mか2mで売っていると思います。
もとからついているチューブの長さと合わせてカットしますが、チューブの断面をつぶさないようにカットしましょう。
ハサミではなくカッターナイフでまっすぐ直角に切るようにしてください。
専用の工具もあったりはします。
Prusaの1.75±0.02mmのフィラメントを差し込んでみるとこんな感じ。
オーイェー.....マッチスムースリィー.......
元の使い古しチューブとの比較.......
ガバガバやん!
2.2mmぐらいありそうです。
端を固定して軽くフィラメントを引っ張ったり押したりするだけで2mm以上前後にガタつきますね。
交換手順
引っこ抜いて、新しいチューブをしっかり奥まで差し込んで交換完了です!が、抜くには手順があります。
①ノズルを予熱する。※先端に樹脂が残ってくっついていると抜きづらいです。
②チューブの出入り口のカプラの羽(タブ)をぎゅっと押して、押したままチューブを抜く。※チューブを抜きたいからと言って先にチューブを引っ張らない事、抜けません。羽を押すとチューブに食い込んだ返しが外れます。
③しっかり奥まで差し込む。
差し込みが甘いと印刷中にジャムります。
ちなみにエクストルーダーのモーターをこんな感じで固定するとちょっとチューブが短くて済んで精度が向上するかもしれません。
良いチューブに交換したら、スライス設定のリトラクションを減らしてもいいかもしれませんね。
チューブの先端は熱で劣化していきますし、伸びだり削れたりもします。定期交換部品ですので、何キロか印刷したらチェックして、交換しましょう!
自宅で使っているおススメのチューブ
ここからはちょっと秘密....
ここから先は
¥ 300
記事をサポートしていただくと、一層のやる気と遊び心を発揮して新しい記事をすぐに書いたり、3Dプリントを購入してレビューしたりしちゃうかもしれません。