ポッドシステムの終焉とトップリーグのSHに海外選手が増えてきた理由
何試合か今年に入ってからのラグビーを見てて感じたのは、それまでも流れはあったけどシステムとしての、1-3-3-1の様なシステマチックにFWの数を決めてレーンを埋めて行くと言った様なポッドは完全な終焉を迎えたとも言えるかなと感じました。その中で可変ポッド等言われる様なFWの数を変えダブルラインの数を調整するやり方や、シェイプを中心にレーンの幅を調整するやり方が19ワールドカップ以降中心になっていました。それがさらに進みそうに見えたので細かく見ていけたらなと思います。
まずタックルのレフリング含めた問題でシングルタックルで真っすぐ相手を倒しきるタックルにメリットが少なくなってきてるんじゃないか?ってのがあります。特にシングルタックルで倒しきりに行ってもボールを繋がれる可能性を殺しきれてるかになりますし、倒しきれたとしても自分も自立してない場合ロールアウェイを厳しくとられるのでその後のプレーに非常に絡みにくくなります。なら多少相手にドライブされることは許容してまずしっかりボールを殺しにいくファーストタックラー、その後アシストタックラーと一緒に相手を倒しどちらかは自立しておく状況を作りだした方が有利なんじゃないかって考えてる感じですね。そこでアタック側のサポートプレーヤーが1人来る、タックル側は2人とも自立してた場合クリーンブレイクは難しくなりますし、ターンオーバーの可能性も出てくるので多少のゲインは仕方ないないと割り切ってる感じもしますね。そこでそこまでディフェンスがラインを上げ切ってこなくなったので今までのポッドやダブルラインでは攻略しにくくなってますね。
その中でディフェンスを崩していくためにポジションでのタスク分けが変わってきてる面が多いですね。もちろん前5人の運動量が増えてきてる等もあります。そんなこともあり各選手に様々なタスクを与えられることが多くなっていますね。
まずレーンを調整するために9シェイプを活用するチームが増えたことにより10番の選手の立ち位置が少し下がりました。この事によってディフェンスへの切り替え等の時に今まで15の選手が担わないといけなかった、後ろのスペースのカバーリング等を担うことが増えました。
その分15の選手はポジションをより柔軟にとることが出来るようになりました。実際向上したディフェンスを崩すためにはフリーマン的な選手を使ってアタックラインの角度を変えていく必要があります。実際、松島なんかは従来の15の選手に必要とされたキックへの対処等のスキルは高くないですがボールを持った時の能力は非常に高いので重宝されている面もあると思います。
またあまりディフェンスが上がらなくなったのでエッジにボールが運ばれるシーンも増えました。さらにキックもスキルが高くなり両ウイングの選手がチームの深さと幅をしっかり保てるかどうかもより重要になっています。そのサポートをするタスクも15に求められていますね。
また10の位置が離れたことにより今までとりあえず10に出してからラインで仕掛ける判断をしていたのを9で判断するシーンも増えました。またラインに10がいないシーンも増えたのでその変わりの指示や判断もする場面が増え9もラインでのプレーを求められるシーンが増えてきましたね。そのトータル的な能力を持った選手が日本には少ないのがトップリーグでこのポジションに外国人選手が増えてきた要因とも言えるでしょう。
ポッドシステムでの役割は意志決定者としてチームの真ん中にいる事の多かった選手同士の距離感が少し離れた事により、システマチックに自分のポジションを守りながら攻めて行くよりも、より個人の判断が需要視されるようになりその中でその場での最適解としてポッドを活用するようなラグビーがさらに進んでるように感じます。この先さらに流動的なシステムが発見されるまではポッドと言う概念は廃れる事はないでしょうが、システムとしてのポッドは終焉を迎えたんじゃないかなと思います。