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戦闘の合間の子どもたち
ボスニア勢とセルビア勢の間で停戦が結ばれたようで、戦闘が突然止んだ。戦闘激化で見合わせとなっていたサラエヴォ空港とザグレブ空港を結ぶ国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の輸送機も、運航の再開が期待される。ほとんど取材していないのに、最優先はサラエヴォからの脱出。運航が再開したら真っ先に国連事務所に行かなければならない。
戦闘が止んだ翌朝、市内のアパートでは子どもたちの姿がちらほら見られた。被弾の跡が痛々しい窓から顔を出す少年。室内に暖房などなく、上着を着たままで過ごしているようだった。
アパートの出入り口からは、少女が出てきていた。どこに出かけるのだろうか。開いている店などあるわけがない。アパート前にはボロボロになった車が縦列駐車されている。言葉が通じず、理解度の低いやり取りを意味なく続ける。少女は常にニコニコしていた。