「感染防止VSエコ」という葛藤
最近、街を歩いているときに虹のマークの「感染防止徹底宣言ステッカー」をよく見かけるようになりました。私がバイトをしている飲食店にもこのステッカーが貼ってあります。実際にこのステッカーを貼る段階で感染防止対策として行う作業が多くなりました。
しかし、対策として行う取り組みの一部は環境配慮やエコという概念には反することがあります。そんな現状と私の思いを書いていきたいと思います。
1 感染防止徹底宣言ステッカーとは
この取り組みは、新型コロナウイルス感染症の拡大防止を図りつつ事業者が事業を実施していくために、東京都が発行したものです。ある一定以上の対策を行っている施設の目印として機能します。
各事業者は自分で東京都のサイトからチェックシートをダウンロードしてチェックを行い、専用の申請フォームを使ってステッカーを発行し印刷します。外部から人が来て対策がちゃんとなされているか審査が行われるわけではありません。飲食店だけでなく図書館やホテルの宴会場なども対象とされており、それぞれの施設向けのチェックシートがあります。
チェックシートの例として飲食店のものを載せておきます。
詳細な対策の仕方というよりか、大まかな気を付けるべき点が書かれていました。
2 葛藤
上のチェックシートを達成するための具体的な施策に関してはそれぞれの店舗に委ねられているようです。
例えば私がアルバイトとして働く飲食店では、
・スタッフは接客時も常に手袋を着ける。
・クレジットカードの暗証番号を打ち込むボタンを、使う度にアルコールで消毒する。
・テーブル上に常備していた調味料・シルバー・ナプキンなどを、一人分の量に分けて小さな袋に入れ、一人につき一セット提供する。
といった取り組みを始めました。先のチェックシートに当てはめると、例えば3つ挙げた内の最後の取り組みは、チェックシート内4番の「複数の人が触る場所や物品を減らし」に当てはまります。
確かに複数の人が接触する箇所は少なくなりました。
しかし、言い換えれば、紙ナプキンなどを必要としない人にも配ることになり余分なゴミが出るようになったとも言えるのです。これまでは必要な人が必要なだけ使えば良かったので無駄がありませんでした。
一番いいのは何をどれだけ必要かその都度お客さんに聞いてその分だけ出す、というやり方だとは思いますが、混雑時にこれをやるのはかなり難しいです。また一旦お客さんのテーブル上に出した物を他のお客さんに出す、というのも感染防止のために避けるべき行動とされています。一人分のセットの中で、例え確実に紙ナプキンが使われずに残っていたとしても捨てなければならないのです。小分けの調味料も同じです。
この状況を皆さんはどう思いますか?確かに自分が働いているお店からクラスターを出したくないし、対策はしっかりすべきだと思います。しかし新品と大差ないのに一度お客さんに出したために捨てなければならない物を見るたび「もったいないなー、、、」と思ってしまうのです。
だからぜひ、感染者と同じものを触れたら感染するのかなどの細かい基準をもとに、どこまでやれば「感染防止徹底」していると言えるのかを明らかにして欲しいなと思いました。もしかしたら同じ物を触れただけでは感染しないかもしれません。だとしたらただ非エコなことをしているだけになってしまいます。
まだまだ新型コロナウイルス感染症に関しては不確定なことが多い今だからこそ、お店としてはできること全てをやっているのだと思います。エコでなくても、それによる損失よりクラスターが発生したことによる損失の方が大きいとも思いますし。ただいつになったら確実なことがわかるかということは誰にもわからないものなので、現段階でわかっていることをちょっとずつでも取り入れ、感染防止だけなくエコという面も考えられたらより良いのではないかと思いました。
3 今日からできること
ここまで、予防対策をすることによってエコではない取り組みが生まれている話をしましたが、今すぐに各店舗の取り組みがエコを意識したものに変わることはないでしょう。そこで、お客さんとしてお店に行ったときにできることは、テーブルに上がったものは全て使うということです。私のバイト先の例で言うのならば、一人分として与えられた紙ナプキンや調味料は全て使って欲しいのです。最終的に捨てる量は変わりませんが、新品のまま捨てるよりは幾分か捨てるスタッフ側も気持ちが楽ですし、無駄になっていないと言えると思えます。
ぜひ与えられたものは全て使う、というのを意識してみて欲しいと思いました😌
著:璃子
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