ラグビーポジション論 オープンサイドフランカー

次は2番の話をすると見せかけて7番右フランカー、オープンサイドフランカーの話をしていきます。
なぜか知らないけど南アフリカは6と7が逆やったりもしますね。
理由は俺にもわからないんで教えてください。

まずなんで右がオープンサイドかの説明からすると
アタック方向から見て
スクラムは右から左に回りやすい
スクラムハーフは左に位置した方がオフサイドライン無視しやすい
この二つからウイングも基本的にオープンウイングが14ですね。

説明が前後しましたがスクラム三列目右側もしくはグランドを2つにわけて広いサイドで組む事が多い選手がこのオープンサイドフランカーです
このスクラムにオープンサイドがあると言う点で各チームでフランカー、エイトの3列は並び方を替える場面も少なくないです

その中で攻守における右のフランカー
左に回りやすく相手のルースヘッドプロップの前にいる選手がスクラムでしたいことはわかりますよね?
相手の左プロップの選手の外側からの圧力を無力化して割っていくサポーターのような形になるでしょう

そしてスクラムからのアタックフェイズではスクラムから1番飛びや出しやすい位置にいるのでまずなによりもファーストフェイズのBDに入っていくのがなによりの仕事だと思います
ディフェンスも近い部分がありスクラムハーフとの役割分担もありますがスタンドオフの内側のエリアのディフェンスを担当する事が多いです
正直ここが機能するかどうかでチームのセットディフェンスの強度は大きく変わってくると思います

またスクラムからのキックではアタックやとキッカーの内側から出ていって固める役割を果たす場合が多いです。ボールにチェイスかけた選手がかわされたらすぐに対処したり相手のキャッチングした選手を倒したらすぐにボールを奪う等の役割があります。
逆にキックを蹴られる場合はキッカーにチャージしに行く場面も少なくありません。重要な仕事の1つといえるでしょう。

ラインアウトやキックオフでの役割はチームや選手によって変わる部分は多いです
今はロックのような身長がある選手をこのポジションに置くパターンは多いです
ただその中でラインアウトの最後尾からのディフェンスて役割を担う場合がありますこれはラインアウトでリフトが取れなかった球を拾ったり
スクラムハーフの位置の選手にプレッシャーをかける
クイックで出たボールにスクラムと同じように内側からプレッシャーをかけていく
こんな役割を背負ったりする場面も多いです
なので一次攻撃のブレイクダウンには関わる局面が多いです
むしろしっかり関われる選手がまず第一に評価されるべきとも言えるポジションでしょう

そして二次攻撃がありリターンされてくる三次以降のアタックやディフェンスではそのまま後ろに下がり中央付近のスペースにポジショニングする事が多いです
そのまま可変ポッド等に対応して周囲をカバーリング攻守でそういった運動量を求められるポジションです

まずオフェンスでは二次攻撃の後に出来た近場のポッドやシェイプに入る、真ん中のポッドに入る、エッジへの繋ぎ役になる、といった判断をしながらBDが出来そうな場所を判断して自分はそこに入るかの判断
入らないなら残るのかシェイプするのかの判断をしていくのが非常に重要になります
その中で自分が相手のディフェンスの真ん中に立つことが多いのでしっかり角度をつけてボールをもらえるとチャンスになる場面が多いです
またエッジに回った後に帰ってきたボールをハーフと共にフォローしたりとボールに常に反応するポジションだろうと言えます

単発での突破力を持ってるに越した事はないですが二の矢三の矢になってアタックに厚みをつける
それが出来る選手は
BDへの反応も速いのでこの選手が機能するかがアタックのリンゲージに大きく関係してくると思います

それ以上に求められるのがディフェンスで二次攻撃からBDに入るかの判断は当然でそのBDを捨てるなら順目にディフェンスラインを引きに行くのか折り返しを待つのか
しっかり相手とのラインが揃ったらプッシュアップしていくのか決めるタスクを与えられている場合もあります
そうやってディフェンスラインで穴になりそうな所を埋めながらタックルをしていつでもBDに入りボールを奪うそんな役割を担うポジションです

さらにセブンエイス時代の名残かバックスラインの後ろをカバーリングする役割を与えられるチームもあります
そんなチームでもっとも運動量があり攻守でリンクさせていく能力がある選手がオープンサイドフランカーです

何故ブラインドサイドとオープンサイドにわかれたかはリサイクルベースの展開重視のオープンなラグビーを指向していくうちに特に南半球を中心に自然とわかれていったようなイメージですね。
選手としては87年の第一回ワールドカップで活躍したマイケル・ジョーンズ選手は万能に近いタイプでしたがその後継者のクロンフェルドはよりプレースタイルがリサイクルベースに近いプレーになってきますね。
また南アフリカもキャプテンのピーナールが居ました。
そしてより顕著に出したのはエディ・ジョーンズでダブルオープンサイドフランカーと名付けウィル・ウォーとジョージ・スミスのコンビで自国開催のワールドカップでは見事にオールブラックス相手にBDを制し試合をコントロールさせずに試合を終わらせていましたね。
南アフリカも日本でも馴染みあるスカルク・バーガーが頭角を現してきてましたね。そして南アフリカを2回目のワールドカップ優勝に導きます。
そして2大会連続で苦汁を味わったニュージーランドにリッチー・マコウが居ました。
彼がこのポジションを完成させ現代ラグビーの花形にしたのは間違いないでしょう。
実際彼の後継者となる選手が居ないのでオールブラックスのBDが安定しなくなってしまったことがゲーム展開が落ち着かない原因になっていました。

オーストラリアのポーコック、フーパー
南アフリカのロー、コリシ
としっかりこの流れが見える選手が今も存在感を出してますよね。
オールブラックスのフランカーも名前をあげればキリがない程いるのはご存知でしょうがマコウと比べられるのが嫌なのかポッドシステム等の影響かはたまた能力が高い選手が多いからか
左右のフランカーとしてタスクを絞りきらずに良く言えば臨機応変にですが多少優柔不断なようにも選手達は見えてしまいましたね。
常にその優秀なバックローが故の悩みでもあるでしょうし
それだけ優秀なバックローがオールブラックスに多いから対抗するために出来たのがブラインドサイドフランカーと言うのかもしれませんね。

ヨーロッパではフランスのデュソトワールのようにどちらかに絞るんじゃなく左右にわかれるパターンが多かったように感じます。
しかし南半球的な流れも多く見られるようになってきてワールドカップでエディがダブルオープンサイドのセルフカバーのような形で
サム・アンダーヒルとトム・カリーの二人を
カミカゼ・キッズと言う名前をつけてBDでしっかり仕事をすることを求めてましたね。
日本戦から注目されているジェイミー・リッチーもこのポジションの選手ですね。

名前をあげた選手を見てもわかるように選手生活晩年や日本ではエイト中心にプレーしていた選手もいるようにもちろんこのタスクだけをこなせば良いわけではありません。
日本に来ていたジョージ・スミスがエイトから転向した佐々木隆道にワークレートの重要さをといて全然足りないと伝えたなんて話もありますね。
そのように日本ではやはり学生時代はエイトだった選手も少なくないように感じます。
実際リーチも一番能力が発揮されるのはこのポジションでしょう。
その中で注目はパナソニックの福井でしょうか。
高卒から即プロと日本では挑戦的な試みをした選手ですがこのポジションで活躍するポテンシャルは高いと感じています。
トップリーグの中でも余裕を持ってプレーしてるくらいにも見えますしワークレートの面ではまだ疑問符がつきますがハンドリング等の技術も高くしっかり次のプレーへと繋げる選手ですね。代表に早めに召集して経験を積ませていけばリーチのようによりマルチなプレーヤーに成長するんじゃないかな?と期待しています。

個人的には本当のラグビーの面白さを知りたいならこのポジションをおすすめします。
あげた名前を見たらわかるようにキャプテンを勤める選手が多くラピースが代表初キャップの試合でキャプテンを勤めたように
やればやっただけ評価されるポジションだと思います。
サイズはもちろんあるにこしたことはないですがあまり恵まれない選手でも活躍する選手も多いです。
ボールを持って走ってトライするのももちろんファインプレーですがそれだけではラグビーは成立しないのでボールを持ってない所でどういう仕事をする必要があるかを知りたいならこのポジションに注目してください。


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