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「今年は雨が多いから」祭り当日に完成しない山車

2022年7月13日

 カンボジア&ラオスとの国境に広がる東北部ウボン・ラーチャーターニー県。11日に始まったロウソク祭りの、蜜蝋で造った山車をひいて市内を練り歩くという祭り最大の見どころであるパレードが今日明日、執り行なわれる。

 仏教僧侶は雨安居の外出を控える。降り続く雨が大地を覆い、多くの生きものを見つけにくくする。僧侶たちは水に隠れる生きもの誤って踏み潰さないよう、雨安居入りから寺院にこもり、雨安居明けまで厳しい修行を続ける。そのような僧侶たちが灯りを絶やさないよう、在家者が雨安居入りにロウソクを捧げるという習慣が今でも残る。

 そしてウボンから王都バンコクには昔、蜜蝋が捧げられていた。その風習がロウソク祭りとして現在に残っている。山車は寺院単位で造られる。

 パレードの開会式は朝8時過ぎに催され、予定では山車が昼には街中に姿を表すことになっている。ところが、市内の寺院を見て回ると、どこもギリギリまで準備をしている。とある寺院では、「今年は雨続きだから」と言い訳しながら未だ蝋を溶かしている人までいて、他人事ながら「大丈夫なのか」と心配してしまう。

 14日は在タイ日本国大使館で安倍晋三元首相の弔問記帳が行われる。これに間に合うように帰京するには、パレード開始を待たずにウボンを発つしかない。


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