毎朝のルーティンに-4

川崎市 ふるさと納税問題

おはようございます。

ニュース解説者アリストテレスです。

今日は今ニュースとなっている、『ふるさと納税流入問題』について分かりやすくかつ、詳しく解説していきたいと思います。

本日11月13日にニュースになっているものがこちら

「川崎市、ふるさと納税で56億円が”流出”」

です。

では、そもそもふるさと納税制度というのはなんぞやという話ですね。
ふるさと納税は最近になってCMやニュースなどで有名になってきましたが、その内容については漠然としかわからないという話を耳にします。

ふるさと納税とは

ふるさと納税とは、故郷や応援したい自治体に寄附ができる制度のことを指します。

ふるさと納税では、寄附をした金額に応じて、地域の名産品などのお礼品がもらえるだけではなく、所得税や住民税の還付・控除が受けられると言った特典があります。

さらに、その寄附金の使い道を指定することもできるので、ふるさとの活性化につながる制度と言っても良いでしょう。

しかし、ふるさと納税にも少し注意してほしい点もあります。
その1つとして、総務省により、対象外とされている自治体への寄附はふるさと納税での還付・控除が出来ないというものです。

対象外地域)東京都庁、静岡県小山町、大阪府泉佐野市、和歌山県高野町、佐賀県みやき町

ここまでの紹介で疑問に思う事が『還付・控除』ってなんだ?ということではないですか?
1つ1つ説明していきますね。

まず「還付」というものは
年末調整や確定申告において、払いすぎた税金があった場合、または減免が生じた場合に納税者に対して、その分返還される金銭のことを言います。

「控除」とは
「ある金額から一定の金額を差し引くこと」というのが言葉の意味ですが、ここでは、寄附した金額に応じて、課せられる税額から一定額を差し引くことを言います。「控除」も「還付」と同様、確定申告を行なった上で判断します。

ここでポイントなのが、ふるさと納税制度では、「控除」を受けるには2つの方法が存在するということです。

1つが「確定申告をする方法」
これは普通に確定申告をして、自分がどのくらい税金を納めているかを明らかにして、「控除」を受けられるかどうかを判断する方法です。

もう1つが「ふるさと納税ワンストップ特例制度」の申請です。
この違いは寄附できる自治体が制限されてしまうというものがあります。
確定申告で控除を受ける場合は、寄附できる自治体の制限はありませんが、「特例制度」では、5つの自治体のみとなっています。

そして、何と言っても、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」は確定申告をする必要がなく、手間がかからないというものが特徴です。
しかし、確定申告をしない場合は、住民税の控除は受けれても、所得税の控除は受けれません。

以上がふるさと納税の概要でした。

それでは、今回問題となっている、”56億円流出問題”について説明していきます。

川崎市、ふるさと納税で56億円が”流出”

川崎市は11月から、JR南武線などで、ふるさと納税による税収の”流出”を訴える広告を掲示しています。
2016年度では12億円だったふるさと納税による減収額が、本年度は56億円にも昇る見込みだとしたのです。

川崎市の人口は153万人で税収も多いですが、それでも56億円の減収額はかなりの額であるとしています。

市は本年度の当初の予算で3700億円規模の市税収入を見込んでいたのですが、3637億円に止まってしまっています。
しかも、川崎市は減収額補填の対象外となっていることから、税収が少ないと市民の住民サービスに影響が出てしまうと考えられています。

そこで、市は不足分を市の基金から借り入れを行なって市民生活を維持するのに必要な財源を確保しているとされていますが、基金、つまり市の貯金であることから、このまま借り入れを続けてしまうと底が見えてしまうのです。

ふるさと納税ワンストップ特例制度の仕組みが原因か

「ふるさと納税ワンストップ特例制度」だと、所得税は対象にならず、住民税が対象になる。

詳しく説明すると

4万円ふるさと納税に寄付して、確定申告で申請した場合
所得税と住民税の2つを合わせた税が控除されます。つまり、自己負担額(2000円)を引いた3万8000円が所得税と住民税それぞれに振り分けられます。

しかし、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」で申請した場合、住民税のみ控除対象となり、自己負担額(2000円)を引いた3万8000円分控除されるのです。

しかも、ふるさと納税ワンストップ特例制度は申請が楽なのです。

このやりやすさからふるさと納税を行う住民が増え、市の減収につながったのではないでしょうか。

最後に

今後のふるさと納税制度の改善、そのほかの制度の改善が必要になってくることは間違いありません。

今後、ふるさと納税を行う方も自分がどれくらい寄附しているのかという把握も大切になってくると思いますので、今後の行方に注目です。


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