ますだゆーま

音楽と法律。音楽では指揮・ピアノ・打楽器・編曲をやっています。法律では刑事法学をやって…

ますだゆーま

音楽と法律。音楽では指揮・ピアノ・打楽器・編曲をやっています。法律では刑事法学をやっています。

マガジン

  • 刑法のエニグマ~刑法を身近に~

    刑事法学を身近に感じてもらうため、「疑問に答える」形で刑法の中身を簡単に解説しています。

  • ショパン&ベートーヴェン 重要作品解説

最近の記事

第2回 自殺関与罪って?

1 他人の自殺に関与すると・・・ 第1回の記事「自殺は犯罪?」で,自殺行為は犯罪とならないことを確認しました。今回は,自殺を手伝うなど自殺に関与する行為がどのように評価されるかをお話ししたいと思います。「自殺が犯罪とはならない以上,それに関与しても犯罪にはならないだろう」と考える人が一定数いると思いますが,結論からいうとそれは誤りです。刑法202条をみてみましょう。 刑法202条(自殺関与及び同意殺人) 人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその

    • 第1回 自殺は犯罪?

      ※おことわり:本稿は自殺行為の法的評価について論じた文章であって,自殺行為の是非を表明するものではありません。 1 犯罪とは 警察庁の発表によれば,令和2年の日本国における自殺者の人数は21,077名でした。かなり前から自殺の防止策についての議論が進められてはいますが,一定の効果を挙げるには至っていないのが現状でしょう。さて,自殺行為は犯罪となるでしょうか。この疑問に答えるには,「犯罪」とはなにかをしっかりと確認しておかなければなりません。刑法の世界では,とりあえず悪そうな

      • 「刑法のエニグマ」まえがき

         こんにちは。このマガジンでは「刑法のエニグマ(謎)」と称して,刑法に関してよくもたれる疑問をある程度詳しく解説してみようと思います。法律を専門としていない方にも法律,とりわけ刑事法を身近に感じていただくため,そして私自身の理解の整理のために拙い文章ながら公開させていただこうと思います。私は大学の刑事訴訟法の研究会に所属しており,普段は刑事訴訟法の研究を中心にしています。しかし関心は刑法学(いわゆる「○○罪」など犯罪行為自体等に関する研究),医事法学(医療ミスの刑事責任,安楽

        • ショパン・重要作品解説第1回① バラード(総論)

          はじめに、ショパンのバラードの「総論」といいましょうか、4曲に共通する事柄について書きます。バラードというのは、元々は文学のひとつのジャンルでした。具体的には、いわゆる叙事詩のようなものを指す言葉だったようです。19世紀に文学としての「バラード」がポーランドに伝わり、ショパンはそういった詩に影響を受けて、ピアノ曲としてのバラードを作曲したのだろうといわれています。ショパンの4つのバラードは、それぞれ詩人ミツキェーヴィチの4つの叙事詩の内容を題材に描かれており、ショパンの作品の

        第2回 自殺関与罪って?

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        • ショパン&ベートーヴェン 重要作品解説
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        記事

          ショパン&ベートーヴェン 重要作品解説

           タイトルに書いた通りなのですが、ショパンの作品番号のついたピアノ曲・協奏曲すべてと、ベートーヴェンのピアノソナタすべてとピアノ協奏曲すべてについて譜例(と時々演奏?)を交えながら解説してみたいと思います。 量産型の楽譜集の巻頭言に書いてあるようなことには字数を割かず、各種原典版の校訂報告やその他ピアニスト・音楽学者のコメントなどに依拠する重要なことがらや、具体的な練習方法など演奏や鑑賞の鍵となる内容を検討の中心にしたいと思っています。  このコンテンツは演奏上での自分の勉

          ショパン&ベートーヴェン 重要作品解説