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韓国型ニューディールが政権の運命左右 -- K防疫先進国だから大丈夫?という願望も無慈悲に折る正論が痛い

 たまたまうまくいった防疫措置をK防疫と大騒ぎして自己評価高めた韓国世論が願望と楽観的シナリオしか見ないままに大衆迎合主義な政権与党を誕生させ、支持母体の労働組合など左派の理想実現に暴走する韓国の今を無慈悲にぶった切る知識人インタビューが読んでるこっちが痛いという。

https://www.sedaily.com/NewsView/1Z3VUH5URB

​- コロナ19に対応する過程でK防疫が新しく照明を受けた。この過程で蓄積された危機管理の経験が私たちの社会に資産となることができないだろうか。

△コロナ拡散初期の2月のみも政府が適切に対応していなかったのは事実である。コロナ19の本質の正確な把握ができない状態で(中国人入国禁止のような)医師協会などの専門家の見解は無視されたし、多少楽観的な状況を注視しながら事態を育てた。マスク大乱で国民的不満が大きくなり、新天地足感染もお手上げだった。ところが、皮肉なことに、他の国に比べてコロナ19防疫をよくしながらK防疫が成功モデルとして浮上した。コロナが持っている本質的特性を阻止することができるユニークな力を韓国が持っていたではないかと思う。

-コロナの本質的特性であれば、どのようなことを言う。

△コロナ19はジョンパユルが速い反面、致死率が低いという特性を持っている。イベントや集まり自制、外出自粛、在宅勤務の拡大などの社会的距離を置くを大々的に行い、接触を禁止した防疫効果が極大化することができた唯一のものである。危機が近づくと、素早く対応して凝集する国民的反応が作用したおかげだ。政府の政策がよくなって防疫が成功したのではなく、国民の反応が早いからポリシーが成功したかのように見えるということだ。当初の予想よりも防疫をよくしていたのも事実だ。民間医療スタッフとボランティアの犠牲に裏付けされたし、防疫当局のリーダーシップも大きな役割を果たした。しかし、K防疫に先進国隊列に上ったという一部の評価は、性急な側面がある。先進国宣言はごく一部に限られるだけである。

출처 : https://www.sedaily.com/NewsView/1Z3VUH5URB

 ソン教授のK防疫評は上記の引用がほぼ全てだと思いますが、外から見ているほうも似たような印象ではないかと思います。SARSやMARSなどの危機を経て予め準備していた防疫体制と、戦時国家で徴兵制がある韓国の利点で予備役のような医療従事者をすばやく行政の指示で投入できるメリットを活かして人海戦術と現場犠牲、さらにプライバシーは無視して社会の意義を優先させてもいいという大胆なことができる素地があったればこそ。

それをもって先進国になり得ただの、欧米は後進国だの、恥ずかしげもなく口にし、さらには大統領が堂々と「コロナに勝利し、我々が世界だ!」と演説しちゃう国ってなんなの?と。まぁ、日本だけがそんな印象なのかな~?と、思ったら、韓国内の知識人でもバッサリと言うレベルだったんだね(笑)

-コロナ19事態を契機に市民意識が一層成熟したという評価も出てくる。

△大目に解釈すれば、今回の経験を通じて、市民意識がどの程度成熟したことがあるだろうが、今のところそのよう判断したくない。韓国人は、20世紀中の危機を突破し、ここまできたので、危機に対する反応性が強いという特性を持つ。これ置いて市民意識とすることができるかは疑問である。もちろんコロナ19により共同体的自発注意(voluntarism)が作動したのは事実だ。しかし、特定の地域や特定の層に限定さ危機であった場合、今回のような共同体的、自発注意が作動だろうか。それはないと思う。端的に2011年牛眠山地滑りだけでも、住民ではなく、近くの軍部隊で土砂を更新した。市民意識が成長しているのは明らかだが、市民意識の全体的なベースはまだ堅くない。

 記者はさかんに「K防疫で韓国は先進国、国民性も高まったから大丈夫ですよね?」と訊いているんだけど、ソン教授はあくまでも無慈悲。

「大目に見れば今回の経験で国全体が危機になった際の市民意識が成熟したこともあるだろうが、特定の地域や層に限った危機の場合、社会全体が危機意識を共有して動けるかは疑問」ってことですよね。

韓国人の教授だからその辺は痛いほどわかっていると思うけれど、韓国は格差の間がほぼ閉ざされた非常な格差&競争社会。生まれた時の境遇でほぼ人生が決まる。それを乗り越えるにはソウル大学を卒業してサムスンに入社するか、プロスポーツ選手になるかぐらい。最近はアイドルもそうらしいですけどね。公平な競争原理でアイドルは誕生しなければならないんだそうです(笑)。それもこれも本人の努力程度では乗り越えられない大きな格差が存在しているからこそ。

さらにそこへ性差、年代差、民族、思想、地域…あらゆる格差や差別、偏見が混在し、それぞれの立ち位置で自分たち以外を敵として攻撃し合う性向が強く出ているのが韓国社会。格差や差別に対して怒っている社会正義に不満を抱えているのは誰でも同じなのに、それぞれの属性が違うだけで怒りや正義をぶつける相手が違うから、バトルロイヤルやってるようなもの。

自分たちの属性、仲間に影響がなければ他の価値観など無視するし問題も気にしないし、他の属性が得をしたら許せないしとりあえず引きずり下ろすのが基本。コロナ防疫で他人のプライバシーがどんなに暴かれようとも家庭や仕事を失うことになろうとも自分が感染するリスクのためには気にしないし、想像もできないのが半島気質。

386世代のフレームは、実績と業績を中心に動作し、少しの間違いや誤りを覆ってくれる傾向を見せる。定義や工程のような民主主義の基本的価値観ではなく、現実の政治で闘争しながら体得した規範や文法を重視して、これを強化するものである。相手を説得したり、議論をする暇もなく、闘争の時代を通過した経験の特殊性が政治権力も明らかに現れる。今の政権に向かって、いくら叫んでもエコーがないことも方向が決まったら、他の馬は聞かず突進するように鍛えているからである。個人的には最近の政治的立場を明らかにコラムをできるなら使わない。言っても無駄ないから早めに諦めたのだ。

韓国の「386世代」って言い回しはよく出てきますけど、1990年代に年齢が30代、80年代に大学生活を送り、60年代に生まれたってことらしいんですが、60年代に生まれてたら90年代に30代当たり前で重複する表現いらないんじゃない?68世代ではないの?とか思わないように(笑)。特に盧泰愚政権の支持層を指して言っていたこともあって進歩的傾向(左派傾向)の強い属性を表すものらしい。盧泰愚とくれば今の文政権も輪をかけた左派政権ですので、この辺の動きが今の韓国でも敏感な話題なんでしょう。

ソン教授の言うように、文政権では民主主義が大事にするプロセスを吹っ飛ばしてゆく傾向が強いのも、闘争の世代である彼らが力で理想を実現させようとして反対勢力を説得するような手間をかけないことにも起因していると。さらに文大統領の鶴の一言に一斉に周りが疑問も議論も経ずに突進するのもそのおかげである(鍛えられているってのは笑う)。ソン教授のような人たちはその性癖をすぐに見抜き、言っても無駄だから早めにそういうことは諦めたって言ってるのが韓国の未来への大きな不幸なんだけど、政権も世論もそれを知らない。こんな皮肉を言えばすぐに「土着倭寇は日本へ行け」で終わってしまいますからね。

市民団体への下りで「元挺対協のような問題も、386世代特有の、手続き的透明性をすっ飛ばしても業績を早く上げることを至上とする傾向が強く出た結果」みたいな話があって、確かにそうだなと。

市民団体へ市民の参加率が日本(10%)より低い6%ってのもちょっと驚きだったんだけど、振り返ると確かに、市民団体の構成員はほぼプロ。会員となる一般市民はあまり出てこないなぁ。その上で、デモやパフォーマンスで募金を募りながら政治団体化して資金を得ないと活動できない実態ってのがあるんですね。

それだから一部幹部の横暴や私利私欲でなんでも決定してできちゃうのが韓国の市民団体の問題点ってことですね。まぁ、登場人物がぜんぶ韓国人だとどうあがいても権力を手にした人間が横暴に振る舞うのは止められないのでそこに民主主義的な意思決定運営方法など考えても無駄なんですが。

-一方、386世代の行動中心的な経験が現実の政治で効果を発揮していないか。

△コロナ19のように、社会全体に影響を与える危機が来れば出口を探したり、変化を導く危機対応力は非常に優れている。緊急災害支援金が代表的である。方向が書かれ実行は非常に迅速に行われる。もし保守党だったら、こんなに早く全国民に災害支援金が緩んか疑問である。

-ポピュリズムを懸念する声も出てくる。

△コロナ19緊急時にタイムリーに提供された緊急災害支援金が、これ基点にポピュリズムの扉が開かれている。ポピュリズムが広まっする条件は、すでに装備された。巨大与党、比較的対抗勢力は小さく、経済危機は、目の前に迫った。南米型ポピュリズムがまさにこのような環境の中で胚胎されたという点を考慮すれば、私たちもそのような方向に行くことができる可能性が濃厚なのだ。

とにかく考えるより動く。動いた結果のことは気にしない。意思決定者の言葉は間違っていないので実現させるために周りが動く。間違った結果が出たらそれは社会が悪いのだ!ってのが左派政権の傾向で386世代もそうらしいです。そのために文政権が1世帯に100万ウォン(四人世帯の場合)を世帯収入の下位70%に支給という災害支援金を、選挙で大勝した与党が半ば強引に全世帯に変えてクレカのポイントなどでさっさと支給したスピード感は確かに凄い。

もともとクレカを使うことを奨励し、所得控除までやって普及させてきた韓国はクレカで申請させてやれば簡単なんですよね。クレカ大国ゆえに多重債務の問題は常につきまとっていますが。

で、そのスピード感は良いんだけど、全世帯にばら撒いた結果はポピュリズムの素地を作り上げたもので、巨大与党が議論もそこそこに思いついたことをパッとやる、市民の声が影響する政策も多くなる。その判断が間違っていたとしても批判する勢力の声は小さいし、今の韓国では親日派というレッテルで簡単に社会的に封殺されてしまいます。結果が成功と言いつくろえるまで押し通すことは明白。であるならば結果など気にせず、見た目の派手さや市民が儲かるかどうかの判断でやってしまうことが多くなるのは目に見えてますからねぇ。

-コロナ事態に付着ヒギンしたムン・ジェイン政府の経済実情は考えなければならない問題ではないか。

△行動力が強いということは、他に解釈すると誤った判断にこだわりながら、最後まで押していく余地が多いということにもなる。代表的な例所得主導の成長である。多くの経済専門家が焼酎性ポリシーは、方向が間違っていると指摘したがグィトドゥンでも聞かない。問題が発生した場合、先に行くみようという式というか。80年代学生運動で内在化したヘゲモニー文法がそのまま貫徹されるものである。正しい判断のもと実行すると、いいのですがそうでない場合は、大幅なコスト負担を抱くようになる。現実の診断が間違っている場合どうするかの集団複眼がないのが限界であるようだ。

-具体的には言えば?

△ムン・ジェイン政府初期の2018年、大統領府招請講演時週52時間制、最低賃金制、非正規職の正規職化の推進について」の目的は、ジョンウイロプジのみの手段が間違っていた。おそらくめちゃくちゃになるだろう」と忠告したことがある。当時ジャンハソン政策室長が6ヶ月ぶり待ってくれていた、最終的にどのようになったのか。雇用安定基金に数兆ウォンを注ぎ込んたが失業者は急増し、企業は大変騒いではないか。

ソン教授も言及していますが、所得主導成長経済モデルなんてまさに好例。プランが出た時から内外の経済学者が失敗すると言っていたのに政権は耳を貸さない。そのうち、妨害するそのような声は親日派として封殺され、次第に誰も声をあげなくなって文大統領を止めるものはいなくなった。もちろん、その結果は惨憺たるものであっても、結果が出るまでは産みの苦しみと言い訳してさらに加速させていた。

今回のコロナ禍が文政権の経済・雇用政策の評価を有耶無耶にしてしまっていますけど、確実にコロナより経済を殺したのは文政権。ですが、強運というか悪運というか、全ての経済・雇用の数字はコロナのせいにできちゃって支持率は驚異の70%(笑)。

雇用消失、失業率の悪化、新卒氷河期などはダイレクトに国民に被害が及んで相当に苦しいはずなのに支持率が上がるのがやっぱり不思議な国なんですよね。企業は相当苦しんでいて、業績悪化はもちろん、営業利益がホントに少ないのが韓国なんですが、支持層が労働者中心で企業は敵という左派傾向が強いせいか、経済が文大統領の思惑通りに動かないのは労働者の権利を搾取する資本家と財閥が悪いのだ!(あと日本)とすり替えているからかな。

なかなかストレートに言い放す教授で、韓国内でわかりやすく問題をぶった切る人は特に文政権発足からこっち見なくなっていたので面白かったです。著書が8月に出るそうなんだけど、韓国人って本をあまり読まないからなぁ。まぁ、日本人が「ひらがな」だけの小難しい著書を読めと言われたら苦痛しかないのと同じだから仕方ないけど、漢字を捨てたのは韓国人だからどうしようもないけどね。


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